「私、このビデオ嫌い」
ステファニはそう言って、前かがみになり床からリモコンを拾い上げた。その姿勢のおかげでトップが前に垂れさがり、その中で完璧といえる黄金色の肌の乳房がブラジャーの中で垂れるのが見えた。
ステファニはチャンネルと変え、リモコンをラブシートに置いた。
突然、電話が鳴った。ステファニーは身体を傾けて、ソファの先のテーブルに手を伸ばし、コードレス電話を取った。俺はテレビを見続けていたが、もちろん彼女の会話にも聞き耳を立てていた。あの話しの様子だと、電話の相手はステファニの旦那のようだ。
「私、今夜は仕事で遅くなるの」
それを聞いて俺の心臓が高鳴った。ああ言ったということは、ステファニは今夜俺に会いに来るつもりでいる。
カネをせしめた後、何に使うかを考え始め、俺はいっそう興奮してきた。ブラッドの家に来た用件は、これで済んだ。ステファニが電話を切るとすぐに俺は立ち上がった。
「俺が来たこと、ブラッドに伝えてください」 と言い、俺はゆっくり玄関へと向かった。
するとステファニがラブシートから飛び上がって、俺について玄関へやってきた。俺はスクリーンドアを押したが、ハンドルを回すのを忘れてしまい、スクリーンに顔をぶつけそうになった。だが、ぶつけそうになった瞬間、ブラッドの母親が俺の後ろに来て、背中にぴったり身体を寄せるのを感じた。おっぱいが背中に感じる。
「もう僕も玄関ドアの出方が分かりましたよ」 と俺は笑いながらドアの外に出た。
「間違える人、他にもいるのよ」 とステファニはドアを閉めながら言った。
「じゃ」 と俺は自転車に乗った。
振り返ると、ステファニはすでに玄関から部屋に戻っていて、ラブシートに座るところだった。
自転車で家に向かいながら、これから手に入れることになるカネについて考えた。トリスタとグラフ先生に何か素敵なモノを買ってやろうと思った。頭の中、いろいろアイデアが浮かんできて、むしろ困った。
家の前庭の芝生に自転車を倒し、家に入り、自分の部屋に駆け上がった。ログオンし、メールを開いて、新着メッセージがないか確かめた。メールは2本着ていた。グラフ先生からのとステファニからのだった。最初にグラフ先生のを開いた。
「ご主人様、おはようございます。昨日の夜はメールをやり取りした後、私は赤ん坊のようにすやすや眠りました。ご主人様のおかげで私はとても落ち着いた気持ちになれます。ご主人様の励ましの言葉、私のことを気遣ってくれる態度、そして私に対する本当の愛情。そのおかげで私は天国に舞い上がってしまいます。私と顔を合わせることについてはお考えいただいたでしょうか? ご主人様の瞳を見つめ、私がいかにご主人様を求めているか、どれだけご主人様に身も心も捧げているか伝えられる日が来るのを楽しみにしております。何かご主人様のために私にできることがありませんでしょうか。教えてください」
俺はにんまりとしていた。先生がいまや完全に俺のモノになっている。この後は、先生に公式な儀式を経てもらわなければならない。その儀式で俺のモノだと誓約してもらうのだ。俺は返信ボタンをクリックした。
「ご主人様はお前の服従を喜んでいる。お前の良い態度に対して、ふんだんに褒美を受けることになるだろう。顔を見せて対面することについては俺も考えてきているが、まだ、その時期は決めていない。いつ、どこで会うか、いずれ教えるから、その日を辛抱強く待つことだ。今日は、お前に、セクシーな新しい服を買うことを命令する。その服は俺たちが逢う時まで着ずに取っておくように。お前のことだから、何か上品な服を選ぶことだろう。それと、もうひとつ。今から、俺たちが実際に会う日までの間、お前の夫といかなる形でも性的な関係を持つことを禁じる。旦那には、気分がすぐれないと言えばよい。分かったな? ご主人様より」
送信ボタンを押し、先生からのメールを閉じた。次にブラッドの母親からのメールを開いた。
「あんたが誰か知らないけど、こんなことはやめなさい。持ってる写真をすべて即刻返しなさい。さもないと警察に言うわよ。脅かしじゃないから!」
まったく、このアマは… と言いながら返信ボタンを押した。
腹を立てつつパソコンの前で腹を立てつつ、書く内容を考えた。何かインパクトのあることを書かなければならない。さもないと計画が頓挫してしまう。
「この腐れマンコ! お前は誰に向かって話してるつもりだ? 俺がお前の人生を破滅させられることが分かってないのか? 俺はやりたいことを何でもできるということが分かってないのか? 事態を仕切ってるのは俺なのだよ! 今夜、出てこい。さもないと代償を払うことになるぞ!」
メールを送り、ログオフした。階下に降りると、ちょうど母親と父親がガレージに車を入れたところだった。最初に母親がキッチンに来た。何だかやつれている感じだ。父親があとから入ってきた。夕食を入れた袋を持っている。
「先に寝るわ」 と母親は言い、寝室へ向かった。
「ママはまだ具合が悪いんだよ」 と父親は母親をかばいながら部屋に連れて行った。
俺は父親が買ってきた袋からハンバーガーを出し、紙製の皿とナプキンと一緒にテーブルに並べた。やがて父親が戻ってきた。