二人で、僕の出したスペルマをキスしながら分かち合い、そして飲み込んだ。アンジーはようやく僕の唇から唇を離した。
「あなた、お尻をいじられて喜んでいたみたいね。私、その方面、もうちょっと探ってみるといいかもしれないと思うわ。そう思わない?」
彼女はシャワーを止め、僕の手を取ってシャワールームから外に出はじめた。
「僕は、それはあまり良いとは思えないなあ…」
「あら、どうして? あなたが感じていたのは分かってるわ。さっき、あなたがあんなふうに女の子のような声をあげていたの、初めて聞いたもの。私にお尻に舌や指で愛撫されて、とっても感じていたのは確かじゃない?」
確かに、あらゆる状況証拠が、僕が感じまくっていたという事実を示していた。そんな状況で、彼女に、僕は不快だったと答えることなど、どうしてできよう? 他に反論のしようがなかったので、僕は論理的な反論に助けを求めた。
「確かに気持ち良かったよ。でも、あれはゲイのすることだよ。ゲイの男だけが、ああいう種類の刺激を快感だと感じるんだと思う」
僕たちは互いに相手の身体をタオルで拭いていた。アンジーは僕の反論を聞いてくすくす笑い、その後、にっこりと微笑んで僕を見下ろした。
「正直に言うわね。あなた、すごくおかしなことを言ってるわよ。あなた、ゲイの男性とそうでない男性の身体が、構造的に違うと本気で信じているの?」
「まあ、違いはないだろうけど、でも、ゲイは違うんだよ」 僕はこの議論には勝てないと分かっていたけど、それでも反論した。
「もちろんよね。身体の違いはないわ。ゲイの男性が気持ちいいと感じることは、ストレートな男性もやっぱり気持ちいいはず。問題は、その快感を誰から与えてほしいと思っているかだけ。さあ、もう少しだけ念入りに毛を剃っておいてくれる? 私、チクチクすると嫌だから。その間に、私はあなたの服を用意しておくわ」
体毛を剃り直し、髪を乾かすのに10分ほどかけた。その間、アンジーは僕に着せたいと思っている服を用意していたばかりでなく、彼女自身も新しく着替え、ベッドも整えていた。
寝室に入ると、彼女は黒いシルクのドレスを着ていた。丈が極端に短い。スカート部分はゆったりとフィットしている感じで、首元のラインは深く切れ込んでいる。胸の谷間がかなり露出していた。足にはヒール高8センチのスティレット・サンダルを履いていた。髪は、いつものように外に広がるようにブラッシングされていて、たくさんのカールが背中を流れ落ちているように見えた。彼女は化粧台の前に座って、メイクをしているところだった。
アンジーは僕が入ってきたのに気づいた。
「ベッドに座って待ってて。もう少ししたらそばに行くから。オーブンから食べ物を出して置かなきゃ。それが適当に冷めたら、戻ってきて、あなたの着替えを手伝うわ」
僕は言われたとおりにベッドに座った。どんな服を彼女は用意してるんだろうと周囲を見回した。だが、僕が着れそうなものは何も見えなかった。そもそも、あまり探す時間もなかったと言える。アンジーは2分もしないうちに戻ってきたからだ。手にワインのグラスを二つ持っていた。