アンドリューを呼び出すと、嫌そうに仕事をやめ、リビングルームに来て私たちに加わった。私は、彼が入ってくるとき、密かにダニーの様子を見ていた。彼女が、明らかに7歳か8歳は若いアンドリューを見た瞬間、目を大きく見開くのが見えた。アンドリューは背が高く、痩せ形である。その深く濃い瞳は、人を見通すような力を持っている。彼を見た女性は、必ず、もう一度ふり返って彼を見る。彼はそれほど美しい。
ドニーが、アンドリューとダニーを互いに紹介した。握手の時、アンドリューはダニーの手に恐る恐る手を伸ばした。まるで毒に触れようとしているみたいに。でも、ダニーは喜んで彼の手を握った。そして、その瞬間、アンドリューの目が輝くのが見えた。何か安堵したような表情。
私には分かった! アンドリューは自分の反応を恐れていたのだ。この人のことは、私とドニーにはすっかり透明になっているように良く分かる。彼は、ダニーに触れた時に自分がどう反応するかを恐れていたのだが、まったく反応しなかったということなのだ。そして彼は安心した。私も安心していた。彼は私たちだけのものと分かったから。彼の心の中、アンドリューは私たちのものなのだ。その他のことはすべて、ただの家事にすぎないのだ。
アンドリューの話しというわけで、とうとう、こんな忌々しい事態になってしまった。これから抜け出す方法は、一つしかない。
妻たちは、ご親切にも、僕の喉にシャンパンを無理やり押し込むという方法で、車輪に油をちょっとだけ注いでくれた。確かに、これは僕をリラックスさせる確実な方法だ。だが、これから、僕は雇われジゴロのような役をしなければならないのである。そんなことしたいと思っていないのに。あまり。
このダニーという女性は、ルックスが悪いわけではない。ディ・ディやドニーの身内だけあって、似ているところはある。そのおかげで、多少は楽になるだろう。
それにしても、ダニーと握手した時はほっとした。何も起こらなかった。ふたりの指先に火花が飛び散ることも、彼女の目がキラリと光ることもなかった。ダニーは、ただの可愛い女性にすぎない。可愛いが、ジョアン・ウッドワード的なところはあまりない。
かなり気まずい雰囲気だった。みんなで座ってシャンパンを飲んでいる。僕の愛する妻たちと僕と、そして数分すれば僕がしゃにむに犯さなくてはならないこの女性の4人。売春宿にいる娼婦がどんな気持ちになるか、僕にも分かる気がした。
ディ・ディとドニーの反応の方は興味深かった。ディ・ディの方は、ただ心配しているだけのようだった。すべてがうまく収まり、この体験がダニーと僕にとって快適なものであって欲しいと、それだけを気にしている。一方、ドニーの方は、実際、乗り気になっているように見えた。多分、こういう状況そのものが彼女を性的に興奮させていたのではないかと思う。ドニーはヌルヌルの二発目(
参考)を期待しているのだろうか?
我が家には来客用の寝室がある。これは、僕の母親に遊びに来るよう説得できたときに限られるが、母親が泊まるときに使う寝室である。使うにしても、年に1回くらいだ。ディ・ディとドニーの両親は1時間半くらいで行けるところに住んでいるので、泊まっていくことはない。
この部屋は、「アンドリューにヤッテもらう」公式部屋になるのだろう。ワインを飲み干した後、もう数分おしゃべりをして、互いにもう少し知り合った。そして、とうとう、もはやこれ以上先送りする口実が尽きてしまう時が来た。それに加えて、僕は、理性に反して、確かに少しエッチな気持ちになってきていたのだった。
状況に居心地悪さを感じているからといって、さらにベッド内でのパートナーとして心から僕の妻たちしか望んでいないからといって、僕の身体が、これから起こる出来事に対して反応できないということにはならない。僕の頭は別として、僕の身体の方は、これからヤルことになるという予定をちゃんと知っているのである。もう少し経てば、僕の身体は、これからヤレルぞと思い始めるだろう。僕の性生活は頻度の点でかなり回数が多い。そうの頻繁のおかげで、僕のペニスは自明のことに反応するようしっかり訓練されてきていたのだろう。
昨日の夜、ディ・ディとドニーは僕にこう言った。ダニーには「そそくさと済ませて、後は、ありがとう」的なセックスはして欲しくないと。ちゃんと適切に気を使って、してあげて欲しいと。ああ、いいよ。僕は妻たちの要求には必ず応じようと努めているんだ。僕は、たぶん、地球上でもっとも尻に敷かれた男なのかもしれない。