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Four 4人 (1) 

「Four 4人」 by deirdre, 4/6/96

「一緒に来て! あなたに見せなくちゃいけないんだから!」

ペグは、ラリーと私が玄関を入るなり、ペグがそう言って私の腕を引っぱった。ペグはラリーに向けて言ったのではなかった。私にだけ。ラリーの方に顔を向けたけど、諦めて、ペグに引っぱられるまま、ついて行った。

家の中、他のご主人たちは誰もいなかった。ラリーをシャノンとデニスのところに置き去りにしてしまって、一瞬、罪悪感を感じた。ラリーは、そもそも来たくなかったんだから。私には分かる。まあ、でも、ラリーも少なくともシャノンを見て楽しむことでしょう。男なら、たいてい、そう。

「何なの?」 ペグにキッチンへと連れられ、そこを通り過ぎ、地下室へ通じる階段を降りながら訊いた。

シャノンの家でのディナー。ある土曜日、私たち4人でランチに行った時、このアイデアを思いついたのだった。引きずり出す良い機会…。つまり4人それぞれ、自分の夫をディナーに連れ出せるし、シャノンも料理の腕前を披露できる。シャノンの家には来たのは、それまで一度だけだったけど、今でも彼女の家のことは全部覚えている。シャノンは装飾について良いセンスを持っている。

地下室に降り、角を曲がった。私は息をのんだ。目の前には、裸の男性が3人!

3人とも身体を縛られ、目隠しと猿轡をされて、立っていた。みんなのご主人たちだった。

「どう思う?」 ペグが私の耳に囁きかけた。

私はただ見ているだけ。3人とも立っているけど、よく見ると、天井から伸びたロープで首を結えられている。だから座れないのだし、あまり動くことすらできない。

「ペグ? いったい何が起きてるの?」 私もひそひそ声で訊いた。頭が混乱していたし、ショックも受けていた。

「最高じゃない?」 彼女もひそひそ声で答えた。

最高って? それって、この状況を表す言葉なの? 私はどうしたらいいのだろう?

この光景は、シャノンの家で見るとは絶対に想像できない光景だった。ディナー・パーティに来て、これを目の当たりにするなんて。これが何だか分からないけど。ラリーはこれをどう思うかしら?

「ペグ? こんなの変よ。ご主人たち大丈夫なの?」 と小声で訊いた。

「もちろん! みんな喜んでしてるの」 それが返ってきた答え。もう一度、ご主人たちを見た。ただ立っているだけ。

「行きましょう?」 とペグは、私を階上へ導きながら言った。

ひょっとしてこの男の人たちに私の声が聞こえてるかもしれないと思って、なぜか恥ずかしくなった。私は声を小さくして言った。

「ペグ、こんなの変すぎるわ。私たち帰るから」

「え、なんで? 来たばかりじゃないの。みんなでディナーを食べるんでしょう?」

「ラリーはこんなの嫌がるはず!」 

でも、本当のところラリーはどう思うんだろう? 彼がどう思うか私には分からなかった。でも、私は不快感を感じていた。私の友だちもそのご主人たちも完全に狂っていたなんて。そういうふうに、その時の私は思っていた。

「あら、私はそうは思わないわ。男ってこの手のこと大好きなのよ」

この手のことって、何のことを言ってるんだろう? 3組の夫婦がいて、そのご主人たちが三人とも裸で拘束されている。そんなところに来ることをラリーが気に入る? あのご主人たちもこれを喜んでいる? 確かに、あの人たちはそうなのかもしれない。でなければ、どうして自ら進んであんな状況になっているのか説明がつかないもの。

「見てみて!」 とペグが言った。依然として小声で。

彼女はリビングルームのドアのところに私を連れて行った。私は、目の前の光景を見て、立ち止った。

シャノンとラリーが互いに見つめあっている。シャロンはテーブルの上、真ん中に座って脚を広げていた。かかとはテーブルの上、両腕の肘を膝に乗せている。タイトなズボンを履いていた。彼女の長く細い脚や、しなやかで鍛えられたボディの魅力を強調するような服装。

シャノンはまっすぐにラリーを見つめていた。とても真剣な顔をして。

そしてラリーも部屋の真ん中に立ったまま、彼女をまっすぐに見つめ返している。私たちが視界に入っても、どちらもぴくりとも動かなかった。デニスは、部屋の向こうの、私たちの反対側の壁に寄り掛かってふたりを見ていた。


[2012/02/14] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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