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ジャッキー 第10章 (2) 

次の週末、僕はアンジーの家に引っ越した。それほど荷物があったわけではない。もちろん自分の衣類はあったが、その大半はアンジーに買ってもらったものだ。ほんのわずかな個人的持ち物の他はすべて、同じアパートに住んでいた人に譲ったか、ただ捨てたりした。アンジーは、僕が敷金を回収できるようにと、アパートを清掃するサービスを雇った。

引っ越から2週間後のことだった。土曜日の午後で、僕はひとりで家にいた。アンジーは会社のパートナーとの大変重要な会議があるとのことで不在だった。会社の誰もが知っていたことだが、その日は前年度の収益を分けあい、下級職員も含めて、全社員にボーナスとして分け与える日だった。

家には僕だけだし、夕方遅くまでその状態であるのを考え、その日は家の掃除をすることにした。家の中はそんなに汚れていたわけではなかったが、塵払いや掃除機がけは充分にしなければならない状態だった。一階部分はあっという間に終わり、寝室を掃除するため、二階に上がった。

寝室の床に掃除機をかけていたら、ベッドの下にアンジーのハイヒールが転がっているのを見つけた。そこで、それを彼女のクローゼットに戻そうとそこに入ったのだが、改めて考えると、彼女のクローゼットに入ったのはその時が初めてだった。

そこは大きなウォークイン・クロゼットで、ドアの左右にいろいろなものを吊り下げる空間があった。クローゼットの奥には、畳んだものを置く棚がいくつもある。

彼女の靴をあるべきところにしまった後、ふとその棚の方に目をやった。棚の一つに、アンジーのストラップオンのベルトと偽ペニスがあるのが見えた。その棚には、まだ見たことがないディルドが他に3本置いてあった。皮で縁取りされた手錠が一つと雑誌も数冊置いてあった。

その雑誌を一冊とって見てみたら、女装を扱ってる雑誌だと分かった。表紙を見ると、男性がメイクをするときのコツを扱った記事の特集号だった。多分、アンジーが情報を仕入れたのはこの雑誌からだったのだろうと思った。他の雑誌も合わせて3冊ほど取り、寝室に戻って、それを読むことにした。ひょっとすると僕自身も何か得るところがあるかもしれないから。

最初の2冊はとても情報量が多かったけど、そこに書かれていることはすでに大半知っていることだった。三冊目の雑誌も情報量が多かったが、最初の2冊とは別の意味でである。その雑誌は「シシー・ワールド」という雑誌で、男性を泣き虫のシシー(オンナ男)に変える方法を扱っていた。

その雑誌には、実際の言葉より写真の方が多かった。女性の服装をした男たちが写っている写真。かなり淫らな写真もあった。その女装男性たちは、他の男や自分たちの妻や恋人たちに強要されて様々なことをさせられていた。妻や恋人たちと言ったが、この雑誌での言葉使いで言うと、女王様たちと言うらしい。

記事の中では、その女王様と呼ばれる女性たちが、自分が調教したシシーとセックスしたり、シシーに他の男とセックスさせたりする様子が描かれていた。女王様は他の男と、シシーを役立たずと罵り、あざ笑いながらセックスすることもあるらしい。

いずれにしても、どの記事もシシーと呼ばれる男たちに対して非常に侮蔑的なものだったし、どうしても僕はそのシシーたちと同類ではないかと思ってしまうのだった。どんなことを言っても、アンジーは僕にかなり似たことをしてるんじゃないか? 彼女は僕をシシーに変えようとしているのではないか?

でも、本当に不思議なことではあったのだが、僕は、その写真を見て不快感を感じていた一方で、奇妙に興奮してもいたのである。その雑誌を開いて、身体を縛られたシシーを見た瞬間から、ペニスが勃起していた。ページを捲り、新しい写真を見るたび、僕の両手は震えていた。そんなふうにしていた時、僕はアンジーに見つかったのだった。

僕は二階にいたので、アンジーが家に入ってきた時の音は聞いていなかった。彼女は、僕がお昼寝をしてるのかもしれないので、音を立てずに二階に上がってきたのだと言っていた。彼女に見つかった時、僕はAライン(参考)のミニスカートとカシミアのクロップ・トップ(参考)のセーターを着てベッドに横たわっていた。


[2012/02/08] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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