クリスはビルのネクタイを解き、シャツのボタンを外していく。その間にビルはクリスの肩からドレスの肩紐を外した。するするとドレスが滑り落ち、彼女の黒ハイヒールの周りに輪となった。
一方、クリスの細い指は、ビルのシャツを脱がし終えると、すぐにベルトへと移り、バックルを外しにかかった。
その間に、ビルは、ぎこちない手つきではあったが、何とかクリスが身につけているブラジャーのホックを外し終え、肩からストラップを滑らせた。黒レースのブラジャーが床へ舞い落ちる。そしてビルは身体を曲げ、愛する妻の乳首を口に含んだ。すでに固くなっていた乳首ではあったが、舌でなぶるとさらに固さを増してくる。それと同時に、小さな喘ぎ声が聞こえてきた。
「ああぁぁぁ……、ああ、感じる。あなた!」
クリスは敏感な乳首を夫に吸われ、悩ましい声を上げた。もう一方の乳首にも同じく愛のこもった口づけをされ、クリスは、ああん! と喘ぎ、小刻みに身体を震わせた。
クリスは、ベルトのバックルを外した後、今度はズボンのボタンを外し、ズボンの隙間から細い手を差し込んだ。その手は愛する夫の分身を探し求め、そしてそれを見つける。ヒクヒクと脈動しているのを感じた。
ふたり抱き合ったまま、カニのように横歩きしながら寝室へ向かってじりじりと廊下を進んでいた。ビルは途中、靴を脱ぎ、ズボンを脱ぎ棄てようとしてちょっとつまづきそうになってしまった。すると突然、クリスは固い床にしゃがみ込み、四つん這いになった。それを見てビルは呆気にとられた。ビルとクリスは、これまで一度もベッド以外の場所で愛し合ったことがなかったからである。
「…こんな格好をするとは! なんて淫らな!」 ビルは思わずつぶやいた。
愛する妻が、小さな布切れのような黒いパンティと、黒ストッキング、そしてハイヒールだけの姿で、愛を求めて固い床の廊下で四つん這いになっているのだ。
ビルは自分の幸運を信じられなかった。愛する妻がいつにもましてセクシーに振舞っているばかりでなく、こんな刺激的な姿勢のまま、振り返り、さらに刺激的な言葉を吐くのを聞いたからである。
「この格好、気に入った? だったら、こっちに来て! そして私を激しく犯して! 本物の淫乱娼婦のように犯して! あなたの可愛いオンナになりたいの!」
ビルがこのような機会に慣れていないのは確かだった。だが、それでも、すぐに衣類を脱ぎ、ひざまずいて、クリスの後ろについた。ペニスはヒクヒクと脈動し、槍のように突き立っていた。
クリスの腰のところ、黒レースのパンティに手をかけ引き降ろした。ツルンとした桃尻が姿を現した。脱がしたパンティはクリスの両ひざの間、固い木製の床に落とした。
「娼婦のようにやられたいのか? ええ? なら、いいだろう。俺のオンナにしてやる。俺専用のエロ女にしてやる!」
ビルは、ロールプレイでの役割を飲みこんで、それになりきってセリフを吐いた。
これまでビルとクリスはこのような性的ロールプレイをしたことがなかった。だが、興奮をそそる行為であるのは確かだ。
「おい、淫乱! お前は俺専用のオンナだ。そうだな? お前は俺が言うことを何でもやるんだろ? そうだよな!」
ビルは、亀頭をクリスの濡れた割れ目に擦りつけながら、わざと乱暴な声を使って言った。
「ああ、そうなの………。私はあなた専用の娼婦なの。あなたがしてほしいこと、どんなことでもするわ!」
クリスはさらに煽りたてた。
…ビルはこのプレイに乗ってきているわ。…でも、たとえロールプレイをしているとはいっても、このプレイをどこまで許すべきなのかしら?……だけど余計な心配をするのはやめよう。気持ちの赴くままにしよう。ビルはこれをただのロールプレイとしか考えていない様子だし……。
「ああん…………。ヤッテ!………… あなた専用の淫乱女なの、思い切りヤッて!…………お願い……お願いだから………私にヤッテ! 何でもするから………。どんなことでも………。だから、早く入れてぇ!」