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デス・バイ・ファッキング 第11章 (3) 

ドニーの話し

先日、私たちは初めて口論になった。口論と言うより議論と言った方が良いように私には思えるが、意見の相違があったのは確かだ。

アンドリューは、ディ・ディと私がベジタリアンであることをちゃんと知っている。確かに、私たちはときどきシーフードは食べるし、乳製品も食べるが、それでも自分をベジタリアンと考えている。アンドリューも仲間になってくれたら嬉しいけれど、そう仕向けることは実際にはできない。

でも、アンドリューがマクドナルドのドライブ・スルーに行き、ランチにビッグ・マックを買ってきた時には、私もディ・ディもちょっと厳しく当たりすぎたかもしれなかったと思う。もちろん、私たちはサラダを食べた。クレソンや他の野菜の盛り合わせに砕いたヤギ乳チーズを乗せたものに薄味のドレッシングをかけたサラダ。

ディ・ディがアンドリューに私たちの肉に対する気持ちを理解してもらおうとした。

「アンドリュー? 牛を育てるのに必要な畑の面積を知っている? 同じ量の野菜を育てるのに使う畑の面積に比べて、牛を育てるのにどれだけたくさん面積が必要か、知ってるの?」

アンドリューは、「いいや。君は知ってるの?」と答えた。

これはちゃんとした答えになっていない。

「私が知ってるかどうかは関係ないわ。あなたはこんなものを食べて、アメリカ経済の中でも最大の浪費に加担しながら、同時に早死へと邁進してるのよ。あなたが食べてるこの食品、これは毒だわ! ジャンクフード・ジャンキーになりかかってるのよ、あなたは、アンドリュー!」

アンドリューは、ディ・ディの言ったことを放っておきはしなかった。

「おい、ちょっと待ってよ。君が僕に対してしてほしいことを言うのは勝手だよ。でも、ビッグ・マックについて言うときは自分の舌に注意した方が良いんじゃないかなあ。これから、君に、ビッグ・マックこそがアメリカだと教えてやろう。人生には素晴らしい出来事があるが、その多くは、ビッグ・マックが背後にあるステージで展開するものなんだ。僕は胸を張って言うよ。ビッグ・マックを食べながらフェラチオをしてもらったってね。しかも一個だけじゃない。それ以上食べながらだ。ビッグ・マックはいつも僕のそばにいてくれてきたんだ…

…僕は、君のような共産主義者で環境保護主義の変人たちが、このアメリカの象徴を破壊しようとするなら、絶対、ビッグ・マックの味方に突くつもりだよ!…

第一、君は、ビッグ・マックが準公式的な計量単位になっていることを知っているのかい? 例えば、何かの食品のパッケージを見たことがあるだろう? これには脂肪分が6グラム含まれてますと書いてあったとする。それって脂肪分が多いのか? それとも、脂肪分がこれっぽっちって思うだけ? 僕には分からない。そもそもグラムって何だ? 中には、パッケージに、この食品には0.0000325メートルトンの脂肪分が含まれますと書いてあるのもあるかもしれない。そんな数値、僕には全然、意味がない…

…だが、ありがたいことに、どこかの企業の広報係かどこかの学者が、計量単位としてビッグ・マックを使うという考えを思いついた。脂肪分が多い食品を比べる基準としてね。そうなったとたん、誰もがどれだけ脂肪分が含まれているか分かるようになった。と言うのも、ビッグ・マックのことは誰もが知ってるし、その脂肪分も分かってるから…

…だから、どこかの栄養専門家が、あなたの小さなクレソン・サラダには、水分に加え、オリーブオイルと砕いたヤギ乳チーズが700グラム含まれていますので、ビッグ・マックより3倍の脂肪分がありますと言えば、誰もが同じ感覚で分かるんだよ!…

…君は、そんなのどうでもいいのよと言って、やっぱりサラダを食べるかもしれない。でも、もうひとつ、可能性があって、君はこの不条理を理解して、今度はビッグ・マックを三個食べることにするかもしれない。突然、選択肢ができたわけだ。このアメリカという国は選択肢で成り立った国だからね。…

…君たちのような人たちこそが、ビッグ・マックを排除することによって、あるいはさらに悪いことに、豆腐バーガーに変えてしまうことによって、アメリカのまさに基本構造を揺るがしているんだ…

だから、ビッグ・マックの悪口を言うことは、アメリカの悪口を言うことになるんだよ。僕は、ここにいて、君たちがアメリカ合衆国の悪口を言うのを聞き続ける気はないけどね!」

そうまくしたてたきり、アンドリューはキッチンから出て行き、オハイオステート対ミシガンステートのアメフト試合を見に小部屋に引っ込んでしまった。もちろん、テレビを見ながら、ビッグ・マックを食べ、ビールを飲んでいた。

リビング・ルームに行こうとそこを通りかかったら、中からアンドリューが声をかけてきた。

「ねえ、ドニー? ハーフタイムのときの君の計画は?」

アンドリューは、目が覚めている間、ありとあらゆる機会にセックスを割り込ませるようになっていた。彼は、並はずれて優れた時間スケジュールの曲芸師。アメフト試合のハーフタイムは私の好きなセックス・タイムになっている。

良い試合の場合、アンドリューは、私たちが、セカンド・ハーフのキックオフにちょうど合わせてオーガズムに達するように調整する。ひどい試合の場合、こちらからちょっと刺激を与えるだけで、彼はセカンド・ハーフのことは忘れ、ずっと激しくセックスしてくれる。

私はというと、もちろん、ひどい試合の方が好き。


[2011/02/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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