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ポルノ・クイーンの誕生1(15) 

顔の化粧が終わると、彼女は僕の爪に注意を向けた。まずは、それぞれの指につけ爪を装着する。それを角ばった形に切り揃えた後、最初に赤いマニキュアを一通り塗った。それが乾くと、もう一層、同じ色を塗る。それを繰り返して、結局、赤い色3層と透明の塗料を2層塗った。僕には、つけ爪を装着する前から、自分の指を見ていなかった。できあがった自分の指を見て、僕は驚いた。それにしても、つけ爪が本当に本物のように見えるし、自分の指が非常に長くなったように見える。よく事情を知らずに自分の手を見たら、僕は、誰か知らない実物の女の子の手を見ていると思ったことだろう。

次にトレーシーは僕の髪の毛をいじり始めた。初めに、ポニーテールにしていた髪を解き、ブラシを掛けた。ブラシの通りが良くないのを感じた彼女は、スプレーで一通り髪の毛を濡らして、ストレートに延ばし、それからホット・カールをつけた。それから約20分後、彼女はようやく僕の髪の毛を彼女が望むとおりの姿に変えた。

髪のセットが終わると、トレーシーは一旦、後ろに引き下がり、僕の全体の姿を見た。

「私が期待していたよりも、ずっと良い感じに変わったわよ。本当のことを知らなかったら、あなたのこと、本物の女の子だと言うと思うわ」

僕は振り返って、化粧台の鏡を覗こうとした。だが、真っ暗で何も見えない。彼女に手で目をふさがれたからである。トレーシーは笑いながら立ち上がり、僕を着替え室の方へ連れて行った。目を閉じたままにするように言われた。そして、そのまま、鏡の前へと僕を連れて行く。

目を開けても良いと言われ、目を開けたが、そこに見たものにショックを受けた。前日の夜、僕は部屋にあったメイドの服は、女の子が着たらセクシーに見えるだろうなと思ったのだが、その女の子が僕になるとは思ってもいなかった。鏡の中、僕の前に立っているメイドは、驚くほどセクシーで、メイキャップも一級クラスだった。僕の髪の毛までも、本当に女の子のようになっていた。自分の姿に僕は完全に見入っていた。自分の姿なのに、自分だとはとても思えない。

トレーシーはまだサテンのローブを羽織っていた。その下には何も着ていないのは僕も知っていた。その彼女が僕の後ろから両腕を伸ばし、僕の腰に抱きついてきた。僕の頬に軽くキスをする。

「で? どんな感じ?」

僕は鏡から目を離さず、見入ったままだった。

「僕がとても綺麗に見える」

トレーシーはくすくす笑った。

「ええ、そうよ。本当に綺麗。あなた、男の子でいるより、女の子の方が素敵に見えるようになるわよ。男の子の雑用ボーイでいるより、メイドの方がずっと素敵に見えるようになる。そうそう、メイドのことで言えば、そろそろ夕食の時間だわね。あなたは分からないけど、私はもうお腹がすいてきたわ」

僕もお腹がすいていた。そこで夕食の準備をするためキッチンに行った。

ヒールを履いて歩くのは、最初は難しかったが、しばらく経つとそれにも慣れてきていた。むしろ長い爪で作業する方が難しかった。爪は壊してしまいたくなかったから、慎重にならなくてはならなかった。だが、それもまた、次第に慣れてきたし、ありがたいことに、マリアがすべて僕に代わって準備してくれていたので、僕はあまり作業をせずに済んだのだった。僕がした作業の大半は、食事を電子レンジにセットし、温まるのを待つだけだった。待っている間、トレーシーのためにテーブルをセットした。

ディナーが温まった後、僕はトレーシーに準備ができたことを告げに彼女の寝室に向かった。彼女は寝室で着替えをしていた。彼女の姿を見つけ、僕は両手を前に揃えて組み、そして伝えた。

「ミス・トレーシー。お食事の準備が整いました。お食事はダイニングでなさりますか、それとも、こちらで?」

トレーシーは笑みを見せて僕を見た。

「ダイニングでいただくことにするわ。あなたも一緒に。自分の食器は自分で準備して並べなさい」

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