クリスはだるそうに起き上がり、ベッドの横に座った。床を見ると、スチュワーデスの青いユニフォームが脱ぎ散らかっていた。手を伸ばしてレース地の白いパンティを拾い、片脚ずつ入れ、立ち上がって腰まで引き上げた。
履いたとたん、股間の部分がじっとりと濡れてくるのを感じた。私、まだ、あそこから漏らしているの…?
クリスはユニフォームを着るのをやめ、ふらふらとクローゼットへ歩き、そこに掛っていた青いローブを羽織った。そして、寝室を出、ゆっくりと階段を降り、シェリーとレイチェルが待つキッチンへと向かった。
ローブの前をきっちりと閉じながら、クリスは恥ずかしそうにキッチンに入った。シェリーたちはテーブルに座ってコーヒーを飲んでいた。
「あなたのコーヒーも入れてあるわよ、クリス!」 とシェリーが声をかけた。
クリスは椅子を引き、おどおどとした様子でレイチェルを見た。自分はここにいる女性のご主人と、一晩中セックスしまくり、よがり狂った。そのことが恥ずかしく、彼女を正視できない。
レイチェルがニコニコ笑っているのを見て、顔を赤くし、もじもじしていたクリスだったが、レイチェルに声を掛けられ気が休まるのを感じた。
「うちの人、ケダモノだけど、あなたを傷つけたりはしなかったでしょ?」
クリスは、首を振って、大丈夫と答えることしかできなかった。
そのすぐ後に、重々しい足音がキッチンに近づいてくるのが聞こえた。「やあ、みんな、おはよう!」 とのレックスの声に、クリスはまたも顔が赤くなるのを感じ、うつむいた。
顔を上げると、レックスが身体を傾け、レイチェルにねっとりと熱のこもったキスをしているところだった。
キスが終わりそうになったのを見て、クリスは顔を背けた。だが、いきなりレックスの顔が近づいてきて、唇を重ねられ、ハッと驚いた。
両手を突き出してレックスを押し返そうとした。だが、すぐに防御をしようにも、自分があまりにも無力であるのに気づくのだった。
私はいったいどうなってしまったの? あれだけ身を焦がして求めていた本物のセックス。それをしてくれた男とキスをしている私。この人の奥さまがテーブルの向かい側に座っているというのに。
だが、クリスは抵抗できなかった。執拗に彼女の口に入ろうと押し続ける舌に負け、うっすらと唇を開いて、受け入れていた。そしてすぐにキスに夢中になってしまう。
知らぬ間にローブの前が開いていて、露わになった乳房を大きな手で揉まれていた。さらには、夜じゅう手荒に愛撫され痛いほど敏感になっている乳首をつままれ、こねまわされてる。クリスはキスをされながらも、間断的にぶるっぶるっと身体を震わせた。
やがてキスが終わり、クリスはハアハアと息を荒げながら、ただ茫然と座っていた。ローブの前はすっかりはだけ、みんなに丸見えになっていた。そのクリスが見ている前で、レックスは今度はシェリーのところに行き、ディープ・キスをしていた。
茫然としたままのクリスの耳に、レックスの野太い声が聞こえた。
「おお、急がなくちゃ! あの取引の決着をつけねば! ともかく、お前たちは女同士でいろいろ話したいことがあるんだろう。シャツを着てこなかったから、俺は裏口から出て、家に戻るぞ! 近所の連中に噂されたらたまらないからな!」
そう言ってレックスは出て行った。
クリスはハッと我に返ったように、素早くローブの前を閉じた。ついさっき、シェリーとレイチェルの前であんなことをした自分がとても恥ずかしい。
そんなクリスの背中をシェリーは軽く叩き、そして撫でた。
「恥ずかしがらなくていいのよ、クリス! レックスは本物の男なの。本物の男は、女をあんなふうにさせてしまうものなのよ!」
そしてシェリーはクリスに自分のことを話し始めた。
自分がこの虜にされてしまったこと、今は大きな黒肉を脚の間に入れてもらうことを喜んでいること…。シェリーは自分の身に起きたことを事細かくクリスに説明した。最初は自尊心を守ろうと戦ったけど、最後には、快楽にすっかり心を奪われるまでになったことを。
それに続いてシェリーは、クリスのためにある方法を考えていると話した。クリスが、夫に少しも疑念を抱かせずに、求める満足感を味わえる方法である。クリスは興味深げにその話を聞いた。
シェリーによると、当地に来るクライアントの数があまりに多くて、彼女はその人たちの「おもてなし」が大変でオーバーワーク気味になっているらしい。ましてや、そういう契約の関係で全国を飛び回るなど無理になっていると。でも、クリスはスチュワーデスとして全国を飛び回っているので、クリスに彼女のフライト先にいるクライアントをあてがうことができないかと、そういう提案だった。