2ntブログ



ポルノ・クイーンの誕生 最終章 (19) 

カメラは、バンから出る女の子に一人ずつ焦点を当てて撮影した。私たち全員がスーツケースを受け取ると、みんなでまとまってホテルに入り、フロントに向かった。その間、カメラはずっと私たちのミニスカートや、揺れるヒップを横から撮り続けていた。そしてフロントデスクの前に集まったところで、マークが「カット!」と叫んだ。

次に、私たちは、映画でのそれぞれの役名を教えられた。チェックインするときに、その名前を使う。一人ずつ、フロントに立っているマリアにカードを渡す。マリアは、そのカードの名前をコンピュータに打ち込み、その後、ドアのキーを差し出し、部屋が何号室になるか教えるという手順だった。

その時になって初めて、私は、私がトリキシーと同じ部屋になると分かった。キーを受け取った後は、みんなでゆったりとエレベータの方へ歩く。私たちの後をカメラが追って、撮影すると、そういう流れになっていた。

このシーンは、完成版ではあまり長いシーンじゃないけれど、それでも撮影には2時間以上かかった。その撮影後、私たちは30分、休憩時間をもらった。その間にマークは3階フロアにセットを組み立てる。

マークはクルーと一緒に3階に行く前に、私とトリキシーに、二人、仲良くなっておくようにと言った。というのも、ランチの後、最初に撮影するセックス・シーンは、私たち二人の絡みになるからと。

トリキシーと二人でリフレッシュ・コーナーに行ってソーダを飲んでいる間に、彼女の体つきを観察した。彼女は私より10センチ以上は背が高いけれど、背が高いのは脚の長さによるものと言えた。腕も長く、手はほっそりとして指が長かった。私が知ってるTガールは大半が長い髪の毛をしていたけれど、彼女はそれに比べると、かなり短い髪をしていた。色は茶色。瞳は、くりくりと丸くて、チョコレートのような色で、鹿の目を思わせた。

二人で飲み物を手にロビーのソファに座って、出番の呼び出しが来るのを待った。腰を降ろすとすぐにトリキシーは私の手を握って言った。

「マークの話しだと、あなた、今回が初めての女優の仕事だそうね? ということは、これまでカメラの前でセックスした経験がないということ?」

「プロとしては初めてだけど、アマチュア作品なら、マークや他のお友達と何本か撮ってもらったことがあるのよ」

トリキシーはにっこり笑った。「それは良かったわ。ということは、少なくとも、どういうことが求められているか分かってるということね。されると嫌なことって何かある?」

私はちょっと考えてから答えた。「う~ん… 私、まだ、嫌だと思うことは、したことがないと思うの」

トリキシーは嬉しそうに私の手を揉んだ。

「それも良かった。どうやら私たち、この仕事をものすごく楽しめそうな感じね。普通だと、マークは、いったんカメラが回り始めたら、私に好きなことをさせるの。もちろん、何か特別に撮りたいところがある時は別だけど、そうでないときは私に任せる感じ。一応、私の方が経験がありそうだから、最初は私にリード役をやらせてくれる? もし、私があなたが嫌だと思うことをしたら、その時は軽く私を押し返してくれる? そうしたら、やめるから。いいわね?」

「ええ。いいわ。ありがとう」

その時、マークに呼びかけられ、エレベータに乗るよう言われた。

3階に着くと撮影が開始。私たち7人そろって、自分たちの部屋に向かった。サミーが最初の部屋に入った。彼女はルームメイトなしなので、一人部屋だった。タバサとアマンダがサミーの向かい側の部屋。ブリジットとサリーは、その隣の部屋で、その向かい側が私とトリキシーの部屋だった。

部屋に入るとすぐに、マークはカットと声を上げ、そのシーンが終わった。マークは、トリキシーと私にランチを食べて、午後の1時には準備が出来ているようにと指示を出した。他の女の子たちには、本日の出番はこれで終了と伝えていた。



[2010/02/15] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する