「不特定交際 Field」 by deirdre, 10/13/94
ダイアンが快く私のルームメイトになってくれると知って、私はすごく嬉しかった。ダイアンはとても綺麗な人だし、大好きな人だったから。二人でキャンパスに近いところにある、ベッドルーム二つのアパートを探して、やっと見つけた。私は、大学寮の生活よりは何か良いことがあるんじゃないかと期待した。
初めは調子良かった。ダイアンと二人で費用や家事の分担を決めた。二人とも、この分担の件に関してはとても誠実に守ったし、時々ダイアンはいろんなことについて過剰に反応することがあっても、私は彼女との生活が居心地良かった。
だからなのか、私はダイアンに好きなようにさせていたように思う。…たぶん、私は物事を流れるままにさせておくタイプなのだろう。そして、ある日、ダイアンは新しい彼氏を私に紹介したのだった。
ダイアンは、確かに彼氏がいておかしくない女の子だと思う。それに、彼女は前の彼氏と別れたばかりだった。
その新しい彼氏の名前はジョージ。ジョージならまあまあかなと思った(ダイアンが本当に気持ち悪い人と付き合いだしたのかもしれないと思っていたから)。でも、私は、ダイアンが彼にぞっこんになってるのを見てちょっと驚いた。もっとも、ジョージ本人は何も悪いところはない。ただ、彼は特別と思わせるところが何もない人に思えた。ダイアンなら、ずっともっと良い人を見つけられるんじゃないかと思った。
一度、そのことをダイアンに訊いてみた。
「あら、彼にはすごく上手なことがあるのよ」 とダイアンは意味ありげに微笑んだ。「彼は私にいろいろさせるんだけど、そのさせ方が特別なの」
即座に、私は、立ち入りたくないことを訊いてると察知し、話題を変えた。
後になって一人でいる時、私は、知らぬうちにベッドの中でダイアンとジョージがいるところを夢想していた。それに気づいて、私はすぐに頭を切り換えた。
だけど、ちょっと嫉妬を感じたのは事実だった。ダイアンが私より充実した生活を送っているのは明らか。…ジョージはダイアンにどんなことをさせてるんだろう? 時々、私は、自分は真面目ぶらずに「何でも許す」ようなタイプになれるんだろうかと悩むことがある。
そんなある日、学期の終わりに近づいた頃だった。ダイアンが突然、ジョージも引っ越してくると宣言したのだった。
私は不意を突かれた。彼女がそこまでするとはぜんぜん思っていなかった。でも、その件でダイアンと口論するのは嫌だったので、それとなく、そうなった場合の問題点を指摘して思いとどまらせようとした。だけど、「それとなく」は、ダイアンには通じなかった。それから間もなく、ジョージが引っ越してきて。3人での生活になった。ひとつ良いことがあって、それは家賃が三等分になったこと。