レオンは、イサベラがいつ目を覚ましたか、その瞬間を察知した。その瞬間、イサベラは、蜜壺の中を執拗にいじる彼の指に反応し、わずかに身体をこわばらせ、甘い吐息を漏らしたからだ。
「ああっ、レオン…」 荒い息づかいでイサベラは喘いだ。
レオンに指を付け根まで入れられ、それを受けて腰をせり上げながら、イサベラは眠りから覚めたばかりの緑の目を大きく見開いた。
彼女は甘美な快感に必死で堪えるかのように、マットレスに両手の爪を立てた。レオンは指をさらにもう一本差し込み、彼女の中を広げ、同時に親指でピンク色の小さな突起を擦った。
「ああん!」
「俺を受け入れる心づもりができたか? 俺の分身がお前の中に深く突き進むのを思い、中が溶けだしているのではないか?」
「ああ、そうです…」
イサベラは呟きながら、曇った瞳で、彼女の小さく膨らんだ腹部に唇を這わせるレオンの瞳を見つめた。
レオンは態勢を変え、イサベラの太ももの間に移動し、そこにひざまずいた。身ごもった彼女の腹部にキスの雨を降らせながら、イサベラの両足を肩に担ぎ、そして両手で彼女の尻頬をつかんで持ち上げ、口を寄せた。
「…レオン」 すでに溶けかかっている心に熱い吐息を吹きかけられ、イサベラはためらいがちに叫んだ。
「お前を味わいたい…」
レオンはかすれた声で呟いた。イサベラの陰部が放つ陶然とさせるような香りを吸いこみながら、彼は舌を突き出し、甘汁を啜り、つゆを湛えて光り輝く肉襞を舌でねぶりまわした。やがてイサベラは彼にしっかり押さえこまれたまま、どうしようもなく、ただ身を捩るほかなくなるまで、それは続けられた。
レオンは、なによりも、イサベラの中に身を沈めることを求めていた。繰り返し、繰り返し彼女の中を貫きたい。そして、あの極上の肉筒に包まれ、きつくミルクを絞られ、やがては彼女の中に爆発的に放ちたい。だが、そう願いつつも、彼には糸一本ほど、まだ酔いきれてないところが残っていた。
「あの言葉を言ってくれ、イサベラ…」 レオンは、とろとろに溶けたピンク色の身体にかすれた息を吹きかけた。
「れ、レオン、お願い…」 イサベラは頭を左右に振りながら、喘いだ。両手の指をレオンの金色の髪に差し込み、彼の顔をつかんで自分に近づけようとする。
「言うんだ… 俺との結婚に同意すると言うんだ。そうすれば俺もお前も、この拷問に耐えなくても良くなる」
「い、言えません…」 イサベラは苦しそうに囁いた。彼の指は彼女のあの部分を左右に広げたままでいる。彼女は身体をくねらせ、顔は熱っぽく赤く染まりめ、唇はわなわなとふるえていた。瞳は、求め探るレオンの目を見上げていた。
レオンはそんなイサベラをにらみ続けた。緊張に溢れた時間が長々とすぎた。レオンは抱えていたイサベラの下半身をマットレスに降ろし、手を離した。
「ならば、勝手にすればいい」
レオンはそう呟き捨て、ローブを拾い上げ、彼女の小部屋から大股で出て行った。そうすることで、できるだけ二人の間に距離を置こうとしているのが分かる歩きかだった。だが、すぐにレオンにも分かることだった。
囚われているのは彼の方だと。