「Foreign よその国の人」 by deirdre
わたしは目が覚めて、横になったまま、ぼんやり暗い天井を見ていた。びっくりしていた。わたしはどうなってしまったのだろう? 信じられない。ほとんど眠っていたはずだけど、頭の中にあのイメージが浮かんできて、ハッとびっくりして目が覚めたのだった。そのイメージとは、ジェシカの姿。
女性なのよ! それに、それだけじゃない。彼女はまだ10代の娘さん。
こんなのわたしらしくない。幸せな夫婦生活を送ってきてて、これまでずっと異性にしか興味がなかったのに。いや、何も同性愛が悪いって思ってるわけじゃないけど、でも…
ジェシカは隣の家のお嬢さん。前日の午後、わたしは彼女のお母さんのスー・リーに家のプールで一緒にスイミングでもと、誘っていた。リーさん一家はとても良い人たちで、わたしは、どうしてもっと頻繁にリーさん一家を誘わなかったのだろうと残念に思った。
私たちは、泳いだりなんなりをして一緒に夏の午後を楽しんだ。だけど、その日の夜、寝ていたわたしの頭に浮かんだイメージは、泳いだ後に起きたことのイメージだった。
プール遊びを終え、家の中に戻るとすぐに、スー・リーはお嬢さんに着替えなさいって言った。わたしはお嬢さんのジェシカに寝室を貸してあげると言ったが、スー・リーは、いや、この場で着替えができるでしょ、とジェシカに言ったのだった。
するとジェシカは、わたしたちの目の前で、ワンピースの水着を脱ぎ、タオルで体を拭き、サンドレス(
参考)を着たのだった。わたしはちょっと呆気にとられていたけど、その時は、あまり気にしなかったと思う。
だけど、その夜になって、眠りに落ちたとき、あのイメージが出てきたのだ。裸になったジェシカの姿。ほっそりとした身体。褐色の滑らかな肌の裸体をわたしと彼女の母親の前に晒して立っていた姿。そして、夢の中で、彼女は顔を上げ、わたしをまっすぐに見て、立ち上がり、わたしをじっと見つめていた。ちょっと笑みを浮かべてるように見えたけど、すぐに無表情に変わった。わたしは、こんな想いがわたしの頭の中にあったなんて、本当に信じられない。
次にリーさんたちをプールに誘った時、最初はわたしはドギマギしていた。ジェシカの水着は、いつもの通りの地味なワンピース(これは彼女のお母さんも同じ)。わたしはちょっと泳いでるうちに、すぐに不安な気持ちは消えていた。すべてが以前と変わらなかった。ただ、いちに度、気がついてみるとジェシカを見ていた自分に気づいただけ。
彼女は、本当につるつるの肌で小柄な体をしている。ちょっと子供特有の柔らかな脂肪がついていて、身体に丸みを与えている。…そんなことを思っているのに気が付き、わたしは頭を振って、バカなことを考えないの、と自分に言い聞かせた。
プール遊びを終えた後、またこの前のようなことが起きるのかしらと思った。わたしの中の何かが、もう一度、ジェシカを見てみたいと言ってる気がした。でも、心の中の別の部分が勝利を収め、わたしは同じような状況が起きそうな場所にいるのを避け、別のところに行っていた。リーさんとジェシカが帰った後、わたしは、疲労感を感じ椅子にぐったりと座った。わたしは本当にどうなってるの? とちょっと思った。