俺は車を動かし、駐車場から出た。ブラッドの家へと車を走らせながら、横に座るステファニを見た。放心しきった様子で助手席の窓の外を見ている。化粧は乱れ、泣いた跡が目の下に黒い筋となって残っていた。セクシーな服を着ておとなしく俺の隣に座っている。この女も俺の支配下に落ちたなと思った。
「どうして私にこんなことをするの?」 とステファニはかすれた声で訊いた。
「そうされるようなことをしたからだ」 と角を曲がり、別の道を進みながら答えた。
「…俺の親友の41歳になる母親であるにもかかわらず、さかりのついた雌犬のように男と淫らな関係を続けている…」 黄色の信号を突き切るため、スピードを上げた。
「…夫がいるにもかかわらず、その夫ばかりでなく家族全体を裏切り、陰でこそこそ浮気をしている…」 車はステファニの家の通りに入っていた。
「…その罪の償いにカネを要求したが、お前は拒んだ。だから別の形でカネを払ってもらってるのだよ」
車のスピードを落とし、ブラッドの家の前につけた。エンジンを切り、少しの間、黙って座っていた。俺はステファニの方へ顔を向けていたが、しばらくしてようやく、彼女も顔をこちらに向けた。ハンドバッグを握りしめながら、俺の目を覗きこんでいる。ドレスの側面に入っているスリットからは、綺麗な脚が腰の付け根まで見えていた。
「俺が来たらいつでもカネを出すんだ。いいな」
ステファニはゆっくりとうなづいた。
「カネを出さなかったら、俺が何をするか分かっただろう」
ステファニは目を閉じ、諦めた顔でゆっくりとうなづいた。
「こんな服を着たままで家には入れないわ」 とステファニは自分の姿を見下ろしながら言った。
「夫や息子が起きていて、私のこの恰好を見たら、どうなるの?」 と、ドレスの裾を引っ張って、あらわになっている脚を隠そうとする。
「そうなったら諦めて、代償を償うことだな」 と俺は運転席のドアを開けて、外に出た。
助手席側に周り、ドアを開け、手を差し出してステファニが立ち上がるのを助けた。
「私がこんな目にあうなんて、信じられないわ」
俺は指をからませて彼女の手を握り、玄関前のポーチへとエスコートした。ポーチへの階段に差し掛かると、ステファニは小さな声で言った。
「誰かに見られる前に、帰って」
そしてハンドバッグに手を入れ鍵を取りだした。いくつも鍵があり、暗闇なので、玄関ドアの鍵を見つけるのに手こずっている。だが、ようやく見つけ、鍵穴に差し込み、音をたてないようにしてドアを開けた。
「早く行ってよ」
「ダメだ。…俺にキスをするんだ」
それを聞いて、ステファニは、ヘッドライトに照らされて身動きできなくなった小鹿のように突っ立っていた。無言のまま、互いに瞳を見つめあい、やがてゆっくりとふたりの顔が近づいていった。
ステファニが身体を俺に持たれかけるのに合わせて、俺は口を開き、同時に片手を彼女のドレスのスリットの中へ忍び込ませた。ふたりの唇がかろうじて触れ合ったところで、ステファニは、一度ためらい、動きを止めた。彼女の吐息が俺の顔に当たるのを感じる。俺は手を裸の尻頬へと滑らせ、握り揉んだ。それを受けてステファニはゆっくりと舌を出し、俺の口の中へ入れてきた。
ふたりとも目を閉じキスを続けた。俺はシースルーのドレスの中の尻頬を愛撫し続け、ステファニは呼吸に喘ぎ声が混じり始めていた。ふたりとも舌を突き出し、繰り返し相手の口へ出し入れを続けた。
さらに手を先に延ばし、指先で彼女の陰部に触れた。みるみる濡れてきているのが分かる。俺は指を一本、その蜜壺に滑り込ませた。その俺の指の動きに合わせるように、ステファニは俺の口の奥へと舌を突き入れてきた。