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誰とやったか知ってるぜ 第7章 (4) 

トリスタがドーナッツを俺の前に持ってきて、言った。

「ねえ、みんな。私、仕事に戻らなくちゃいけなくなったわ。私抜きでおしゃべりしててくれる?」

トリスタを見上げると、彼女は上半身を屈めて、俺の唇に優しくキスをした。ちょっと長めのキスで、唇で俺の唇を揉むようなキスだった。そして身体を起こしながら、少し俺の髪に指を絡め、俺の目を見つめた。

「あ、忘れるところだった」 と俺は用件を思い出し、トリスタに言った。

「何?」 と俺のコーヒーカップにお代わりを注ぎながらトリスタが訊いた。

「君のお母さんに今夜ディナーに来ないかと誘われたんだ」 とコーヒーにクリームを入れながら言った。

「ああ、そうだった。私も忘れるところだったわ。あなたに会ったら言わなくちゃいけなかったの」 と担当の客の方をちらりと見ながらトリスタが言った。

「ママは何時って言ってた?」

「6時半」

「良かった。で、来てくれるの?」 と笑顔で訊く。

「もちろん」

それを聞いてトリスタはさらに笑顔になった。

「良かった。じゃあ、その時またね」

トリスタは客に呼ばれ、その客のテーブルの方へと去っていった。歩きながら肩越しに俺の方を振り返り、目をキラキラさせて手を振っていた。

彼女が客にコーヒーのお代わりを注ぐのを見た後、俺は、また、レイチェルとバルに注意を戻した。

またもバルは俺のところをずっと見ていたようだ。バルに話しかけたが、レイチェルは、あの取り済ました顔をしたまま、ツンとしている。

「で、君は18歳になるんだね?」 とバルに訊くと、バルは目を輝かせて、笑顔になった。

「え、ええ!」 まるで俺に見つめられて、上の空になっていたような返事だった。

「バルのボーイフレンドが、ディナーに連れて行くらしいわよ」 とレイチェルは、冷淡な口調で口をはさんだ。まるで、俺がバルに悪いちょっかいを出そうとしてると思いこんでるような口調だった。

「あの人はボーイフレンドなんかじゃないわ、レイチェル」 とバルは目を丸めて、横眼でレイチェルを睨みつけた。

どうやら、ちょっと妙な摩擦が、俺を含めて、この3人の中にあるようだと感じながら、俺はドーナッツを食べ終え、コーヒーを啜った。その間も、バルとレイチェルは妙な視線のやり取りをしている。

「その人、私のボーイフレンドなんかじゃないのよ」 とバルは俺に微笑みかけながら、ちょっと小さくまぶたを動かした。ウインクをしたようにも見えた。

何か目に入ったのかもしれないし、ちょっと神経が引きつって、そんなまぶたの動きになったのかもしれない。ただ一つ、確かに言えるのは、バルがそういうふうにまぶたを引きつらせたとき、俺のチンポもピクンと動いたということだ。

「ねえ、バル? もう行きましょう」 とレイチェルが言った。そしてバルを押して、ブースの奥の席から出ようとし始めた。

「君たちに会えてよかったよ」 と俺は立ちあがり、レイチェルに握手の手を差し出した。

だが、俺は速攻で無視されることになる。レイチェルが顔を背け、すたすたと出口へと歩いて行ったのだった。なんて女だとレイチェルの尻を見ていたら、バルが代わりに俺の前に立った。

「私こそ、楽しかったわ」 と、今度ははっきりとウインクをして見せた。そして、細い指を俺の手のひらに当てて、ぎゅっと握った。

「また会えると思うよ」 と言いながら、バルのアーモンド型の瞳を覗きこんだ。

「私もそう思うわ」 と名残惜しそうに俺の手から手を離し、ゆっくりと向きを変え、出口のドアの方へと歩いて行った。

俺はブースに座りなおしながら、バルの後姿を見ていた。あのピチピチした若々しい尻にどうしても目を奪われる。左右に振りながら歩いても、ぜんぜん尻頬の肉がぶるぶる揺れてない。それを見ても、かなり張りのある尻をしているのは確かだな。そう思いながらバルがドアを出て、去って行くのを見ていた。


[2011/09/22] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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