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ライジング・サン&モーニング・カーム 第5章 (3) 

「いや。でも、君がそうしたいと思うかもしれないと不安なんだ。君をここに留めてしまったことで私を怨むかもしれないと…」

ノボルはそう言ってアンジェラをきつく抱きしめた。

アンジェラはノボルに抱かれながら、うっとりと微笑み、<この人の腕の中に引っ越してもいいくらいに思ってるのに…> と思った。

「ノブ? あなたはとても優しいし、私をとても素敵な気持ちにしてくれてるわ。それに加えて、ベッドの中では、何もかも吹っ飛んだ気持ちにさせてくれる。それなのに、私があなたと別れるなんて、あなたを嫌いになるなんて、どうして考えられるの?」

「君は私のことを何も分かっていないんだ」 と彼はアンジェラの髪の毛の中に口をあて、囁いた。

その声は何かをとても恐れているような声だった。アンジェラは、自分でも説明できなかったが、ノボルのことを可哀想に感じた。

「私があなたを嫌いになるようなことを、私に何かしたとでも?」

ノボルは彼女を抱く力をためらいがちに緩めた。鈍い痛みが胸に広がるのを感じた。いまから言おうとしていることで、彼女が離れてしまうかもしれないと心が痛んだ。

「君は私の眼がかなり変わっていることに気づいたよね」

「ええ、とても美しい眼だわ」 とアンジェラは彼の頬に手をあて、不思議そうに彼の眼を見た。ノボルは心が恐怖に動揺しているにもかかわらず、彼女のその仕草を見て、股間の分身がヒクヒク言い出すのを感じた。

「私の眼はいつもこの色をしていたわけではないんだ」

「本当? いまの眼の色と変わらなかったと思うけど…」

アンジェラは、人の眼の色をそのように変えるような病状を聞いたことがなかった。それでも、そのことを考えられる可能性から排除することはしなかった。

「いいわ、でも、それが、あなたが言おうとしていることとどんな関係があるの?」

「君は、私は、いま何歳だと思う?」

アンジェラは頭をちょっと傾け、ノブの顔を観察した。ノボルは、彼女のそのチャーミングな仕草に心配事が消えていくような安らぎを覚えた。

「年上に見積もって、30代後半?」

ノボルは深呼吸をしながら彼女の両手を握り、瞳を見つめた。

「来年、私は450歳になる」

「はあ?」

アンジェラはそれしか言えなかった。「そんなのありえないわ」


[2012/05/22] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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