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日系美肉スチュワーデス 2 (2) 


おしゃべりを通して、クリスは、シェリーが今は野心家で派手なスポーツ・エージェントの個人アシスタントとして働いていることを知った。彼女は、あるクライアントと会い、契約更新を済ませて戻ってきたところらしい。

シェリーは結婚後、新居に引っ越ししたそうで、いろいろあった後、新居の隣に住む夫婦にパーティの席上でスポーツ・エージェントを紹介してもらい、そのパーティがあった夜にアシスタントとして雇われたそうだ。

クリスはシェリーが、職業の面と個人生活の面の両面でとても幸せそうにしてるのを聞き、うらやましく思った。

クリスとシェリーは、大学時代、とても仲の良い親友で、4年生の時にはふたりでルーム・シェアをしたほどだった。ふたりとも、どんなことを話し合っても固く秘密は守ってもらえると信頼し合っていたし、ふたりとも、自分たちの関係は本当の姉妹の関係のようなものだと思っていた。

ふたり、懐かしさを感じながら、食事をしたり飲み物を飲んだりしていたが、シェリーはクリスが何か秘密を抱えているのではないかと、そんな気がしていた。何か秘密があって、それを誰かに打ち明けたいと思っているのではないかと。

シェリーはクリスの手に手を伸ばし、訊いた。「クリス……? うまくいってるの? 何か話したいことがあるんじゃないの?」

クリスは鼻を啜り、目に涙を溢れさせ始めた。それを見て、思ったとおりねと感じたシェリーは、向かい合っていた席から、クリスの隣へと移動し、彼女の肩を抱き寄せて、慰めた。

「クリス、私に話して、全部…」

シェリーはクリスが堰を切ったようにセント・クリス島での忌まわしい出来事を話すのを聞いた。そこのホテルの支配人に薬物を盛られ、レイプされたこと。でも、最後には自分もそれを喜んでいたこと。さらには帰りのフライトでも大変なことをしてしまったこと。クリスは、心の奥にしまっていた感情を包み隠さず打ち明けた。あの時の光景をぬぐい去ることができないこと。そして、いま一番、切望していることがどんなことなのかも。

シェリーは、クリスの夫が出張で家を空けており、明日まで帰ってこない予定であることを聞いていた。そこで彼女は、クリスに自分の家に来て、一晩泊っていくよう強く勧めた。彼女の夫のジェフも歯学学会で出張中であったからである。

啜り泣く親友に腕を回し、慰めながら、シェリーは語った。

「クリス? クリスの気持ち、私にはよく分かる。でも、くよくよしないで! 私、あなたの問題を解決するのにうってつけの人たちを知ってるから。ちょっと電話をかけさせてくれる?」

シェリーはそう言ってハンドバッグから携帯電話を取り出し、隣の家の番号を押した。

「ハイ! レイチェル? シェリーよ! ええ、いまは空港にいるの。これから帰るところ。あのね? いま、学生時代の友だちといるんだけど、彼女、ちょっと問題を抱えているの。今夜、私の家にご主人と一緒に来れないかしら? 一緒に飲みましょう? ええ、そうなのよ。レックスしか助けられないようなこと!」

クリスは話しを聞きながら、当惑していた。

「あなたの隣に住んでる人がどうして助けになるの? その人たち、心理療法とか夫婦カウンセリングとかの人なの?」

シェリーは、大丈夫よと言わんばかりにクリスの手をトントンと叩き、言った。

「ええ、まあ、そんなものかな? ともかく、クリスが直面しているタイプの問題を専門としてる人たちと言ってもいいかもしれないわ」

クリスはシェリーの新居を訪れたことがなかった。なので、クリスの車は航空関係者専用の駐車場に置きっぱなしにし、シェリーの車で一緒に帰ることにした。

クリスは帰りのフライトでシェリーに出会ったことに感謝していた。それに彼女の問題にシェリーがとても理解を示してくれたこともありがたかった。

車の中、クリスは無防備にしゃべり続けた。

「あなたのお隣さんたちには、本当に私の問題の助けになってくれたらと願ってるわ。あの忌まわしい旅行の後、ずっと気が変になりそうだったの。街のいかがわしい地域に行って、知らないバーに入って、男に引っかけてもらおうかって、何度そんな誘惑に駆られたことか。ああ、もうイヤ。あんな邪悪な思い、振り払いたいのに!」

30分後、クリスは広々とした邸宅の中を見まわしながら、シェリーが見事に家を整えていることに感心していた。

「うわー、とっても素敵な家ね! そういえば、あなた、装飾に関しては、ずっと前から才能があったもの、シェリー!」

ちょうどその時、玄関のベルが鳴り、シェリーが応対に向かった。そしてクリスは、シェリーの言う声を聞いた。

「ハーイ、レイチェル! レックスはどこ?」

そして女性の声が返事するのを聞いた。

「彼はすぐに来るわ。ビジネス関係のことで電話をしなくちゃいけないらしいの」


[2012/03/27] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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