ノボルの中の野獣としての部分は、アンジェラが、好き勝手に犯してと許してくれたことに歓喜した。ノボルは彼女の衣服を破り脱がすなどもどかしかったのか、着たままの衣服を鋭い爪で引き裂き、散り散りにさせた。そのため、爪が触れた彼女の肌に赤い傷跡が幾筋も残った。
ノボルは、そんなことも意に介さず、かぎ爪のはえた片手でアンジェラの頭を鷲づかみにした。いまの状態のノボルなら軽々と彼女の頭蓋骨を砕くことができるだろう。もう一方の手ですでに先走りを垂れ流しているペニスを握りながら、彼はアンジェラの唇にそれを押しつけた。
「口を開くんだ」
アンジェラが言われたとおりにすると、ノボルは分身を滑り込ませ、彼女の顎を外れんばかりに広げた。そして、まるで道具を扱うようにアンジェラの頭を動かし、自分の欲望を満たし始めた。
しばらくそうしていたが、アンジェラのお尻の下に湿り気が溜まっているのを見たノボルは、彼女を突き離し、股間へと移動し、カウチについた液体をぺろぺろ舐めはじめ、その後、誘うように待っている陰唇の中へと舌を忍び込ませた。
アンジェラは、両手でノボルの頭の白い従毛を握りしめ、しきりに腰を動かし、股間を彼の顔に擦りつけた。狼のように尖ったノボルの鼻先をさらに奥へと引き入れようとしてである。
快感が募り、アンジェラは頭を後ろに倒して喘いだ。それにより、透き通るように美しい肌の首筋が露わになる。それを見たノボルは牙を剥いて、その柔肌に噛みついた。アンジェラの肌から出た血が彼の舌にも流れてくる。
アンジェラの血液の甘い、鉄のような味。それを味わった瞬間、ノボルの理性的な部分は完全に後退してしまった。原始的な野生の欲望だけが精神を支配する。貪り、犯し、そして完全に我がものにしたいという欲望だった。
それまでがっちりとアンジェラの身体を押さえつけていたノボルだったが、いったん手を離し、彼女の身体を投げるようにして半転させ、うつ伏せにさせた。あまりに乱暴に身体を投げられ、アンジェラは叫び声を上げ、抗議した。しかしノボルはそんな声は意に介しない。
今までにないノボルの切迫した様子に、アンジェラは少し恐怖を感じた。そのアンジェラの恐怖心をノボルは匂いで察知した。アンジェラが自分から求めたことに不安を感じている。だが、それはノボルの中の捕食者としての部分をさらに燃えあがらせ、いっそう彼女を支配し所有したいという気持ちを高めさせることにしかならなかった。
ノボルは、アンジェラの脚を強引に開き、残酷ともいえるような一突きで一気に分身を埋め込んだ。あまりに乱暴に入れられた痛みにアンジェラは悲痛な泣き声を上げたが、それすらノボルにとっては嬉しい声だ。
片手で彼女の乳房を握りしめ、その握りをてこにアンジェラの身体を固定しながら、ノボルは背後から野獣のように出し入れを繰り返した。アンジェラの泣き声、ノボルの唸り声、そして身体がぶつかり合う音が部屋に響く。
「ノブ、お願い…」
痛みが募ってきた。あまりに激しすぎる。だが、その訴えに、ノボルは脅かすような唸り声を上げることで返事した。まるで獣が獲物を咥えるように、彼女の後ろ首に噛みついて離さない。アンジェラは、噛みつかれるのを感じ、そこから出た血が革ソファにぽたぽたと滴るのを見て、純粋な恐怖心から泣き叫んだ。だが、巨体化したノボルに覆いかぶされ、まったく身動きできない。
一方のノボルは情け容赦なく出し入れを繰り返していた。アンジェラの血の味と恐怖心によるアドレナリンの匂い。それが相まって、彼をめまいがするほどの速さで絶頂へと引き上げていく。
「俺のために逝け!」 ノボルはざらついた声でそう彼女の耳元に命令した。
その命令の所有的で支配的な性質。それはむしろ、アンジェラの中で爆発的なオーガズムを引き起こすきっかけとなるものだった。強烈な快感に襲われ、狂ったように悶え、カウチに爪を立てて絶頂を迎えた。その彼女の欲情の発散は、ノボル自身の爆発のきっかけともなった。頭を後ろにつっぱね、咆哮の声を上げ、アンジェラの中に幾発もの白濁を撃ち出し、そこを充満させた。