「そうよ、出して! いっぱい! 私の中に出して! 私もイクぅぅ!」
アンジーは僕の身体の下、激しく達した。全身がぶるぶる震えているようだったし、彼女のあそこがきゅうきゅうとペニスを締め付けるのを感じた。僕の出したスペルマと一緒に彼女自身の愛液も、二人がつながっている部分の隙間から噴出しているのを感じた。
射精が終わり、オーガズムが引くまで、両腕を突っ張り、膝をついたままで身体を支え、じっとしていた。アンジーは、オーガズムから戻ると、僕を抱き寄せ、肘で支えるような形にさせた。そして二人はキスをした。
その時のキスの間に感じた愛情は、疑いえないものと思ったが、僕は依然として、自分の行為のふがいなさに自信が持てずにいた。キスを終え、萎えたペニスが彼女の中から滑り出たあと、僕は身体を反転させてアンジーから離れた。彼女はすぐに向きを変え、僕にすがりついた。そして僕も彼女を抱き寄せた。
1分ほどその姿勢で休んだ後、アンジーは僕の胸にキスをしながら言った。
「ジャック、素敵だったわ。ものすごく感じたわ」
「本当に?」
僕の返事は、信じていないといった声音になっていた。後から考えると、その時、僕はそんなことを言うべきではなかったと思う。でも、その時、僕はアンジーが嘘をついていると思ったのだ。そして、僕の返事を聞いてアンジーが緊張感を漂わせるのを僕は感じた。
「もちろんよ。何か間違いがある? まるで怒っているように聞こえたわ」
議論する時でも場所でもないと思い、僕は、「ごめん、さっきみたいな言い方をすべきじゃなかったね」と言った。
アンジーは身体を起こして、僕を見下ろした。
「いや、問題があるのは確かよ。それについてしっかり話し合わなくちゃいけないわ。私、あなたのこと本当に大好きなの。だから私たちの関係に、どんな問題もあって欲しくないの」
「気にしないでいいんだよ。さっき言ったのは間違いだから。君も素晴らしかったよ。このひと時を台無しにしたくないし」
そう答えたが、僕は彼女の視線を避けていた。
アンジーは僕の頭を引き寄せ、しっかりと眼が合うようにさせた。
「聞いて、ジャック。もし何か問題があるなら、きちんと話し合いましょう。二人の間に何も邪魔させたくないの。何を気にしているのか私にちゃんと話して」
いくら何も問題はないと言っても通じないと分かった。僕が気にしていることを言うまで、アンジーはずっと僕にプレッシャーをかけ続けるだろうと。僕はしかたなく白状した。
「うーんっと…さっき、僕が…その、君の中に入っていた時…君は楽しんでいるようには見えなかったんだ。君はあんなに興奮していなかった。君が自分で指を使い始めて、やっとああなったように見えたんだ」
「ああ……」 アンジーは僕から視線を背け、そして僕の胸板を指でなぞりながら話し始めた。
「私、これまでセックスでは問題があったの。私、普通、ああいう形でオーガズムに達することはできないの。あなたのアレが中に入ってることは、本当に気持ち良かったのよ。それは嘘じゃないわ、ジャック。あの感じは大好き。でも、どんなに激しく、どんなに速く動かれても、多分、私、イクことはできないの」
アンジーが顔を赤くして、恥ずかしそうに話すのを見て、僕は、これが彼女にとってセンシティブな話題なのだと理解した。僕はアンジーを抱き寄せた。
「ごめんね。知らなかったんだ。それ以上、話したくなかったら、もういいんだよ。僕は理解したから」
「できれば、今は話したくない気持ちなの。いつか、あなたが私の秘密を守ってくれると信じられるようになった時、あなたが十分理解してくれると感じられた時、全部、話すわ」
アンジーが語る間、僕の胸に彼女の涙が落ちるのを感じた。
僕はすぐに彼女には身体的というより感情的というべき問題があるのを察知した。それに、大半の感情的問題がそうであるように、それを語ることができるほどの信頼を人に寄せるのは簡単ではないだろう。アンジーの信頼を勝ち取るにはまだ長い時間がかかりそうだ。でも、喜んで頑張ってみようと僕は感じた。