Settled 「それで決定」
「準備はいい?」
「うーん、どうかな……あ、いやいや、大丈夫。家に帰れるのは嬉しいよ」
「なんだか、引っかかってるような感じだけど?」
「たぶん、ちょっと迷ってるからだと思う。それって変だよね? 僕たちがここに来たときは、こんなの早く終わればいいなと待ち遠しかった。なのに、今は? ほとんど、帰るのを嫌に思ってるかんじなんだ」
「その気持ち、分かるわ」
「ほんとに? 僕は、君が普通の生活に戻れるって大喜びしていると思ってた。初めてここに来た時、君があれだけ文句言ってたんだから……」
「ええ。ここでの物事の進み方に合わせるのにはちょっと苦労したけど、あたし、もう馴染んだでしょ? 今ね、あなたが元のあなたに戻った時のことを考えてるんだけど……イライラした気持ちにしかならないのは確か。きっと良くなるはず。昔のあなたの姿、あたしずっと大好きだったし、それに、ちょっとだけ順応すれば、しっかりと、そういう気持ちに戻れると思うの」
「そうだね。この2年間、女性の姿の人たちばかり見てきたので、世界についての僕の見方は確実に変わったよ。今度、普通の男性を目にしたら、違和感を抱くと思う」
「もしかすると、あなたが普通の男性になったら、もっと違和感を感じるんじゃない? あなた、あれだけ女のありとあらゆる服装を楽しむようになったんだし……」
「でも、もし、家に戻らなかったらどうなるの?」
「戻らなくちゃいけないの。2年間の限定なんだから」
「いや。ここにとどまるべきとは言ってないんだ。何を言ってるかというと……もしかすると、僕は元には戻らないかも。ここの人たちも最初に言ってたよね、追加料金を払えば、恒久的な変化にできると」
「じゃ、それをしたいと?」
「ぼ、僕は……元に戻りたくないんだ。ここの人たちのすることが気に入ってるから」
「あのねえ、あの人たちが恒久的と言ってるのは、本気で恒久的と言ってるのよ。もし、そう決めたら、後戻りはできないのよ? でも……本気でそう言ってるなら……」
「本気だよ」
「じゃあ、それで決定ね」
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