ステージのすぐ隣の席にミセス・グラフが座っている。それを見たとたん、ペニスがヒクヒク言い出し、先走りが溢れてくるのを感じた。ミセス・グラフはケイトとほとんど同じ服を着ていた。色が青である点だけが違う。ブロンドの髪の毛もケイトと同じようにアップにしている。首には俺が買ってやった黒革の首輪をつけていた。
クラブの方に目をやると、ケイトがこっちに歩いてくるのが見えた。堂々とした歩き方で、まるで究極の上流階級のレディのように見える。そのケイトがミセス・グラフが座っているテーブルへと歩くのを見て、俺は気絶しそうになった。
身体をもじもじさせながら、暗いガラス越しに見ていたが、どうやらケイトは手に何かを持っているようだった。いったい何を持っているのだ?
「おおっ、何と…!」
俺は思わず声を出してしまった。ケイトはミセス・グラフのところに近寄り、首のところの黒革の首輪に鎖をつないだのが見えたのだ。
ケイトは首輪のループに鎖のホックをつなげている。ミセス・グラフはじっと座ったまま、そうされていた。ケイトがつなげた鎖を優しく引っぱり上げると、ミセス・グラフは顔を上げ、にっこりと微笑んだ。ケイトはその鎖を引きながらステージへと歩き始め、ミセス・グラフは後からついてきた。俺は唖然としたまま、それを見ていた。
ケイトがゆっくりと段を上がり、俺の高校時代の美人教師はその後に続いて階段を上り始めた。ケイトはそのまま、俺がいる小部屋の窓のすぐ前のところまで来た。当然、ミセス・グラフも一緒に来ている。俺はミセス・グラフに俺の顔を見られてしまうだろうと思った。
俺は、顔を伏せがちにしつつ、ミセス・グラフの姿を頭のてっぺんからセクシーな足のつま先まで目を走らせ、しっかりと観察した。ケイトとの唯一の違いは、ケイトのドレスが赤で、ミセス・グラフのドレスが青いということだけだった。それに、ミセス・グラフはストッキングを履いているのにも気がついた。超薄地の黒いストッキングで足先が包まれているのが見える。黒のストラップのハイヒールはケイトのとは若干違っていた。むしろミセス・グラフの美しい足を強調するようなハイヒールになっていた。
ケイトは自分自身とミセス・グラフの位置を、俺のちょうど真ん前、二人それぞれが体側を俺に向くような形で対面し合うような姿勢にさせた。
ケイトは窓越しに俺の方に目をやり、軽く微笑み、そして小さくウインクをして見せた。それから、ミセス・グラフの首輪に手をやり、鎖を外し、床に落とした。それから誘惑的な顔に変わり、ミセス・グラフの方に向き直った。
ケイトが顔を降ろし、ミセス・グラフの顔に近づけていく。それを見ながら俺はペニスが爆発しそうになっていた。二人、うっとりと眼を閉じ、唇が重なっていく。それを見ただけで、射精しそうだった。身体をよじって自由になろうとしたが、鉄の拘束具が手足に食い込み、それはできない。
二人はうっとりとキスを繰り返していた。いつの間にかケイトはミセス・グラフと両手をつないでいた。超絶美女が二人、熱のこもったキスをしている。観客も大騒ぎになっていた。大半の観客はステージの周辺に集まっていた。一度、ケイトが顔を上げたが、それは俺の方を見てニヤリと笑うためだけで、すぐに顔を戻してミセス・グラフとキスを再開する。
「ああ、すごい…」 俺は思わず声に出した。
ケイトが口を開き、中から舌を突き出した。その舌がミセス・グラフの唇に触れると、すぐに、ミセス・グラフも口を開いた。そして中から舌が姿を現し、ケイトの舌を絡みあいを始めた。二人は頭を傾け合い、キスを延々と続けた。
キスし合う二人を見ながら、俺はいつ射精してもおかしくない状態になっていた。
ケイトは両手をミセス・グラフの手首に添え、ゆっくりとその両手を這いあがらせた。そして、その両手がミセス・グラフの胸のところまで来る。ケイトの両手がミセス・グラフの豊満な乳房を覆い、やんわりと揉み始めた。それを受けて、ミセス・グラフは頭を後ろに倒し、快感を堪能する。
ケイトは頭を下げ、首筋に舌を当て、ヌルリヌルリとあごのところまで舐め上げた。
感極まったのか、突然ミセス・グラフは顔を元に戻し、今度は攻撃的にケイトの口の中に舌を突き入れ、中を探り舐めた。
その二人の愛撫は始まりも唐突だったが、終わり方も唐突だった。
ケイトはいったんミセス・グラフから離れると、また、窓越しに俺の方を見た。俺は、単なる悪ふざけだが、ケイトの方に舌を突き出してみせた。だが、不思議なことに、ケイトはそんな俺の顔を見てないような感じだった。
ケイトはミセス・グラフの両肩に手をあて、彼女の向きを変え、俺と対面するようにさせた。
俺は、真正面からミセス・グラフと見つめあうことになった。ほんの短い間だけだったが、互いに目を見つめあったのは事実だ。これは彼女と関係を持ってから初めてのことだった。だが、ミセス・グラフは何の反応も示さない。
「そうか、これはマジックミラーなのか」
やっと気づいた俺だったが、心臓がドキドキしているのは変わらなかった。