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イサベラは目を覚まし、横の冷たいシーツに手を這わせた。誰もいないことに気づく。悲しい気持ちが彼女を襲った。…私の決意をレオンが受け入れてくれさえしたら…
彼は私を愛していると言った。彼が心からその言葉を言ったことは知っている。だが、彼が私を愛していると思いこんでるのは、ひとえに私に対する罪悪感から。罪悪感のせいで、レオンは私に対する本当の気持ちが分からなくなっているのだ。
レオンは私を修道院から誘拐し、強引に私の処女を奪い、子種を私のお腹に仕込んだ。父に対する復讐のために私を人質として使う計画だった。だが、そのことが引け目になって、なおさらレオンは、私を妻にし、お腹の子供に自分の名を継がせなければならないと決意を固くしている。父が死んだ今となってはいっそう頑なになっている。
レオンは、結婚を求めていても、本当に私のことを愛しているわけではない。私はそんな男性と契りを結ぶのはイヤ。もしレオンが他の女性と恋に落ちたら、私は破滅してしまうだろう。それに、私自身が、その女性からレオンを遠ざける理由となるのもイヤ。
私の身体が欲しいなら、いつでも喜んで私の身体を使って欲しいし、私の愛が欲しいなら、いつでも愛を注いであげる。でも、今のレオンがしてるような残酷なゲームには耐えられない。私が屈服し、結婚せよという彼の要求を飲むまで、愛し合うのを避けるなんて… 私の身体が言うことを聞かなくなってきている…
イサベラは、私をもっと強くしてくださいと祈るのであった。