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ジャッキー 第14章 (2:終) 


アンジーは僕の唇に軽くキスをした。「あなたほど優しい人を知らないわ。あなたは、私が本当はダンなんかと付き合いたくないことをちゃんと理解してくれている。なのに私ったら。本当は二度と、日常的な頻度であの男に好き勝手にされるのを許してはいけなかったはずなのに。あなたは私が出会った最良の人だったのに。でも、もうダメね。とうとう、私はそんな大切なあなたを失ってしまった」

アンジーは再び声を上げて泣き始めた。10分くらい泣き続け、やがてゆっくり収まった。

僕は彼女をしっかりと抱きながら、このことの意味を考えた。そして、アンジーはダンが行う虐待を求める気持ちをコントロールできないのだという結論に達した。これは確かに病気である。正常な人なら、意図的にそういう虐待を行われるのを求めることはない。これは病気なんだと考えると、もはや、このことでアンジーを責めることはできなくなった。つまり、愛する人が癌になったからと言って、その人と別れることなどありえない。それと同じことだと。

アンジーは思う存分泣きはらすと、立ち上がり、言った。「もう私は出ていくべきよね。あなたにはあなたの人生があるから」

そう言ってドアの方へ向きを変えたアンジーだったが、ふらふらとよろめき、僕の腕の中に倒れ込んだ。

思わず二人とも笑ってしまった。

「僕が車で家に送るべきだと思うよ。君は運転できる状態じゃない」

アンジーは僕の頬にキスをした。「優しい人。どんな人もあなたのことをそう思うでしょうね。でも、本当に、もうこれ以上、私はあなたに迷惑をかけられないわ」

「迷惑じゃないよ。元々、君が来なくたって、そうするつもりだったから」 と彼女を助けながら言った。

アンジーは驚いた顔をした。「それって、家に戻ってくれるということ?」

「そうだよ。もし君が僕を受け入れてくれるなら、だけど」 と着替えを始めながら言った。

「ダンのことはどうするの? 私、ダンのところに二度と行かないとは約束できないのよ! これまでも何度も頑張ったけど、そのたびに失敗しているのよ!」 アンジーは必死に訴えた。

「それについては一緒に考えよう。君がまたあの男にどうしても合わずにいられなくなったとしても、そのことは理解するよ。僕はただ、それを知りたくないだけ」

アンジーが肩をがっくりと落とすのが見えた。

「それはできないかもしれないの。この前、ダンが言ったのよ。そろそろ旦那に、自分がどんな淫乱女と結婚したか、実態を教えてやってもいい頃だな、って。ダンのことだから、次に会うときは、絶対、あなたも一緒に来るように求めてくるわ。そういう人なのよ。いつも私を精神的にいたぶる新しい方法を探してくる…」

これは予想してないことだった。だけど僕は素早く答えた。「その時は、その試練を二人で乗り越えよう」

そのすぐ後、僕たちは一緒に家に帰った。その夜、僕たちは1ヵ月も会っていなかったかのように愛し合った。アンジーの女陰を舐めている時、ダンのペニスが彼女に出入りする光景が頭の中に浮かび、どうしても、ぬぐい去ることができなかった。そして、どういうわけか、そのイメージのため、僕はいっそう激しく彼女のそこを舐め続けたのだった。

次にアンジーが再びイライラし始めたのは、それから3週間後のことだった。彼女が、その衝動を抑えこもうと頑張っていたのは確かだったけど、でもその戦いに負けそうになっていたのも確かだった。

そうなった場合については前もって話しあっていて、アンジーがどうしてもダンに電話をしたくなった時には、僕に教えるようにと合意していた。秘密に会うことは絶対にないようにと。

とうとうアンジーはもうこれ以上我慢できなくなったらしい。僕の職場になっていた書斎に入ってきて、言ったのだった。

「どうしても電話したくなったの。本当に頑張ったわ。でも、どうしてもダメなの。傷ついたら、ごめんなさい」

「大丈夫だよ。いいよ、いいんだ、電話して」 と僕は仕事机の上の電話を指差した。

アンジーは受話器を手にしながら、何度も僕の方を振り返った。「ここで電話してほしいと言ったのはあなたなのよ。私が彼に言う言葉を、あなたが訊きたいと言ったのよ」

「もう秘密はナシと言ったはずだよ。もしこれが君の人生の一部なら、僕もそれに関わりたいんだから」

アンジーは何度か固唾を飲み、ようやく受話器を取り、電話した。

「ダン様? 淫乱女のアンジーです」 彼女は僕の顔を見ながら、そう言った。

「私のおまんこが燃えるように疼いています。私のような淫乱女を扱う方法をちゃんと知っている本物の男性に満たして欲しいと疼いているのです」

これを言いながらアンジーは顔を真っ赤にしていた。

アンジーは、二分ほど向こうの言う言葉を聞いていた。

「夫がその場にいられるか、私には分かりません」

アンジーは受話器を耳にピッタリ押し付けていたが、それでも、向こうの男が彼女を怒鳴りつける声は聞こえた。少しして、アンジーは言った。

「はい、分かりました、ご主人さま。夫に伝えます。次にダン様が淫乱の私に会うときは、夫が立ち会うようダン様が求めになっていることを伝えます。お時間を取らせてしまい申し訳ございません」

そう言ってアンジーは電話を切った。

僕がいる前で電話をかけさせられ、アンジーはかなり恥辱を感じたかもしれない。でも、僕は、これがどういうふうに進むのかを知っておきたかった。面白そうだからとか、そういうつもりで、これをさせたのではない。電話をオープンにさせることで、何らかの形で、アンジーが立ち直ることに役立つのではないか。僕は、一種そう期待しているところがあった。

電話を置き、アンジーが言った。

「彼、明日の7時に家に来るわ。あなたにもいて欲しいって。そうすれば、あなたが結婚した女がどんな淫乱女かしっかり見せることができるからって。明日、ダンがいたぶったり恥辱を味わわせようとしているのは、私だけじゃない。そう思う。できれば、あなたにっだけは、あまりキツイことはさせないでくれるといいんだけど…」

そう言う彼女の目にみるみる涙が溢れてくるのが見えた。

僕はアンジーを抱き寄せ、顔にキスをし、涙を吸い取った。その夜、できる限りの優しさでアンジーを愛した。たとえ何があろうと、僕は彼女を愛している。それを彼女に知ってほしかった。

翌日、僕は朝からずっと緊張していた。不安感で落ち着かなかった。一日の大半を家の掃除をして過ごした。長い間、落ち着いて座ってることができなかったからである。

午後5時、アンジーがオフィスから帰ってきた。二人、何度かキスをした後、アンジーはシャワーを浴びに二階に上がった。

6時半、アンジーが降りてきた。全裸でであった。化粧が驚くほど濃かった。

どうして裸なのかと訊くと、彼女は肩をすくめ、顔を赤くしながら、こう言った。

「家で会う時は、こういう格好で玄関に出迎えろというのがダンの要望なの。どこか他の場所で会うときは服を着ててもいいんだけど、下着は履いてはダメ。脱いでおかないとダメなの。さもないと、服ごと、引き裂かれてしまうのよ」

僕は彼女を抱きしめた。玄関のチャイムが鳴るまで。

つづく


[2013/03/05] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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