「僕、ちょっとトイレに行きたくなった」 階段を上がりかけたところで、俺はトリスタに言った。
夕食が出来上がりそうなのだろう。匂いがしていたし、トリスタの母親がキッチンでせっせと準備している音も聞こえた。
「私も」 とトリスタも俺を振り向きながら小声で言った。
二人でキッチンを通り抜け、テーブルの席に着いた。トリスタの母親はすでに料理の大半をテーブルに並べていた。どれもこれも美味しそうだった。
「ちょっとおトイレを借ります」 と俺はいったん席を外した。
テーブルを回る形で歩いていこうとすると、トリスタの父親が俺とすれ違う形で横を通り過ぎ、席に座った。俺はトイレに入るとすぐにズボンを降ろして、注意深く下着を降ろした。
トイレットペーパーを取り、下着についた汚れを拭い始めた。全部拭いきり、トイレに捨てた後、小便をした。その後ズボンを履き、服装を正し、トイレを流して、手を洗う。
またキッチンを通り、あの頑固オヤジの横を通って戻った。するとトリスタも立ちあがって、廊下の先のトイレに向かった。
「ちょっと着替えてから、トイレに行くわね。すぐに戻るから」 と彼女は自分の部屋へ向きを変えた。
「あ、そうだ。ジャスティン? ワインセラーに急いで戻って、あのワインを持ってきて。テーブルに置きっぱなしで忘れてきちゃったの」
「ああ、いいよ」 と俺は立ち上がった。
「それと、お前の間抜けな手で棚のワインには絶対触らないようにな」 と、俺が階段の方へ向かうと、トリスタの父親が怒鳴るような口調で言った。
ワインセラーへの行き方は分かっていたので、照明はつけなかった、階段を下り、地下室を横切り、奥の廊下へ通じるドアへと向かった。ドアの近くに来た時、俺はちょっと立ち止まった。何か変な声が聞こえたからだ。心臓をドキドキさせながら、ドアをちょっとだけ開け、その隙間から奥を覗いた。
「このドアは、確か、トリスタがちゃんと閉めたはずなんだが…」 そう独り言を言いながら、少しじっとして、聞き耳を立てた。
また、何か、か弱い泣き声のような声が聞こえた。女の声のように聞こえる。俺は静かにドアの方へ近づいた。また泣き声がした。
「こっちから聞こえる…」 と小さな声で独り言をいいながら、その古い木製のドアを引き、自分の体をすり抜けられる程度に開いた。
また泣き声が聞こえ、俺はびくっとなって凍りついた。ワインセラーの方から聞こえてくるみたいだった。そのドアを見ると、少し隙間があいている。あの湿った薄暗いセラーの中、ろうそくの光がちらちら揺らめいているのが見えた。
ドアの隙間に静かに近づいていったが、心臓がドカドカなってしかたがなかった。また、部屋の中から声が聞こえ、凍りつく。
ドアのそばまで来て位置につき、中を覗いた。薄暗い明かりに目が慣れてくる。そして俺はほとんど息がつまりそうになった。
と、同時にペニスが瞬時に勃起した。トリスタの母親が、テーブルの上に座っていたのだ。顔は向こうを向いている。スカートを腰のあたりまでめくりあげ、両脚をテーブルの上に乗せていた。テーブルの上、膝を曲げ、後ろに伸ばした片腕で上半身を支えながら座ってる。もう一方の手はスカートの中、自分で自分を慰めていたのだった。
自分の目を疑った。トリスタの母親は頭を後ろに傾け、喘いでいる。あの腕の動きから、指で股間をいじってるのは明らかだった。