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無垢の人質 第9章 (11) 

夜が明け、その光が優しく小部屋に差し込んだころ、イサベラは目を覚まし、落胆の溜息をついた。

レオンは彼女の後ろに横たわり、眠っていた。黄金色の裸体の姿で、横寝になり、片腕を彼女に預けている。その手のひらで彼女の乳房を覆ったまま。

たいていの夜は、レオンが両腕を彼女の体の下に差し込み、優しく抱え上げ、静かに城内を運び、自分の部屋に連れていく。そのたびにイサベラは目を覚ましていたが、運ばれる間、ずっと眠ったふりを続けていた。だが、昨夜は何事もなかった。

イサベラはレオンを起こさないように注意深く、二人の頭の上のところを手探りし、絹のスカーフを取り出した。それはベッドの頭のところに結びつけておいたもので、前日の午後、人に見つからないように隠しておいたものである。

イサベラは、息をひそめて祈りつつ、そのスカーフを優しくレオンの手首に巻きつけ、指先を震わせながら固く結んだ。結び目をいくつも作り、しっかりと結んだ。それから、彼が頭の下に添えているもう一方の手首にも同じように巻きつけ、結んだ。ちらちらとレオンの顔を窺い、様子を見たが、彼の長いまつげはさほど不自然な動きはしていない。

イサベラは、ゆっくりとベッドの反対側へと這いながら移動した。そして、お尻を高く掲げ、今度は彼の両足首の拘束に取り掛かった。

レオンが、何かをつぶやき、ほんの少しだけ寝返りを打ったとき、彼女は心臓が止まる思いをしながら、恐る恐る、肩越しに振り返った。見つかったかと思ったのである。しかし、彼の胸板はゆっくりと隆起と下降を繰り返している。

安堵の溜息をつきつつ、イサベラはレオンの太ももの横に正座した。寝ている間に彼の両手両足を縛りつけたのだ。その結果を見ながら彼女は心の中をハラハラするような興奮と期待が駆けめぐるのを感じた。

いま目の前に一糸まとわぬ姿でレオンが横たわっている。両手両足を縛られ、緩やかに身体を広げた姿勢で。まるで黄金の太陽神のように。

金色の巻き毛が軽く胸板を覆い、それが大きな下向きの矢印の形になって筋肉が波立った腹部を下り、脚の間の暗い鳥の巣へと向かっている。

イサベラはほんの少しだけ近寄ってみた。視線は彼の太ももに安らかに横たわっている太く長いものに向けられていた。そこをじっくりと見つめている。一度、彼の顔を窺った後、さらに前のめりになって顔を近づけ、そのダラリと横たわっているものを手に取り、試しにしてみるように、根元から先端にかけて優しく擦ってみた。彼は少し寝息を乱し、彼女は心臓がドキドキ鳴るのを感じたが、それでも、まだ彼は目を覚ましていない。

イサベラは、より大胆になり、親指で彼の先端を優しく撫でてみた。そして、そこにある小さな細い溝を興味深げに触ってみる。そこを触れられ、少しずつ彼が硬さを増すのを彼女は感じた。不安になって、眠っている彼の目へと視線を走らせる。そして、息をひそめ、数秒待ち、彼が動かないと知ると、今度は、そのベルベットの感触がする太いものを優しく指で包み、自分の指をものさしにして大きさを測った。

柔らかい時ですら、こんなに大きく、恐ろしいものなの、と彼女は好奇心から熱心に彼のそれを観察し続けた。今度は軽く持ち上げ、もう一方の手を下へ忍び込ませ、太ももの間に収まっている二つの球体を優しく包み、それがふんわりと柔らかなことを知った。そして、そこを優しく握ると彼がさらに硬さを増すのを知り、嬉しさに小さな溜息をもらした。

「イサベラ? 何をしてるんだ?」 突然かすれた声が聞こえ、彼女に危険を伝えた。

イサベラはおののきながら、はっと身体を起こした。そして驚いた眼差しで彼を見た。

「な、何も…」 と後ろめたそうに答えた。だが、その頬には恥ずかしさによる赤みがさしていた。レオンはじっと彼女を見据えた。その瞳には、ほんの少し前まで眠っていたような印は見えなかった。イサベラは心がざわめき立つのを感じ、困った風に下唇を噛んだ。彼はいつから目を覚ましていたの?


[2011/05/31] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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