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誰とやったか知ってるぜ 第7章 (21) 


次の通りを走りながら、ケイトは今夜、どんなことをしようとしているのだろうと思った。他のメイン・イベントを見たことがないのに、今夜、俺はケイトと中央ステージに上がろうとしてるのだ。

次の角を曲がり、シーサイド・ダイナーの裏手に通じる道路を進んだ。いたるところに車が止まっていて、駐車スペースを探すのに苦労した。ようやく通りのはずれにスペースを見つけ、そこに車を止めた。車の中、数分、じっと座ったままでいたが、ようやく気持ちを固め、ドアを開けて、車から出た。

クラブの入口へと歩きながら、財布を取り出し、中からキー・カードを出した。ドアのスロットにカードを通すと、お馴染みのブザー音がして、ドアのロックが外れた。その奥へのドアへと進む。テッドが座ってるところだ。

「やあ、テッド」 と声を掛け、カードを渡した。

テッドはカードを見もせず、俺に戻した。そして、廊下の左右を見回し、誰もいないことを確認した後、俺に顔を戻した。

「ケイトがオフィスに来てほしいと言っている。あっちのドアを行くとオフィスだ」 と彼は指差した。

俺は言われたとおり、ケイトのオフィスへと進んだ。黒い木製のドアへと近づくにつれ、心臓がドキドキしてくるのを感じた。

ドアノブに手を掛けたが、ロックされていて開かない。ドアの小窓を軽くノックした。すると少し経って、前と同じブザーの音が鳴り、ロックが外れた。

中に入ったが、オフィスは、ほとんど真っ暗に近かった。ケイトがデスクに座っているのが見えた。書棚の上に小さなランプがあって、灯りはそれだけだった。

俺はケイトのデスクに近寄り、デスク前の椅子に腰かけた。ケイトは、その俺の様子をじっと見ているだけだった。俺の頭からつま先まで調べるようにして見ていた。それから、タバコに手を伸ばし、一服吸っただけで灰皿に揉み消した。

ケイトはデスクに座ったままなので、見える部分は上半身だけだった。脚はデスクの陰だし、髪をアップにしていて、色気はなかった。ただ、彼女が着てるシャツは目を惹いた。カットオフのTシャツで、胸のところしか隠れていないスタイルだったから。正面に座ってる俺の位置からでも、ブラをつけていない乳房のふもと辺りが見えていた。

「ようこそ、ジャスティン」 と、ケイトは俺の目を見つめたまま小さな声で言った。

「こんばんは」 と俺も彼女の目を見ながら小さな声で言ったが、どうも視線が巨乳の方に引っぱられてしまう。

「あなたに来てもらうようテッドに言ったのは、あなたに話したいことがあったからなの。私とあなたの人生を大きく変えるようなことよ」 と、ケイトはかすかに笑みを漏らしながら言った。

「どういうこと?」 俺は少し問いたげな顔になった。

「椅子を後ろに回して、見てくれる?」 とケイトはデスクの引き出しを開け、中から何かを取りだした。

回転椅子だったので、言われたとおりに後ろ向きになると、突然、目の前のテレビに電源が入った。普通のテレビではなく、巨大スクリーンのテレビだった。60インチはありそうだ。それに映し出されたものに、俺はあっと驚いた。

俺自身の姿が映し出されていた。ケイトが俺のテストをした時のビデオだった。ステージ上、俺は椅子に縛り付けられているところだ。自分の姿を見ながら、俺は興奮してくるのを感じた。

「こ、これ、録画していたのか?」 と画面を見ながら彼女に訊いた。

「ステージで行われることは全部録画しているのよ」 ケイトはそう言った。彼女が椅子から立ちあがる音が聞こえた。

「ステージをあらゆる方向から撮れるよう、カメラが9台設置してあるの」 ケイトは俺の方に歩いてくる。床を叩くハイヒールの音で分かる。

「それにステージの床にはマイクが隠されていて、どんな音でも拾えるわ。よがり声から荒い息遣いまで」 とケイトが俺の視界の中に現れた。

一時、視線をテレビの画面から、俺の隣に立つケイトに向けた。相変わらず。そそられる姿をしている。今夜の彼女は、短すぎると言えそうなカットオフ・ジーンズ(参考)を履いていた。お尻を見ると、左右の尻頬がすっかり露出している。早速、ズボンの中、俺の息子が息を吹き返していた。その尻頬から、美味しそうな脚線美に沿って視線を降ろし、足元で視線を止める。つま先部分が開いているセクシーなハイヒールにちょこんと乗った可愛い足に目を奪われる。

「気に入った?」 とケイトは訊き、さっと片脚を振り上げて、俺の膝にまたがり、俺と対面するようにして腰を降ろした。両腕を俺の首に巻きつけてくる。

「ああ、ジャスティン! 私たち金持ちになれるわよ」 と顔を寄せ、熱を込めてキスをしてきた。

俺も負けずにキスを返しながら、訊いた。「どうやって?」


[2012/04/04] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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