俺が戻ってきたのに気づき、ステファニは俺の方を見た。両頬に涙がボロボロ流れている。俺は彼女の足に引っかかっていたパンティを引き抜き、ボールのように丸め、ズボンのポケットに入れた。それから、床に散らばっている彼女の衣類を足でまとめ、ブースの外の廊下へと蹴り飛ばした。ステファニの体に着いたままになっているのは、黄色のブラウスと白のブラジャーだけだ。
次に壁にかかっているキーを取り、手錠の片方を外した。拘束を外され、ステファニは、外された片腕をだらりと膝もとへ下げた。まだ、鼻をすすって泣いている。俺は、そのだらりと下がった腕を持ち上げ、ブラウスの袖から抜いた。さらに肩にかかったままのブラジャーのストラップも引き下ろし、腕を抜いた。これで胸の片方を完全に露出した形になった。
もう一方の手錠も外すと、やはり腕をだらりと下げたが、ステファニは同時に部屋の隅に顔を背け、わっと泣き出した。小さなベンチの上、ボールのように身を丸めている。俺はそれにお構いなく、もう一方の腕もブラウスとブラから抜き、上半身を素っ裸にさせた。脱がしたブラウスとブラも廊下に放り投げた。
俺はステファニのために買ったドレスとヒールが入ったビニール袋をベンチに置いた。ステファニはブースの隅に顔を向けたまま、何も言わず泣いていた。
「こいつを着るんだ」 と俺はステファニの肩を軽く叩いた。
着替える時くらいはちょっとプライバシーを尊重してやろうと、俺はブースの外に出てカーテンを閉めた。しばらくブースの中は静かだったが、その後、ビニール袋のガサガサする音が聞こえた。カーテンの向こう側、ステファニーが着替え始めたのが聞こえる。
永遠に待たされているような気分だったが、ようやくカーテンが動いた。ゆっくりとカーテンを横に引き、中からステファニが姿を現した。そして俺の前に立った。
俺は彼女の姿を頭のてっぺんからつま先までじっくりと鑑賞した。首に巻かれた青いストラップだけで、ドレスを吊るすデザイン。ゴージャスな胸が布地で覆われている。とはいえ、事実上、透明と言ってよいような布地だ。彼女の熟れて豊満な巨乳に目が釘付けになる。薄い生地を通して乳輪や乳首も見えていた。乳首はまだ固くなったままで、繊細な生地を内側から押し、ツンと尖ってる。
下の方に目をやり、このドレスが、いかに露出的が我ながら驚いた。何も着てない裸よりも露出的に感じる。股間の茂みがすっかり見えるし、ハンドバッグを拾おうと後ろ向きになった時も、尻の割れ目までくっきり見えていた。
ハイヒールの効果も抜群だった。つま先がきれいに並んだ豆粒のように見え、よだれが出そうになる。ハイヒールのためにふくらはぎの筋肉がキュッと締まり、身長もいっそう高く見せていた。
俺はステファニの指に指を通すようにして手を握り、優しく店の方へと引っ張った。
「行こうか」 と歩くように促した。
だが、彼女は、何か思い出したように、「私の服!」と言って、振り返ろうとした。
俺は彼女の腕を強く引き、前を向かせた。それを受けてステファニはつまづきそうになった。
「置いていくんだ…」
俺は、彼女の手を引きながら、ビデオ・ブースと店舗部分を分けるカーテンのところへ歩きながら言った。「いまお前が着ている服こそ、新しいお前にふさわしいのだよ」
ふたりでカーテンをくぐり、ビデオが展示されている棚の列の間を歩いた。店にいた何人かの男たちが、顔を上げ、ステファニをじろじろ見た。その視線の中、正面ドアに行き、開け、夜の闇の中へと出た。歩きながら、横眼でステファニの姿を何度も見た。ほぼシースルーなため、美しい女体が丸見えで、思わず目を奪われてしまう。
ステファニの車のところに着いた後、俺は何も言わず助手席のドアを開けた。ステファニが乗り込み、俺はドアを閉め、それから運転席側に回って、乗り込んだ。