「裏切り」第4章 試合開始 Betrayed Ch. 04 by AngelCherysse Chapter 4: Let The Games Begin
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これまでのあらすじ
ランスは、妻のスーザンが元カレのジェフ・スペンサーと浮気をしていたことを知る。調査するとジェフはシーメールのクラブに出入りしていた。そのクラブを訪れた彼はダイアナというシーメールと知り合い、酔った勢いで彼女に犯される。だが、それにより彼は隠れた自分の本性に気づくのだった。そして1週間後、離婚手続きをした後、彼は再びダイアナと愛しあい女装の手ほどきも受ける。翌日、ふたりは買い物デートに出かけ、ディナーを食べながら話しをする。レストランを出ると、そこでスーザンとジェフがいた。険悪な時間が過ぎる。
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ダイアナはリンガーズの駐車場に向かうよう指示した。正直、それには驚かなかった。リンガーズは僕の新しい住処からわずか2ブロックしか離れていない。車でなら、特に渋滞になっていない限り、5分ほどで着く。新しい住処をどうしてリンガーズの近くに選んだのか? 意識的に選んだわけではなかった。無意識的には…? 正直、わからない。
ギアをパークに入れるとダイアナは、「トランクを開けて」と指示した。
僕は言われたとおりにした。彼女は僕が外に回ってドアを開けるのを待っていなかった。自分からドアを開けて出て、車の後部にまわり、トランクからカペジオ・バッグを取り出し、トランクを閉めた。トランクの閉め方は、正確で、優しく閉め、カチッと音がなるのを確認する閉め方だった。
その閉め方を見て、彼女は、こういう高性能の高級車に乗った経験があるのだろうと推察した。たいていの人は、トランクの蓋はバタンと音を立てて閉めるものだ。アメリカ車の場合はそうしなければ閉まらない。ふと、ダイアナはかなり裕福な客を惹きつけているタイプの女の子なのではと思った。実際、彼女自身、「甘えられるオジサマ」たちはたくさんいると言っていたし、その人たちみんなを断ったとも言っていた。その上で僕を選んだとしたら…。僕は嬉しかった。
ダイアナはバッグを肩にかけ、僕の腕にすがりついた。
「行きましょう」 と明るい声で言う。
「どこへ?」
「あなたの未来が待っているわ。でも、もう1分たりとも、待たせておくわけにはいかないの」
ふたり、腕を絡ませながら歩道を進んだ。いつものことらしいが、2回目のショーを待つ客の長い行列ができていた。その脇を通り過ぎて行く。整理係がすぐにダイアナに気づき、挨拶し、僕たちに手招きして中に入るように促した。
それを見て、列をなして待っている者たちから不満そうな呟き声が出た。「金持ち野郎とそのオンナ」は特別扱いされるのかと、面白くないのだろう。
屈強そうな体格の雇われ整理係の男は、群衆の不満をなだめるため、「タレントさんが入ります」と言った。それを聞いて不満を漏らしていた群衆も認めたようだ。
僕たちは入り口を進んだ後、ステージの奥のドアへと進んだ。歩き進む間、しょっちゅう、バーテンダーやら、パフォーマーやら、ワーキング・ガール(つまりデート嬢)やらに声をかけられ、立ち止っては挨拶をした。誰もがダイアナのことを知っていた。それも僕にとってはちょっと誇らしく感じたし、たいしたものだと尊敬する気持ちも混じっていた。
ダイアナはまっすぐ楽屋に僕を連れて行った。ほとんどドアをノックすると同時にドアを開けた。中には8人から10人くらい、ゴージャスな「女の子たち」がいて、すっかり衣装を着た者から、まだ素っ裸の者まで、それぞれ様々な着替えの段階にいた。
慎ましやかにしてる者もいれば、まったく羞恥心を持たぬ者もいたが、ダイアナは全然気にしなかったし、彼女たちの方も僕がいることを全然気にしていないように見えた。だが、誰もが、ダイアナのドレスや靴、アクセサリーにみとれ、特に高級毛皮コートに涎れを垂らさんばかりにしたのは言うまでもない。彼女たちは、ダイアナが急に裕福になった原因を推測したのだろう。それにふさわしい目で僕に関心を寄せ始めた。
「彼ってキュートね」 とひとりが好意的な眼差しで僕を見やり、意見を言った。「それに、服のセンスも鋭いわ。ちょっと似合っていない気もするけど。ねえ、ダイアナ、彼、何って名前なの?」
「彼の名前は『予約済み』よ」 とダイアナはふざけて言った。
「彼、あなたの一番新しい旦那様?」
「そうだけど、もうすぐ旦那さまじゃなくなるのよ…」とダイアナは可愛い声で言った。「みんな? この人は、リサ・レイン。彼女は私の奥様になろうとしてるの。みんな、ちょっと手伝って、お願い!」
すさまじいばかりの悲鳴や歓声が部屋にとどろいた。少なくとも12本は手が伸びてきて、瞬く間に、僕のコート、シャツ、ネクタイ、靴、そしてズボンを剥ぎ取った。そして気がつくと、僕はランジェリーだけの格好で、女の群れの真ん中に突っ立っていた。
「悪くないわ、ダイアナ」と別の女の子がコメントした。「スーツが似合わなかったのも、うなづける。あなた、すでに彼女を女装に引きずり込んでたのね。なかなか、いい体つきをしてるわ、彼女」
その女の子は僕の偽乳房の片方を悪戯っぽく揉んだ。
「うん、確かだわ。彼女、とても可愛くなれるわよ。ねえ、ダイアナ? どういうふうにしたの? やり方をまとめてくれたら、みんなお金持ちになれるわよ」
「そういうのはあなたの夢の中だけにしておいてね、チャンタル」 とダイアナは苦笑しながら答えた。「私にできるのは、そういう人を見つけることだけ。すべてを追い求めることはしないの。私が知ってる誰かさんみたいに、ズボンの中のものを追い求めたりはしないの」
この言葉に、再び冷やかしの悲鳴がとどろいた。