レオンは両手を下げて、イサベラの左右の尻を抱え、自分の身体へ強く引き寄せた。同時に、長く、力強いストロークで出し入れを開始した。
イサベラは、背を反らせて彼を受け止めた。無意識的に全身をレオンへ捧げる姿勢になっている。強いストロークで貫かれるたびに、いっそう股間を広げて受け入れていく。
レオンは、そんなイサベラの無意識の反応、そして愛らしい顔に浮かぶ表情を見降ろしていた。嬉しさに情熱に燃える目を細めて、甘美な女体に打ち込みを続けた。
イサベラは、レオンに激しく犯されながらも、みずから両手で彼の尻肉を抱え、指先を食い込ませて、その愛しく逞しい肉体を自分に引き寄せていた。彼の肉体を自分の肉体と溶けあわせようとしているようだった。
ハアハアとレオンの熱い息が彼女の額に吹きかけられる。彼女のほつれた髪が湿った額にまとわりつく。
固く長いレオンの分身に繰り返し貫かれ、イサベラは全身をくねらせていた。乱暴すぎる打ち込みであるにも関わらず、むしろ歓迎するように自分からも下腹部を突きあげ、レオンのリズムに対抗する。
二人の肌がぶつかり合う湿った音、それと身体が乗っているテーブルが壁に当たる音、それだけがイサベラの耳を満たした。
不自然な姿勢で長く犯されていることで、脚が苦しくなっていたが、イサベラはそんなことは気にならない。残酷なほど荒々しく犯す、レオンの執拗で激しい打ち込みも気にならない。レオンの欲望の激しさは、彼女自身の欲望の激しさと同じだったからだ。むしろ、より荒々しく、より激しく奪われることを求めて、イサベラはレオンの身体にしがみついていた。
自然に汗が噴き出て、そのしずくが幾粒もツツーっとイサベラの胸の谷間を伝って流れた。レオンの動きに彼女の身体は激しく熱を帯び、融けていく。女の身体の奥深くに突き入れられるたびに、レオンの剛棒に女芯が馴染み、締め付けつつも柔らかく拡張されていく。
あ~ん、あ~んとイサベラは甘い喘ぎ声を漏らし続け、激しく動くレオンの耳を喜ばせた。そのイサベラ自身、開いた脚の間に官能の疼きが蓄積してくるのを感じながら、全身をくねらせ、悶え続ける。
「あッ!」
突然、イサベラは息を詰まらせた。レオンが親指を、彼女の二本の脚が分かれる付け根、湿った縮れ毛の中に忍び込ませ、その奥に隠れているピンク色の宝石を見つけ出したのだった。
太く逞しい肉柱に繰り返し貫かれ、首筋にあてた唇で敏感な肌を吸われ、指で太ももの間でヒクヒクと脈動するつぼみをいじられる。イサベラの身体は火がついたように燃え上がり、欲情を求めて、ますます狂わされていった。
官能的な快感が体内を螺旋を描いて駆け回り、深く貫かれるたびに、欲情の緊張感で全身が強張っていく。イサベラはレオンの背中にまわした両手を熊手のようにさせて、指をたててしがみつき、ぶるぶると震えながら喘いだ。
「ああ、レオン……」
レオンはイサベラの両手首をつかみ、頭上へ引き上げた。それと同時に、強く腰を打ち付け、結合を深めた。それを受けて、イサベラはとうとう頂点に達した。彼女のその部分はオーガズムに達したとたんに、きつく締まり、同時にさざ波のように細かく震え、奥へ奥へとレオンの分身を吸い込むような微細な動きをした。レオンは、その刺激に思わず左右の肺から呼気を吐き出し、うめき声をあげた。
レオンはなおもイサベラの熱く濡れた部分への打ち込みを続け、強引に彼女に肉の快楽を押し付け続けた。その間、イサベラの瞳を見つめ続け、一時も視線を外さない。
レオンの身体は、汗でキラキラ輝き、イサベラの身体も同じく汗まみれで輝いていた。レオンは鋭く短い突きを送り続け、その甘美な動きに合わせてイサベラの左右の乳房はぷるぷると乱れ揺れ続けた。
やがてレオンも、もはや耐えきれなくなり、イサベラの中に放出し始めた。左右の手は、イサベラの手を、指を組んでしっかりと握り、壁に押し当てていた。仕上げとなる強烈な突きを送りつつも、二人の視線は決して離れない。
やがて、二人ともオーガズムの峠を過ぎ、呼吸ができるほどになると、レオンはイサベラの手を導いて、自分の両肩に乗せた。それから彼女の腰を両手で抱え、イサベラの身体を持ち上げ、ベッドへと運んだ。二人の愛の部分は結合したままだった。
レオンの手が腰の後ろの擦りキズを擦ったからだろうか、イサベラは小さな泣き声をあげた。それでもイサベラは両腕をレオンの首に巻きつけたまま、彼の身体をしっかりと自分に引き付けて離さない。痛みに泣きつつも頬をレオンの肩肉に押し付け、耐えていた。
レオンは、心配になり、イサベラの頭の上にあごを当てながらも、顔を歪めた。
「俺は、お前を傷つけてしまっていたか?」
「いいえ…違うの…」
イサベラは少し身体の位置を変え、汗に濡れたレオンの肉肌に唇を押しつけながら、呟いた。「ちょっと背中が…」
「背中?」 レオンが訊き返した。
イサベラは不安そうな顔で目を開けた。レオンは抱擁する力を緩め、優しくゆっくりとイサベラを降ろした。
「背中がどうしたんだ?」
イサベラはうなだれて床を見つめた。恥ずかしさがこみあげてきて、答えることができない。
レオンは両手を彼女の肩に乗せ、ゆっくりと後ろ向きにさせた。イサベラは、レオンが背中にかかる長髪を分け、片方の肩に上げていくのを感じながら、固唾をのんだ。
レオンは、イサベラの背中についた幾筋もの赤味がかった紫色の傷跡を見つめながら、永遠とも思えるほど沈黙していた。その傷のひとつを、彼の指が線を描くように優しく辿った。イサベラは、辛そうに身を縮ませた。
「誰がこんなことを?」 レオンは喉がつまりそうになるのを堪えながら、問いの言葉を絞り出した。「お前の父親か?」
イサベラは恥辱を感じつつも、ゆっくりと頭を左右に振り、呟いた。「…マリイが…」
「マリイか…」 レオンは落ち着いた声で言った。落ち着き過ぎている声だった。「マリイについて、俺に話すべきだったのだよ」
つづく