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裏切り 第2章 (2) 

僕たちは、窓の外、ミシガン湖から陽が昇るのを一緒に見て、それからお昼まで死んだように眠った。

目覚めた後、彼女と一緒にシャワーを浴びた。また、誰かと一緒にシャワーを浴びることができて気持ち良かった。それに、シャワーを浴びながら誰かとセックスできて、それはなお気持ち良かった。

僕たちは互いの役割を交換しあって楽しんだ。ダイアナが僕を受け入れたら、その次は僕が彼女を受け入れる。こんなふうにダイアナとしていても、僕は何ら罪悪感を感じなかったし、こういう「スイッチ・ヒッター」になったことに恥ずかしさも感じなかった。以前の僕なら…ほんの一週間前の僕なら、そうなった自分を嫌悪したと思うのだが。

互いに濡れた身体をタオルで拭きあっている時、ダイアナが顔を寄せ、僕の唇に優しくキスをした。

「バレンタインデー、おめでとう」 可愛らしい声で彼女は言った。「私、普通はこういう日を祝うことはないの。だって、そういうことをするような特別な人がいなかったから。でも、あなたのおかげで、今日という日を特別な日にすることができたわ。こんなこと、ずいぶん長い間なかったのよ」

ああ、なんてこった。この一週間、頭の中が混乱し続けていたせいで、今日が何の日か僕はすっかり忘れていた。ダイアナのためにカードすら用意していなかった。

だが、その時、ある考えが突然、頭に浮かんだ。どういうわけか、彼女がその質問をするんじゃないかと思っていて、彼女が質問した時に備えて準備しておきたいなと思っていたのである。僕は急いで寝室に戻って携帯電話を取り、暗記しておいた番号をダイヤルし、ある計画を実行し始めた…。

二分ほどしてダイアナが僕に続いて寝室に戻ってきた。美味しそうな身体をタオルに包んだ姿だった。彼女は僕に抱きつき、暖かくキスをしてくれた。そして瞳をキラキラ輝かせながら僕の目を覗きこんだ。

「それで…?」と、彼女は焦らし気味に僕に訊いた。「今度は何? と言うか、今回のアンコールとして何をするつもりなの?」

「いや、僕も分からないんだ」と、僕は焦らし返した。「つまり、君のような素敵な女性を僕につなぎとめておくには、何ができるかってね。今夜は、君をディナーに連れだそうかとも考えた。どこか高級な場所にね。でも、君がクローゼットにどんなドレスを持っているか分からないし。そこで、とりあえず君とショッピングに行かなくちゃいけないのでは、と思ったんだ」

ダイアナは、ハリウッドのプレミア試写会などで照らされるアーク灯のように目を輝かせた。そして僕に抱きついた。あまりに強く抱きついてくるので、あばら骨が折れてしまうんじゃないかと思った。

「ああ、あなた…」 彼女はセクシーなかすれ声を出して僕の耳に息を吹きかけた。「あなたって、女をうっとりさせるボタンのありかを全部知ってるのね。さあ、早く着替えましょう」

だが、僕たちにとって最初の仕事は、僕の服を探し出すことだった。前夜、ダイアナが狂ったように僕の服を脱がせたので、どこに何を放り投げたか分からなくなっていたからだ。

そしてすぐに問題が発覚した。ダイアナが僕の下着を、というか下着の残骸を、うやうやしく親指と人差し指でつまみ、掲げて見せた。それは、僕がオフィスから車を運転してくるときに、渋滞のため、期待し続けた時間が長かったせいで、僕のプレカムで濡れていたのであるが、情熱に燃え上がったダイアナが文字通り僕の身体から引きちぎったせいで、ぼろぼろになっていたのである。

ダイアナは何も言わず、片眉を上げ、問いかけるような表情をしていたが、内心、おもしろがっているのか、笑みも見せていた。僕も笑顔になり、ちょっと肩をすくめた。それを見てダイアナは笑い始めた。

「どうやら、下着なしで行かなくちゃいけないみたいだね」

そう言うとダイアナは僕に身体を押し付けて、片手で僕のペニスを優しく撫でた。

「…ズボンの中、すぐに手に取れるから、そんなあなたといるのもそそられるけど…でも、さしあたり、ちょっとだけもっと穏健なことを試してもいいと思うわ。だって、あなた、昨日の夜、ここに来るまでに、あんなにたくさん染み出しちゃったわけでしょう? 今日も同じになったら、その高級なスーツが台無しになってしまうわ。ほんとに…」

ダイアナはドレッサーに行き、引き出しを開けて中を漁りまわり、戻ってきた。

「これなら、問題解決」 と彼女はにっこり陽気な声を上げた。

彼女はピンク色のサテンのビキニ・パンティを持っていた。レースの縁取りがしてある。その左右をつまんで広げ、僕の股間にあてがっている。僕は、頭の中を混乱させたまま、それを見つめていた。

「こ、これが穏健?」 それしか言えなかった。

ダイアナの顔を見ると、瞳に純粋な誘惑心の表情が浮かんでいた。

「私のパンティ姿、見るの好きでしょう? 違う?」 純真さを装ってるのがありありの声で彼女は訊いた。

確かにそれには否定できない。

「でしょう? 今日は一日中あなたと一緒。ショッピングをしている時にも、あなたが私のパンティを履いてるんだと思うと、私、気もそぞろになりそう。すごく興奮するわ。私のためと思って、履いてみて…お願いよ」

ただ、なされるがままに彼女の愛を受け入れ、その流れが僕をどこに導いていくかを見る……。

ダイアナに手伝われながらパンティに足を通した。その下着は、僕の程よく日焼けした、無毛の脚をスルスルと這い上がり、居心地良く腰を包んだ。ダイアナは僕の瞳をまっすぐに見つめながら、パンティの中に手を差しこみ、ペニスを包み、下の方へ引っ張って、脚の間に押し込んだ。

「ちょっと待ってね。あなたのアレのことを考えてみると、もうちょっと漏れ防止のものが必要みたい。このまま待ってて」

ダイアナは浴室に飛んでいき、少しして、トイレのティッシュを何枚か重ねて持ってきた。そして再び僕のパンティの中に手を入れ、亀頭の下にティッシュを押しあてた。

「ほら、この方がずっといいわ…」 と楽しそうに言う。「私たち、いつもこうして漏れから守ってるの」

ダイアナは手を抜き、パンティの上から僕の膨らんだ股間を触り、優しくマッサージした。そして、僕の耳元に顔を近づけ、囁いた。

「今日は、あなた、かなり多様に漏らしちゃう予感がするの…少なくとも、私がそれについて何か言っただけで、あなた漏らしちゃうと思うわ…」


[2011/02/14] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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