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無垢の人質 第10章 (1) 

「無垢の人質」 第10章 Innocent Pawn Ch. 10 by wishfulthinking
http://www.literotica.com/s/innocent-pawn-ch-10

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これまでのあらすじ
イサベラはレオン・ドゥ・アンジェに拉致され、強引に身体を奪われる。彼は父殺しであるイサベラの父への復讐として、彼女に自分の子を孕ませるため拉致したのだ。だが、やがて二人に愛が芽生え、イサベラは妊娠する。そんなある日二人は襲われ、イサベラは父の城へと連れ戻される。そこにはレオンに追放されたマリイもいた。レオンはイサベラのところに忍び込み二人は愛し合うが、そこにイサベラの父が現れ、イサベラは咄嗟の勢いで父を殺す。レオンとイサベラはレオンの居城に戻った。レオンはイサベラが妊娠していたことを知っていたが、イサベラがマリイに鞭打ちされていたことを初めて知り驚く。イサベラとレオンはぎこちない関係になるも、ある夜イサベラ自らがレオンを拘束し彼の身体を奪い、二人は新鮮な興奮に喜ぶのだった。しかし、突然、イサベラは何者かに襲われる…
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視界に黒い点が踊るなか、イサベラは恐怖にひきつりつつ父親の顔を見た。父親は、巨体でもって彼女の体を冷たい石壁に押しつけ、手で彼女の頬を挟みつけていた。その指がイサベラの頬に痛いほど食い込んでいる。それと同時に何か鋭いものを彼女の喉元に押し付けていた。

「お前はわしを殺そうとしたな」 イサベラの父親であるアラン・ダルサスは薄情そうな唇を歪め、血も凍る笑みを浮かべた。

イサベラは両脚から力が抜けて行くのを感じた。唇を開きレオンの名を叫ぼうとしたが、声が出ない。

アランは顔を近づけた。生温かい呼気がイサベラの顔に当たり、そして、その次に彼の唇が彼女の唇に重なる。

イサベラは、小さく喘ぎ声をあげ、顔を背けようとしたが、父親の指は、まるで懲らしめを楽しんでるかのように彼女の顔を抑えつけたままだった。

耐えきれなくなり目を固く閉じる。その間も父親の口は、生温かく彼女の口の周辺を這いまわり、甘噛みしたりの悪戯を繰り返し、舌を伸ばして侵入しようと試みる。

イサベラは両手を父親の胸板にあてて、押しのけようとした。だが、アランは、そんな彼女の鼻を指でつまんだ。必死に耐えつつも、やがて呼吸ができなくなり、とうとう唇を開いてしまう。

父親の舌が蛇のように彼女の口に侵入した。イサベラは息ができなかった。考えることもできない。口の中を貪欲にむさぼられ、頭の中が朦朧としてくる。父親の唇は、荒々しい息を吹きかけながら強引に彼女の唇を這いまわり、ごつごつした身体が彼女の柔らかな身体に押しつけられる。

イサベラは、鋭い剣先が首元から胸へと降りて行くのを感じ、身震いした。薄絹のシュミーズだけに覆われた胸と谷間。短剣は、そこをすーっと降りて行き、突然、シュミーズの紐を切り裂いた。イサベラは小さな悲鳴を上げたが、それも父親の口で塞がれた。シュミーズが滑り落ち、胸がはだけるのを彼女は感じた。

短剣の鋭い剣先が硬くなった乳首に当てられる。父親の手首を握るイサベラの手の指に力が入った。乳首への痛みはますます鋭さを増す。イサベラはその後に起きることになる、より悪い事態を予想した。涙が一筋、彼女の頬を伝った。そして、彼女は歯を食いしばり、その後、口の中、血の味がするのを感じた。イサベラの父親は憤慨して急に身を離し、口に手を当てた。

「わしに噛みつくとは!」 父親は怒りにまかせてこぶしを彼女のこめかみに当てた。すべてが真っ暗になっていく。イサベラの意識はそこで途切れた。

~*~

レオンは、小部屋の扉がカチャと音を鳴らすのを聞き、眠りの淵から引き戻され、寝返りを打った。こんな早い時間に部屋に入ろうとするとは、いったい誰だろうか。召使が入ってきて、偶然、彼が裸で寝ているところを見られようが、それはほとんど心配に値しない。ずいぶん前から、レオンの男性の召使は、彼の衣類を用意し、朝の入浴に備えてお湯を用意することに慣れていた。だが、イサベラが来てから、そのような仕事の流れが変わってしまった。彼女が来て1週間のうちに、召使たちは彼女の可憐さ、優しさに魅了され、彼女を敬愛し始め、今や、イサベラ様を当惑させてしまうことを恐れ、誰もレオンの個室内のプライバシーに立ち入らぬようにしようと、召使たちの間で暗黙の了解ができているようだった。


[2012/03/19] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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