彼女は声に出して笑い出した。
「アハハ。言おうと思えば、仮装パーティの写真って言えるかも知れないわ。でも違うの」
まだニヤニヤしながら私を見ている。
「私と元夫で、・・・ちょっと面白いことをしてたのよ」
「冗談でしょ!」
「いいえ!」
「あなた、ほんとに・・・?」
「彼に鞭を使ってたかって? ええ、そう。彼、すごく喜んでたわ! そういう男はたくさんいるし」
「あなたも喜んでたの?」
多分、私は好奇心をそそられたのだと思う。彼女は、元夫のデニスを喜ばすためだけで、こんなことをしてたのだろうか?
「まあ、興味深い質問にたどり着いたわねえ」
私は、失礼なことを訊いてしまったと、急に恥ずかしくなってしまった。それにマリアも、そんな私を助けるつもりはないらしい。
「でも、あなた、どうして、そんなこと知りたいの? 自分でもちょっと興奮してきた?」
「ただ、興味があって・・・」
「アハハハハ!」
彼女はまた笑った。彼女は、私が言ったことを信じてなさそうだった。でも、本当に、ただ興味があっただけなのに。
「ええ、私もそれをして喜んでいたわよ!」
ようやく返事をしてくれた。まだニヤニヤしている。
「・・・それに、あなたも気にいると思うわ。私には分かるわ」
「いいえ!」
少し、大きな声で返事しすぎたかもしれない。一旦、口をつぐんで、少しだけ笑った。自分自身に向けた笑いだったと思う。
「ただ興味があってって言ったはずよ」
「でも、どうして、そんなに興味があると思うの?」
「そりゃあ、普通のことじゃないし・・・それに、発見して驚いたし・・・」
そこで口を閉ざした。彼女はただニヤニヤして私を見ているだけ。明らかに私の言葉を信じていない。
「・・・私の言うことを信じてもらえなくてもいいけど・・・」