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デス・バイ・ファッキング 第7章 (5) 


ドニーが質問した。

「他の子供たちとは仲良くしていた?」

「おい、これは一体何なの? 君たちは、僕の遺伝子が適切かどうか決めようとしてるのかな? 君たちの子孫か何か知らないけど、それのために? はっきり言うけど、僕の遺伝子は最悪だよ。両親は貧しかったし、兄も姉も凡庸だ。母親は素敵な人だけど、そんなに聡明ではない。君たちが知りたいのは、そういうこと?」

ディ・ディは優しい笑顔で僕を見た。

「ああ、アンドリュー… 私たち、傷つきやすい部分に触れてしまったようね。あなたがそんなに理不尽に自己批判的なのは、そこが原因なのかしら? さっきから訊いてることは、全部、どうしても知っておかなければならない必須の情報なの。それ以外のことじゃないって約束するわ。あなたがどんな答えをしても、あなたに関する私たちの見解を変えたりしない。むしろ、私たちがすでに信じていることを、新たに確かめることになると思う」

「オーケー、分かった。君たちは、僕が君たち二人ほど賢くないということをすでに知っていて、その事実を新たに確かめたいということだね? まあ、そんなことなら、こんな取り調べをしなくても、いくらでも話せたのに」

ドニーが手を伸ばしてきて、僕の頭の横を軽く叩いた。

「落ち着いてくれない? 次の世代について知りたいんじゃなかったの? ちょっと我慢して。そうしたら、この質問が必要だったと理解できるから。私たちは、あなたが才気あふれた人だと分かってるわ。少年期のことについてあなたが何を言っても、私たちのその評価は変わらない。さあ、他の子供たちとはどうだったか、話してちょうだい」

僕は折れることにした。二人ともとても優しい接し方をしてるので、とても抵抗できないからだ。

「いいよ、分かった。話すことにするよ。どうしても知りたいなら話すけど、僕はみんなに嫌われていた。僕は変人だった。僕はしょっちゅうおしゃべりをしていて、じっとしていられない。何かに集中できない。クラスの誰もが認める、キモイやつ。体が大きくなって、多少は筋肉がつくまで、僕は誰もにいじめられた。5年生の時、あるいじめっ子が僕にちょっかいを出したとき、僕はそいつを蹴って反撃した。それがあってからは、クラスのみんなは僕を避けるようになった。いちいちちょっかいを出されるよりは、避けられた方が、良かった」

「高校の時はどうだったの? デートとかした? 友達はいた?」 とディ・ディが訊いた。

「そうだなあ、高校は少しは良くなったと思う。自分は変人だという気持ちはまだ残っていたと思う。他の生徒が興味を持つことが、僕には面白いと思えなかった。バンドで演奏はしたよ。変人がやる典型的なことがバンド演奏だし。でも、そのころ、僕はテニスを覚えたんだ…」

「…高校2年の終わりごろまで、僕は、みんなから見放された存在だった。でも、その時、僕は州のテニス大会で優勝したんだよ。二地区しかなかったけど、僕は州の優勝者になった。僕の高校では、どのスポーツに関しても、州大会で優勝したのは、それまでの20年間一人もいなかったんだ。テニス優勝で僕は学校の有名人の仲間入りをした。変人ではあってもね…」

「…だから、高校3年のときには、他の人と仲間になりたかったら、いつでも仲間になれる状態になっていた。実際には仲間を作らなかったけどね。その気がなかったから。女の子たちが僕に近づいてきて、デートに誘うようになったよ。変な感じだった。それに女の子と何をしたらよいか分からなかったし」

「大学ではどうだったの?」とドニー。

「ああ、大学はずっと良くなった。たいていの人と馴染んでいたし、デートもたくさんした。女の子に囲まれていても居心地が悪くなったりしなくなった。テニスでもかなり活躍したけど、大学には運動が優れてる人はいっぱいいるから、テニスが上手だから僕がみんなに認められたというわけではなかった。単に、僕がうまく人に馴染むようになっただけ。どうしてそう変ったのか、僕にも分らない」

ディ・ディが言った。「ありがとう、アンドリュー。それじゃあ、今度は、あなたの子供時代を見て、ちょっと敷衍して考えてみたいと思うの。哺乳類と子育てについて考えることを話してくれない?」

いったいこれは何なんだろう? 思いがけないところに話が飛ぶなあ…

「じゃあ、僕の子供時代についての質問は終わったわけね? で、今度は、生物学のクイズと… 君たちやっぱり変だよ。まあ、話しに付き合うけれど…」


[2010/03/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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