この時も、私は夢の中にいたような気持だった。この私が? 私が、スパンキングされる?
ハンナが私のところにやってきた。
「恥ずかしがることないのよ」
ちょっと口元を歪ませてそう言い、私を引っ張って、椅子から立ち上がらせた。そして、私の手を引っ張りながら、寝室を出て、地下室へと向かった。綺麗に装飾された部屋を通り、ドアを過ぎると、そこはずっと殺伐とした感じの部屋で、床はセメントの打ちっぱなしで、壁も何も飾りがなかった。
「服を脱いで!」 ハンナは私の方を向いて、対面していた。まだ素っ裸のままで。
この時も、私は反応が遅かったのだと思う。指示に従わずにいると、彼女はまた言った。
「ほら、早く!」 少し笑っている。
「あなたはもうゲームに加わっているのよ。そして、今度はあなたの番」
そう言ってハンナは近づいてきて、私のブラウスのボタンを外し始めた。私は両手で彼女の手首をつかんだ。ハンナを押しとどめるため? いや、違う…。私は、ボタンを外していくハンナの手に、ただ手を重ねていただけ。一緒に降りて行く。
ハンナはほんとに私の近くにいた。私がベルトで叩いた時も近かったけど、それと同じくらい。でも今は、ハンナは裸で私の前に立っていて、私の服を脱がしているのだ!
ハンナが一歩引き下がった。
「後は自分で!」
私はゆっくりとブラウスを脱いだ。ハンナはその私の様子を見つめている。私はズボンのジッパーを降ろし、脱いだ。まだ私を見つめている。腕を組んで、ちょっと笑顔になりながら。また、少しためらった後、私はブラジャーとパンティを脱いだ。
ハンナは棚のところから何かを取ってきて、それを私の手首に巻き付けた。…ある種の拘束具のよう。だけど、柔らかいもので、マジック・テープでくっつけるものだった。それから、その、左右の手首に巻いた拘束具に細いロープをつないだ。そしてスツールを持ってきて、それに乗り、そのロープを天井にある梁についてる二つのフックに通した。
その後、ハンナはロープを引っ張った。私は両手を持ち上げられ、天井のフックのちょうど真下のところに万歳をする姿勢で立たされていた。
私は、ハンナにこんなことをされても抵抗しないのは、なぜ?
ハンナは、余ったロープを壁にある蝶ネクタイのような形をしたものに巻き付けて、固定した。私は両手を吊るされ、立たされたまま。その後、ハンナはどこからか布切れを二つ持ってきて、ひとつは私の口に詰め込み、もうひとつで猿轡をして固定した。
「これで準備ができたわ」
ハンナはそう言うと、私の前にひざまずいた。そして、何と指で私をいじり始めたのだった! 片手でクリトリスをいじり、もう片手であそこの両側を優しく愛撫している! 私は濡れていた。ハンナは私を見上げて、微笑んでいた。だんだん興奮が高まってくるのを感じた。
呼吸が苦しくなり、絶頂に近づくのを感じた。だが、その時、ハンナはやめてしまい、立ち上がって地下室から出てしまったのだった。私はドアの方に背中を向けていたので様子は見えなかった。でもハンナが家の中を歩いてる音は聞こえていた。
私は何をしているの?
ハンナたちの母親が帰宅して、こんな私を見つけてしまったら…。こんなこと、信じられなかった…。今朝の今朝まで、こんなことが私の身に起こるなんて想像すらしてなかったのに!
ハンナが戻ってくる音が聞こえた。彼女はビキニを着ていた。そして、ジェシカの姿も。でもジェシカは私の後ろに立っていた。首を捩って、見てみた……ジェシカは、あのワンピースの水着を着ていた。
ハンナがまた私の前にひざまずいた。
「さあ、これから本当の調教の始まりよ」
邪悪そうな笑みを浮かべてそう言う。ハンナはまた私を触り始めた。私はまたさっきと同じような状態にさせられてしまう。でも、また、ハンナはギリギリのところでやめてしまった。
「できるだけあなたをイク寸前までにしてあげるわね」と私を見上げながら言う。「そして、あなたが頭を縦に振ってイエスと合図するまで、ずっとイク寸前の状態のままにしてあげる。あなたが頭を縦に振ったら、ジェシカがベルトを使うわ。そして私はあなたをいかせてあげる」
どこでそんなことを考えついたの? こんな変なこと聞いたこともない。
「これを何回かしたら、お尻を鞭打ちされるのを待ち焦がれるようになれるわよ」
ハンナはそう言って、また邪悪そうな笑顔になった。