グレースは私の方を振り返って、ベッドに座るように促した。
「私の直観だと…」
と、彼女はそう言いかけて、途中でやめた。そして何も言わず、私のあごに手をかけ、彼女の方をまっすぐ見るようにさせた。
「私の直観だと、あなたの場合、ハンナたちがしたような調教は必要ない感じね」
そう言って私にもたれかかるように近づき、顔を私の顔に近づけた。そして、ほとんど囁き声に近い小さな声で言った。「あなたの場合、別の種類の調教でも十分に反応すると思うの」
そう言って私にキスをした。彼女の舌が口の中に入ってくる。この時のキスは、私が思いだせる中でも一番エロティックな行為だった。二人とも、ベッドの端に腰かけたまま、ただただキスを続けた。
しばらく経ち、グレースはようやくキスを解いた。真剣そうに真顔で私を見つめていたけど、私にはちょっとだけ彼女が微笑んでるようにも見えた…。口元を歪ませるような笑みではなく、とてもかすかな笑み。それを見た瞬間、私はグレースになら何を命令されても、喜んでそれに従うような気持ちになった。
「あなたは、絶対に、こういう方法の方がずっと早く調教を受け入れるタイプだわ」
グレースには私の心が読めるのだ。彼女はまた顔を寄せてきて私にキスをした。でも、今回は私の唇をかするだけ。もっと欲しいのに!
その時、ハンナがリビングに入ってくる音が聞こえた。ジェシカは、まだ前のようにあそこに立っている。
「ハンナ…」と、グレースは思慮深げにハンナに話しかけた。「彼女、うまく調教されそうよ」
私はそれを聞いて困惑した。そんな私にグレースは言った。「あなたは私と暮らすことにしなさい」
そんなことってありえない。大ごとすぎる。私には夫がいるのに。でも、グレースと一緒に並んで座って、それを聞いた時は、とてもありえることのように思えた。
困った顔をしている私を見て、グレースは優しく微笑んだ。
「あら、ご主人のことね。ご主人については私がちゃんと手を尽くすから。そうね、ハンナをあげることにするわ。ご主人は、可愛い東洋人の女の子をおもちゃにもらえて喜ぶと思うわよ。毎晩、ハンナのキュートなお尻の穴に突っ込んで楽しむんじゃないかしら。そして、あなたはというと…」
グレースはそこでちょっと口をつぐんで、また微笑んだ。「…そして、あなたはというと、目を見張ることをすることになるの。まずは、私のためにスー・リーを、つまり、彼女たちのお母様を誘惑してくれる? ええ、もちろん、うまくいくわよ…。東洋人には西洋人の女性に惹かれる人がたくさんいるもの。逆に、東洋人の女性に惹かれる西洋人が多いのと同じね。私、スー・リーにはちょっとした計画を考えているのよ…。それにあなたにも!…あなた、お尻で受け入れたことある?」
私は押し黙って座っていた。グレースは私へ身体を傾け、私の耳に唇を押し付けた。
「あるの?」と耳に息を吹き込んでくる。
「…いいえ」 私は息ができなくて、囁き声になっていた。
「良かった!」と言ってグレースはまた身体を離した。「それが手始めね。私が見ようと計画していることの手始め。さあ、元に戻ってハンナにキスしてきなさい」
私は戸惑ったまま、動けずにいた。
「行くのよ!」 とグレースは前より強い口調で繰り返し、私は立ち上がって、部屋を出た。グレースはベッドに座ったままだった。
ハンナがいる部屋に戻ると、彼女は、またジェニファの顔にまたがっていた。目を閉じ、腰をくねらせ、荒い息づかいをしている。もうすでに少なくとも一回はオーガズムに達しているのが私にも見て取れた。
私はハンナの前にひざまずいた。彼女、とてもセクシーに見える。私は彼女の顔を両手で押さえ、唇にキスをした。ハンナはびっくりして目を開けた。ショックを受けているような顔をしてた。でも、その後、ハンナは私にキスを返し始めた。とても激しいキス。何かに突き動かされているみたい。呼吸をするのも辛そうに興奮している。
私は少し引き下がって、ハンナを見つめた。彼女はまた目を閉じた。もう、私のことは完全に心の中から消えてしまったみたいに見えた。
私は手を伸ばして、ハンナの胸に触れた。すると、また彼女はハッと目を開き、私を見た。その後は、私が乳房を愛撫するのに任せて、再び自分だけの世界に戻って行った。ハンナは、もうすぐ、またオーガズムになるはず。それが私にも分かった。ジェニファはひたすらハンナを舐め続けていた。
私は立ち上がり、再びグレースがいる寝室に戻った。グレースはベッドの上、うつ伏せになっていた。両脚をベッドの端から放り出すような格好で。目隠しをされ、猿轡を噛ませられている。それに足首が左右ともロープで拘束されていたし、腕も、長い手袋のように見える変わった拘束具で背中に縛り付けられていた。左右の腕が背中で結びつけられていて、ひじ同士がくっつきそうになっている。見てるだけで痛そうだった。
そのグレースの後ろにはジェシカがいて、ディルドを彼女のアヌスに押し込んでいた。ジェシカは依然としてパンティだけの姿。
ジェシカは私に気づいて顔をあげた。でも、まったくの無表情の顔だった。この時のジェシカの表情は、まさに私の夢の中で彼女が見せる表情だった。
おわり