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ジャッキー 第11章 (9) 


自分がどこにいるか分からなかった。いつもアンジーと共にしてる寝室ではない。寝返ってクローゼットの方を見ると、そこに私の赤いメイド服が掛っていた。それを見て、自分のいる部屋を理解し、そして、どうして自分がここにいるのか思い出した。

それと同時に、両手にはもはや手錠がはめられていないのに気がついた。掛布を剥ぐと、足からハイヒールも脱がされているのに気づいた。ただ、コルセットとストッキング、そしてパンティは昨日のままだった。

急にトイレに行きたくなり、起き上がった。身体じゅうの関節が、動くのを嫌がっているように感じた。床に足をつけたが、その足すらギシギシと痛みがあった。

バスルームに入ると、洗面台のところに清潔なナイトガウンと、それにマッチしたパンティがあった。すぐに、私が目覚める前にアンジーが部屋に来て、すべて揃えていたのだろうと気づいた。

おしっこをした。そうすれば、この勃起が収まるだろうと期待していた。あまりに長い間、勃起を続けていたので、かなり苦痛を感じていたのだった。だけど、残念ながら、膀胱を空にしても勃起は収まらなかった。

シャワーを浴びた。シャワーを浴びながら、一瞬だけ、自分で勃起を処理しようかと思った。だけど、アンジーなら私の興奮状態を喜んで和らげてくれるはずと思い、考え直した。彼女はこれまで一度もそれを拒んだことがなかったから。いや、少なくとも昨日までは、そうだったから。私は、メイド仕事は昨日だけのことであってほしいと期待していた。

パンティを履き、ナイトガウンを羽織り、髪の毛を整え、軽く化粧をした。それから階下に降り、廊下を進み、アンジーがいるはずの寝室に行った。寝室の中に入った私は、中の光景に驚いた。

アンジーは窓の厚地のカーテンを閉めたままにしていた。そのカーテンに加えて、部屋を暗くする日よけのおかげで、部屋に差し込もうとする日差しがほとんどすべて遮られていた。だからと言って、寝室が真っ暗だったと言うわけではない。ベッドを取り囲むようにして、少なくとも30本はあるろうそくが灯っていて、ベッドを何か宗教的な神殿のように見せていた。ベッドは赤いサテンの柔らかな布できれいに整えられ、その表面にはバラの花びらが散らされていた。

入り口に立ったまま、部屋のロマンティックな美しさに見蕩れていたら、アンジーの両腕が私の腰に巻きついてくるのを感じた。彼女の乳房を感じた。彼女のいつも固くなったままの左右の乳首が背中に押しつけられている。それに耳たぶが優しく唇で挟まれるのも感じた。

「私のこと、怒ってる?」

私は彼女の方を向き、両腕を彼女の腰に巻きつけた。「どうして怒ってるなんて思うの?」

アンジーはくすくす笑った。「私が自分の快楽だけのために、あなたを性的に虐待したから。あなたを虫けらのように扱って、手錠で夜じゅうベッドに拘束したから」

昨日の夜の時点なら、確かに怒っていたかもしれないけど、今は彼女に優しく抱かれ、ほんの少しも腹を立てていなかった。

「いや、ぜんぜん怒っていないし、気分を害してもいない。昨日は僕はあなたのメイドになったのだし、あなたはそういうふうに僕を扱っただけ。あなたが昨日一日楽しんだなら、僕はそれほど嬉しいことはないから」

アンジーは気持ちを込めて私にキスをし、そして言った。

「あなたは素敵な、本当に素敵な人だわ。私、ちょっと度を過ぎてしまったから、あなたが怒っているのじゃないかと気になって。どれだけ心配したか伝えきれないほど。あなたが、もうたくさんだと言うのをずっと待っていたの。でもあなたは決して言わなかった。それが、かえって私の淫らな気持ちに油を注いで、私はどんどん要求を増やしていったのだと思うの」

「ということは、全部、僕のせいだと?」

アンジーは顔を真っ赤にさせた。

「違うわ。もちろんあなたのせいじゃない。私がもっと自分をコントロールすべきだったのよ。でも、あのメイド服を着てるあなたを見てると、どうしても興奮しちゃって。あのミニスカートを履いて、ストッキングの付け根をチラチラ見せて歩くあなたを見てると、あそこがじっとりと濡れてしまうの」

二人はまたキスをした。二分ほどキスをした後、アンジーが訊いた。

「ランチを作ってほしい? それとも、あなたのもう一つの問題のお世話をしてほしい? この10分ほど、私のお腹をつついている、こっちの方のことだけど?」

ナイトスタンドのところにある時計に目をやると、すでに午後2時を過ぎているのに気がついた。昨日は一日中、つまみ食い程度しかしていなかったので、ものすごくお腹がすいていた。だけど、もう一方の欲求の方が食欲よりもはるかに上回っていた。

「ランチは後回しにできるような気がする。ランチの代わりにディナーだけとしてもいいかも」

そう言うと、アンジーはくすくすと笑い、私をベッドに引っぱった。



[2012/05/17] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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