父親の後ろをついて、スクリーンドアを出た。バタンと玄関ドアが閉まる音を背に、新車のキャラバン(
参考)へと向かった。
父親がドライバー席側のロックを外し、続いて助手席側も開け、俺たちは乗り込んだ。早速、父親はエンジンをかけた。
「すごい!」 と明らかに手の込んだインテリアを見回しながら、俺は声を上げた。
レザーのシーツはとても柔らかく、エアコンも最高だ。俺は手を伸ばして、ラジオのスイッチを入れた。まだ何もセットされていないようだったので、父親のために俺がセットした。ボリュームを上げたが、その音量に俺自身も腰を抜かしそうになった。
「ひゅーッ!」 と声を上げ、笑って父親を見た。
父親は耳を塞いで、「聞こえないよ!」と叫んでいたが、顔は笑顔のままだ。
後部座席をチェックしてる間に、父親はラジオの音量を下げていた。そしてエアコンを切ってから、エンジンを切った。
「で、どうだ?」 と父親はイグニッションからキーを抜き、俺に訊いた。
「前のよりずっといいよ」 俺はドアを開け、そう答えた。
新しいバンから降りると、父親はすぐに車にロックした。俺はポケットに手を入れ、ついさっき、譲ってもらったばかりのバンのキーを取りだした。
「ああそういえば、あの車、今日、プロの人に清掃してもらったぞ」 と家に戻りながら父親が言った。
「ありがとう」 と興奮しながら答えた。
「それに満タンにもしておいたから」と父親は付け加え、玄関ドアを開け、家に入っていった。
俺は早速、譲ってもらったバンのロックを開け、運転席に乗り込んだ。とたんに、ワクワクするようないろんなアイデアが頭の中を駆けめぐった。特に、荷台部分の両サイドにある鉄製の柱を見て、興奮した。本来は荷物がずれないようにロープで結えつけるための鉄柱だが、他にも使えそうだ。このバンにはいろんなことをしたい。だが、それにはカネがかかる。かなりのカネが。
すぐにステファニのことが頭に浮かんだ。分かっていようがいまいが、ステファニは俺の新しいバンの経費を賄うことになるのだ。そして、もし手ぶらでやってきたら、ステファニこそが、このバンの荷台に乗ることになる最初の女になるのだ。
バンの中がとてもきれいになっているのを見て驚いた。座席の布地も清潔だし、ダッシュボードも染み一つない。荷台の方をもう一度見た。こっちはいろいろ装飾を加えなくちゃいけないなと思った。
ここにブラッドの母親が乗った姿が想像できた。両手首、両足首に拘束具をつけ、バンの左右に結び付けられている姿。脚を大きく広げ、その付け根でおまんこがぱっくり口を開けている。カネが必要になったら、どこかにこの車を止め、その気がある若い男に声をかけ、奉仕の代金をいただくというわけだ。そんなことを思い、思わず顔がほころんだ。
だが、それはまだ先の話しだ。妄想はそのくらいにして、俺は車から降り、家に戻った。夜が近づいてきてるので、とりあえず、一度仮眠をしておきたかった。家に入り、リビングルームに入ると、父親は椅子に座って眠っていた。俺は静かに横を通り抜け、自分の部屋に戻った。