リンダはベッドわきのテーブルに手を伸ばして、脱ぎすてていたパンティをつかんだ。ブルースは身体を起こして膝立ちになったが、次に何をさせられるのか、すぐに分かったようだった。今夜も、リンダとはセックスさせてもらえないようだ。
ブルースは、リンダにパンティを差し出され、今回は文句も言わず受け取った。そして、彼は、その下着が、前のときに比べ今夜の方がずっと濡れているのに気づいた。ブルースは、ますます興奮してくるのを感じるのだった。
「どうやら、興奮してきてるみたいね、あなた? そうじゃない?」
「ああ、でも俺が期待してたのは…」
「あなたが期待していたのは知ってるわ。でも、今夜はダメ。もう、私、今夜はこれ以上セックスは受けられないもの。たとえ、ちっちゃい突き棒でもね。分かるでしょ?」
「ああ…」 とブルースは諦め顔で答えた。
「もうちょっと熱意を込めてほしいわね…」 とリンダが急に真剣な口調で言った。「私のために、してくれる気にならないの?」
「いや、し…します、奥様!」 ブルースは自分が思っているよりも熱意がこもった声で答えていた。
「そういうふうに私に呼びかけてくれるの、私、大好きよ。じゃあ、やって見せて!」
「はい、奥様。ありがとうございます」
ブルースはパンティを顔に当てて、痛いほどに勃起しているペニスをゆっくりさすり始めた。
「ダメよ。今夜は床に降りてやって… その方がもっとよく見えるから」
ブルースは一言もいわず、ベッドから降り、床の柔らかなカーペットの上にひざまずいた。そうやって、もう一度、顔にパンティを当てた。
「鼻から深く息を吸ってみせて」
「はい、奥様」
ブルースは鼻から息を吸い込んだ。肺が女陰の香りに満ちた空気で満たされるのを感じる。顔面全体をパンティで覆っているので、妻に自分の姿を見られていることを気にせずにいることができた。
多分、こんな自分の姿を見て、リンダはにやにやしていることだろう。だが、ある意味、パンティで顔を覆っているおかげで、妻の顔を見ずに済み、ある程度、自尊心が保ててるような気がした。
「すごく濡れているでしょ? マイクは、それを履いていたときから、その上から私のあそこを擦り続けていたから。その時から、もうすごく興奮していたわ。……指でいじられている間、私、彼の大きなペニスを握りっぱなしだった。やりたくて、やりたくてたまらない気持になりながらね…… 生地を裏返しにして、股の内側のところを舐めてみて? 私が言ってる意味が分かると思うわ…」
ブルースは言われたとおりに、パンティの内側の濡れた部分に顔をつけた。
「ペニスをしごきながら、そこを舐めなさい。さあ!」
ブルースは濡れた部分を舐め、リンダの女の香りを吸い込み、ゆっくりとペニスをさすった。その香りに頭の中が麻痺するようだった。だが、ぼーっとしてくる頭の中、ひとつのイメージだけははっきりと浮かんでいた。マイクの大きな手がリンダの脚の間に忍び込み、巨大なペニスを受け入れられるよう、その部分の下準備をしている光景だった。
「気持ちいい?」
「はい、奥様。素晴らしいです…」
ブルースはオーガズムに近づいていた。いまや、恥知らずにも、パンティの生地をちゅうちゅう吸い、自分の妻のエッセンスを味わっている。
前のときと同様、この時も、リンダは、夫がみずからこんなふうに屈辱的な行為をするのを見ながら、残酷な喜びを感じていた。ひょっとすると、私が望むどんなことでもブルースにさせることができるんじゃないのかしら… 彼女は、そう感じ始めていた。…はっきり分かるわ… ブルースは、クラブの男たちに比べて自分が劣った階層に属してることを受け入れ始めている… 予想していたより、早く進行している…
「オーケー、そろそろ、フィニッシュしてちょうだい。私のパンティの中に出して見せるのよ!」
「はい、奥様」
ブルースは、いつの間にか、自ら進んで妻をこういうふうに呼ぶようになっていた。むしろ、このように呼び続けたいと。ある意味、そう呼ぶことによって、こんなことをしているのは自分からではなく、リンダが望んでいるからしているのだと納得できるからである。自分はリンダが命令することをしているだけなのだ。そして、そうすることでリンダは喜んでいるのだ。リンダを喜ばすこと、それが一番のことであるので、しかたないことなのだと。
「私の目を見ながらやりなさい!」 とリンダが命令した。
ブルースは言われたとおりに、勃起をしごきならがらリンダの瞳を見つめた。もっとも、これをする自分を見て笑っているリンダを見るのは、とりわけ恥ずかしいことではあった。
やがて、ブルースは射精が近づき、目がひとりでに上の方を向き始めた。
「ダメじゃない! ずっと私の目をみつめているのよ!」
「は、はい… 奥様…」
その瞬間、ブルースはパンティの中に激しく精を放った。膝立ちの姿勢のままでいるのは辛かったが、なんとか堪えた。そして、ようやく、射精が終わる。
射精が終わっても、ブルースはそのままの姿勢でいた。リンダが何を期待しているのか分からなかったからだった。リンダの目を見つめたまま、次の指示を求めて待っていた。
「よろしい。じゃあ、その下着を元通りに洗って、干して来なさい。ストッキングも一緒に。私は眠ることにするわ」
「オーケー」
「なんですって?!」
「あ、ごめん… 分かりました、奥様…」
「返事はそれがいいわね。さあ、行きなさい」
「はい、奥様!」
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