ダニーの話し私はとても恥ずかしかった。ドニーとディアドラから子供が生まれたと知らせを受けた時、ふたりとも同じ男性の子を産んだのだと思った。ディアドラはアドキンズという苗字に変わっていたが、ドニーはマーティンのままだった。他にどう考えればつじつまが合うだろう?
アーティと私の間には子供ができない。ふたりともあらゆることを試した。精子提供者までも試してみた。原因は彼ではなく、私だった。私も他の双子たちと同じなのだ。妊娠するのが非常に難しい体質をしているらしい。医者は、私もアーティもどちらにも問題を見つけられなかった。医者はリラックスしてみればと言うだけだった。
リラックスするというのは、私にとっていちばん難しいことだ。私は従姉妹に手紙を書き、率直に、彼女たちのご主人を私に貸してと頼んだ。彼に違いない。彼は同時に双子を妊娠させることができる特別な何かを持っているに違いない。そういうことが起きたなんて、初めて聞いたことだった。
というわけで、私は従姉妹たちの家のリビング・ルームに座っていた。従姉妹たちがプランテーションに住んでいたとは! 古いけど、とても素敵。ふたりはこの家がまともに住めるようになるまで3年かかったと言った。
ふたりとも、ご主人のアンドリューに私を妊娠させる試みをさせるつもりでいる。アーティはとても良い理解者だった。私は、原因が私であって彼にあるのではない、それが真実だと伝えた。アーティは機構のことを知っている。双子たちのことも。私たち夫婦は、私の姉のドリーの家の隣に住んでいる。私もドリーも離れることができないのだ。アーティは、ドリーが妊娠するまで大変な時間がかかったことを知っている。でも、私の場合はそれが無理じゃないかと、そんな気がしてきていたのだった。
というわけで私はここにいて、私の子供たちの父親になるかもしれない男性と会おうとしている。これが私とアーティにとってどんなに屈辱的なことであっても、どうしても、このチャンスをつかみたかった。
ドニーがアンドリューを呼びに行った。私はドキドキしていた。怖かった。会ったこともない男性とベッドを共にしようとしている。自分がある種の売春婦になったような気がする。
そして、彼が部屋に入ってきた。まあ、ハンサムな人じゃない? 背が高く、すらりとして、ゴージャスな人! アーティはアンドリューにこれからも会わない方が良いと思った。アンドリューを見るまでは、会っても、私には反応―つまり性的な反応だけど―それができないのではないかと心配していた。でもそれは間違いだった。こんなセクシーな人を見たことがない。とても若いし! 彼は何歳なんだろう? ドニーとディアドラは、どうやって、こんな良い男を陥落させたの?
互いに紹介されるまでは、彼は緊張していたように見えた。でも、その後、彼はにっこり笑った。脚から力が抜けそうになるのを感じた。彼の眼はとても深くて綺麗。彼の手はとても温かくて、力強い。あそこが湿ってきてるのを感じた。彼と握手しただけなのに。
この最初の回で成功しなかったら、成功するまで繰り返したいと思った。そういうふうにアーティに言おう。私は気が変になってきてるに違いない。
アンドリューはふたりの奥さんたちにキスをし、その後、私の腕を取って、寝室へ案内した。ドアを閉じ、私が感じてると彼が思っている不安感を紛らわそうとしてくれた。