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ジャッキー 第6章 (3) 


僕たちはもう二分ほどキスした。その後、アンジーが言った。

「あなたにプレゼントがあるの」

そう言って離れて行き、彼女の車のトランクを開けた。中にはピンクの紙に包まれた箱が見えた。サテンとレースの大きなリボンがついている。見るからに女性っぽい包装で、僕がそれを受け取るのを誰か職場の人に見られたら、僕はとても恥ずかしかっただろう。多分、そういう理由から、彼女はそれを僕に渡すのを、ディナーの後まで待ったのだと思う。

「さあ、受け取って」 と彼女は箱を指さして言った。

その箱はかなり大きかった。長さ60センチ、幅は30センチ、高さも45センチはあった。箱を持ち上げると、それほど重くはなかったものの、確かに中に何かが入ってるという重量感はあった。僕は持ち上げながら、「なぜ、僕にプレゼント?」 と訊いた。

「あなたのことがとても、とても好きだから。それにあなたが私にお花をくれたから。私、あまりお花をもらわないの」 

彼女はそう言いながら、僕の車のトランクを開けて、助けてくれた。中に何が入ってるのかを訊いたら、「家に帰ったら、中を開けていいわ。でも、それまではダメ。中を見たら、すぐに何か分かるし、何のためかも分かるはず」と答えた。その後、僕たちは何分かおやすみのキスをして別れ、ようやく、二人それぞれの方向へと向かった。

家に着くと、ソファのそば、床の上に箱を置き、まずは飲み物を用意した。そしてスウェットパンツに着替えた。パンティとキャミソールはシャワーを浴びるときまで、着たままでいようと決めた。着ていて肌触りが気持ち良かったからというのもある。

ソファに座って、サテンとレースの紐を引っ張り、解いた。箱を開けると、まずは宝石箱が出てきた。その宝石箱の中には、カフスボタンが6個入っていた。これは変だなと思った。僕のシャツはすべてカフスにボタンがついている仕立てになっていて、カフスボタンは不要だったからである。

宝石箱の下にはティッシュが敷かれていた。それをはがした瞬間、どうしてアンジーがカフスボタンをくれたか分かった。ティッシュの下には新しい白いシャツが10着入っていたのだった。どれも非常に高価な仕立ての綾織シャツだった。

シャツの下には別のティッシュの層があった。その下には、予想していたものが入っていた。パンティとキャミソールのセットが12着分あったのである。それぞれ色違いで、いろいろな色があった。最初、こんな派手な色のものはシャツから透けて見えるので、着れっこないと思った。だが、その時、アンジーがくれたシャツのことが頭に浮かんだ。あのシャツは十分厚地になっているので、外からは中に何を着ているか全然見えないようになっている。アンジーがそこまで考えていたのは明らかだった。

ティッシュの4層目の下には、丈の短いナイトガウンが12着と、それと同数のマッチしたパンティが入っていた。僕が日曜日の夜に着たのと似たデザインである。その層の下には、また別の層があり、そこには僕が身につけたことがないものが入っていた。先のパンティとキャミソールのセットとマッチしたガーターベルトだった。これも12着。それにストッキングも12本入っていた。ガーターやストッキングについては、アンジーは僕に身につけるように頼んだことはなかった。だが、そう頼まれるのも時間の問題だろうと僕は思った。

僕はすべてを箱の中に戻した後、この状況について考え始めた。もちろん今は、アンジーが興奮するように彼女の下着を着ている状態にはなっていない。だが今は、自分自身のランジェリーを持っていることになった。アンジーは僕にそれを着て欲しがっている。これはアンジーが買ったのは確かだが、彼女の性格からすれば、今は僕のものとなっているのは確かだ。そうなると、状況のすべてが変わってしまう。

考えがまとまらないうちに電話が鳴った。受話器を取る前に、これはアンジーからの電話だと思った。


[2011/02/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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