クリスはシェリーからアドバイスをもらっていた。着替えずに、スチュワーデスの制服のままで現れた方が良いというアドバイスだった。
「どんな男も、あなたみたいな美人スチュワーデスにヤレルなら、タマタマのひとつを取られたって構わないと言うはずよ! スチュワーデス姿のまま行くの、そうしたら、彼、すぐにあなたの虜になるはずだから。飼い犬のように、手に餌を持って出せば、喜んで食べるはず………それとも、喜んであなたのあそこを食べるはず。ウフフ……」
実際、バリー・ウィリアムズはホテルの部屋のドアを開け、目の前に美しいスチュワーデスが立っているのを見て、驚いた。マーブ・シンプソンから契約更新のサインをもらいに個人アシスタントを送ってくるというのは知っていた。それに、クリスは搭乗機が着陸するとすぐにバリーの元に電話を入れ、タクシーに乗って直行するとも伝えていたので、女性が来るのも知っていた。バリーはそれを聞いていたので、ドアを開けたわけだが、それにしても、この女が本当にマーブのアシスタントなのか、信じられない思いだった。
もうひとつ、バリーはマーブの新アシスタントがスチュワーデスであるということも知らなかった。当然、彼は不意を突かれ、唖然としてしまっていた。
とはいえ、スチュワーデスの制服を着たままの超セクシーなクリスの姿を見て、バリーのペニスがズボンの中、急速に膨張したのは言うまでもない。
それにしても、この女は、美しいばかりでなく、実に若く、純粋無垢に見える。
クリスを見ながら、バリーは思った。「…そうか、マーブのヤツ、契約更新を確実にしようと、俺に特別サービスをよこしてきやがったな。この女、本当に小娘のように無邪気な顔をしている。俺がちょっとでも口説き始めたら、レイプされるー!って、いきなり大騒ぎするんじゃねえのか?」
ドア先で簡単に紹介し合った後、バリーは、手袋をはめたままのクリスの小さな手を取り、招き入れた。ドアを押さえ、彼女が部屋に入るのを見届ける。その時、バリーは、クリスが白い手袋を外すのを見た。そして、その左手の指にキラキラ輝くダイヤの結婚指輪がついているのを見たのだった。
バリーの期待は一気にしぼんでしまった。心の中、マーブを罵るのだった。
「マーブの野郎! 前回の契約更新の時、かなりの額を出したから、今回は、何もせずに俺が更新するだろうと思っているのか! ちくしょう、今日は思いっきり楽しめると思っていたのによお! くそっ!」
クリスは、自分の容姿とスチュワーデス姿でいることで、目の前のスター選手がすっかり警戒心をなくしてくれたものと思っていた。そして、部屋に入りながら、彼の肉体的な特徴をしっかりと観察していた。
…わーお! ビルが言っていたとおり、身長2メートル、がっちりした筋肉の塊! 確かに強面の人。それは確かね! 彼、私が契約更新にサインをしてもらうために、やらせてくれるのだろうかって迷ってるようね。ちょっと、無垢でおしとやかな女を演じて、彼の方から最初の動きをしてくるか確かめてみようかな…。ウフフ……。
クリスは、この状況にちょっとスパイスを加えてみようと、バリーに何気なく話しかけた。「私、これまでスポーツにはあまり興味がなかったんですよ。でも、先週、夫がとても驚いていたんです。バリーさんが相手のディフェンダーをみんな蹴散らして、ダンクシュートを決めた時…」
バリーから冷たい飲み物を受け取り、クリスはダイニング・テーブルに腰を降ろし、契約の書類を取りだした。その書類をテーブルに広げ、ペンを手に持ち、彼女は言った。
「この契約書類にサインをしていただければ、それですべて完了です。契約条件は前回の更新の時とまったく同じです」
クリスは、真向かいに座るスター選手を見ながら、思わず笑いそうになるのを堪えていた。筋肉隆々のいかつい顔をした男が腰をくねらせながら座っていたからだった。今この時、彼が何を考えているのか手に取るように分かるだけに、なおさらだった。
…彼、サインをしてしまうべきか迷ってるのね。下手に私に「やらさてくれるならサインしてやってもいいぜ」とかと言ったら、恥をかくかもしれないと迷ってる……
一方のバリーも頭の中で叫んでいた。
…くそっ! 今すぐマーブに電話して、このオンナを突っ返しちまったほうがいいのか? こんな清純そうな美人だ、俺がセックスを持ちかけたりしたら、我慢できるわけねえよなあ…。このオンナが俺の相手になるなんて、あり得ねえだろうな、ちくしょう!……
バリーは、目の前に広げられた契約書を読むふりをしながら、チラチラとクリスの方を見上げていた。マニキュアを塗った可愛らしい指を見ると、再びキラキラ輝くダイヤの結婚指輪が目に入ってくる。
…くそっ、やっぱりあり得ねえ! こんなに清純そうだし、無垢な女なんだ! 加えて、すでに結婚しているときてる!……