ポールはダイアナの姿を見て、絶賛した。
「今日はいつにもまして恐ろしいほど魅惑的ですなあ。電話でその服装のことを聞いた時、それに完璧にマッチするものがあるのを思い出したんですよ。覚えていますか、この前のショーの時、あなたがそれを着てモデルになってくれたこと」
ダイアナは目を丸くした。
「ええ?! あれ、まだあるの? あれのことを忘れてしまおうと、どれだけ苦労したことか。あれ、私、大好きなのよ! あのショーの後、私がそれを脱いだとたんに誰かが買うことに決めたと聞いて、私、ほとんど死にそうになったのよ」
「あれを競り落とした女性は、あとで気が変わってしまって。その後は、あれはもう何か月もここに置き去りになっていて、ちゃんと見る目がある人をずっと待っているんです。正直、私はあなたこそあれにふさわしい人だと思っていたんですよ。あっ、ここにありました…」
それは、バターのように柔らかく、口紅のように鮮やかな赤の、子牛皮製ヘビー・ボーンド・コルセット(
参考)だった。胸のところはアンダーワイヤー入りのデミカップ・ブラ(
参考)だ。
僕はダイアナを手伝って、コートを脱がせ、ドレスのジッパーを降ろし、注意深く脱がせた。その後はポールが僕と交代し、彼女のブラ、コルセット、そしてパンティを脱ぐのを手伝い、その次に、非常に注意を払いつつ、新しいコルセットをつけさせた。
着替えの間、ポールはダイアナの裸を見たり、密着したりしたわけだけど、僕は全然、嫉妬を感じなかった。むしろ、この着替えの過程を見ていることの方が楽しかった。
コルセットには8本ガーター留めがついていて、それにストッキングを留めていく。その後、ポールはそのコルセットにマッチしたソング・パンティを持ってきて、彼女に履かせた。腰のところにレースがついたパンティだった。最後にポールはダイアナの向きを変え、僕がどう思うか、僕と対面させた。コルセットとストッキングとヒールの姿のダイアナは、圧倒的な美しさだった。大きな乳房は、小さなカップに下から持ち上げられ、神々しさすら覚える盛り上がりを見せていた。ダイアナは、ためらいがちに期待しつつ、僕の瞳を見つめ、小さな声で懇願した。
「お願い、いいでしょう?… 高いのは分かってるの。でも、これ、とても私に似合ってると思うし、一度着たら1秒でもこれから離れるなんて耐えきれないし…」
「それを着た君の姿を見た瞬間に、君の勝ちは決まったものだよ」
僕はポールにクレジット・カードを渡し、「わざわざ包まなくてもいいよ。ダイアナは着たままでいると思うから」と彼にウインクした。
ポールが請求額の計算とカードの認証のために部屋から出て行くと、すぐにダイアナは僕の腕の中に飛び込んできて、僕の顔にキスの雨を降らした。
「ああ、大好き! 大好きよ! 最高の人だわ! 私、いったいどうやってあなたに……」
と、そこまで言って彼女は脱ぎ捨てた黒サテンのコルセットに目を落とした。今は僕たちの隣の作業台に置かれている。彼女はそれをしまおうと思ったのだろう。だがあたりを見回したが無駄だった。もちろん、彼女のカペジオバッグ(
参考)も他のショッピングバッグも全部、メルセデスのトランクの中に置いてきていた。
するとダイアナは僕の方をちらりと見あげた。彼女の目にいたずらっぽい光が輝いていた。
「ちょっと、君! こっちへ来なさい!」 と、いきなりダイアナは強い調子で言い、あっという間に僕のスーツコートを脱がしてしまった。さらには、素早い手さばきで他の服も脱がし、僕は瞬く間にランジェリーとストッキングだけの格好にされてしまった。次に、ガーターベルトが外され、代わりにコルセットをつけられる。不平を言う暇さえなかった。多分、僕は驚きすぎて唖然としていたからだろう。
「おお、それは私にも手伝わせてくれ」 と僕の背後で男の声がした。「なんだかんだ言っても、それを彼女のために作ったのは私なわけだし。それに私は、自分の作品には誇りを持っているし、それに、それを上手に着こなす人も誇りに思っているんですよ」
ポールに、僕がランジェリ姿で偽乳房をつけているのを見つかってしまった。僕は顔が紫になるほど赤面していた。だが彼は、その点についてはまったく平然としていた。何事もないように、ダイアナに交代し、コルセットのレース紐を締め始めている。
「何も恥ずかしがることはありません。私の店には女性客も来れば、男性客も来るんです」 と彼は安心させるような声で言い、ダイアナの方を見た。ダイアナは頷きながらウインクをした。
「…それに、嬉しいことにその中間のお客さんも。しかし、それにしても…。あなたは、うちの店に来る他の男性のお客様よりも、はるかにずっと魅力的になりますよ。ダイアナの男を選ぶ目はさすがだ」
僕はまた顔を赤らめた。今度は感謝の気持ちからだった。
「普通だと、私は初心者の場合、10センチくらいしか締めないんです。ですが、あなたはすでにずいぶん引き締まっているし、身体の線もとても良い。体型維持をしっかり心がけているのが分かります。ですので、この際、全部締めてみましょう」