僕たちは、互いの配偶者や子供たちのことについておしゃべりをし、ドリンクを飲み干した。その頃までには、テレサは、十分リラックスするほどワインを飲んでいたし、もっと言えば、少し酩酊に近づいていたかもしれない。テレサは、もう一度ダンスフロアに上がろうと僕を誘った。嬉しいことに、スローなテンポの曲がかかったところだった。僕たちは、先のダンスで中断してしまったところから再開し、体を密着させてダンスを始めた。今回は、テレサは前より強く僕を抱き寄せてダンスした。僕も両手を彼女の魅惑的なヒップにあてがってダンスを続けた。
彼女の胸が僕の胸板に当たり、彼女の恥丘が僕の股間に当たっている。その贅沢さを喜んだ。テレサは、ダンスをしながら、微妙に腰を回転させる動きをしていた。その動きが僕を焦らし始めていた。テレサは自分の体の動きが僕の股間にもたらしている効果について、十分自覚していたのは確かだ。やがて、彼女は、腰を僕のズボンの中の大きな盛り上がりに、はっきりと打ち付けてくる動きになっていった。一瞬だけ彼女の瞳を覗き込んだが、その瞳がキラキラ輝いているのが見えた。テレサは、自分で僕に対して行っていることを分かっている。そして、その行為を、僕と同じく大いに楽しんでいるのだ。彼女の気持に間違いはない。僕も、さらに強く彼女を抱き寄せ、両手でお尻を撫で回った。テレサが漏らす小さな喘ぎ声を聞き、僕はすぐに、今どこかで彼女と2人っきりになれたらいいのに、と願わずにはいられなくなった。
だが次の曲は、再び速いテンポの曲になり、僕たちの体のゆったりとした擦りあいは台無しになってしまった。僕はテレサから離れたくない気持に駆られたが、この女性は他の男の妻なのだと、仕方なくあきらめる。一瞬、今にもクレイグがバーに戻ってきて、僕とテレサが、ダンスフロアで、互いの体の大事な部分を擦り合わせているところを彼に目撃されてしまうのを想像したのだった。僕は、しぶしぶながら、このゴージャスな新しい友達の体から離れた。テレサは依然として瞳をキラキラさせていたままだった。ひょっとして、これから先、僕とテレサの間には何かダンス以上のことがあるのだろうか? さしあたり、僕たちはアップ・ビートの曲に合わせてダンスを続けていた。
さらにもう2曲ほど速いテンポの曲を踊った後、僕たちは、再び喉の渇きを潤すためにテーブルに戻った。互いに、それぞれのドリンクをゆっくりと飲んでいる間、テレサはずっと僕を見つめていた。彼女のいたずらそうな笑みをたたえた表情に、僕は思わず言ってしまう。
「君は、僕を狂わせていると、ご自分でもはっきり分かっているに違いない」
「ええ、知っているわ。でも、気にしないで。ちょっとした遊びだから」
僕は笑みを返した。「テレサ、その遊びをやめるまで1週間は時間をあげるよ」