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ジェシー借金を返す (4) 


クラブに向かう車の中、ジェシーはいたく感動して言った。

「こんなリムジンを乗り回してるなんて、ジョン、すごいお金持なのね!」

ジョンは微笑みながらも、うつ向いた。「実は違うんだ。この車はクラブのものなんだ。特別なお客さん用に使う車。今夜は空いていたので、使わせてもらっているだけ。でも、君が特別なお客さんなのは事実だよ」

「とても素敵なのね」 とジェシーが言った。

顔を赤らめる僕の妻を見ながらジョンが答えた。「ジェシー、あなたの素敵さにはとても及ばないよ。ビル、申し訳ない。どうしても抵抗できなくって。僕があなたの奥さんのことばかり気にかけるのを不愉快に思わないでくれたらいいんだけど…」

「問題ないよ、ジョン。僕も君と同意見だから。それにジェシーも注目を浴びて、内心喜んでいるんじゃないかと思ってるし」

そうこうしているうちにクラブに着いた。かなりの店のように見えた。入口を入って、僕は、その夜、最初の驚きに襲われた。この店は非常に高級なストリップ・クラブだったのである。メインの部屋にはステージが3つあり、裸の女性たちがその上で踊っていた。フロアからは見えないところにDJのブースがあり、そこからセクシーな音楽が流れ、部屋を満たしていた。女たちはその音楽に合わせて身体を揺らしている。

ジェシーを見たが、彼女もやはり驚いているのが分かった。ちょっとぎこちなく笑いながらジョンに言っていた。「あなたが言っていたダンスって、まさかこれのことじゃないといいんだけど…」

「アハハ、違うよ、ジェシー。いくら僕でもそれほどひどい奴じゃない」

ジョンはみんなについてくるように手招きした。彼の後についてメインルームから出ると、今度は過剰にふわふわしてるソファや椅子が置いてある静かな部屋になった。全裸の美女たちが、数人の男性をもてなしている。男たちの前で踊っている女性もいたし、男の下腹部にお尻を擦りつける動きをしている女性もいた。ジェシーはこの光景に目を丸くしていた。

ようやく、ジョンは「個室」と書かれたドアを開け、みんなでそこに入った。この部屋は、他の部屋ほど大きくはないが、バー・カウンターがあり、ソファや椅子がいくつか並んでいた。そして部屋の中央にはかなり高級なビリヤード台が置かれていた。

「スティーブ、僕らのお客さんに飲み物を用意してくれないか?」 とジョンは言い、僕たちに腰を降ろすよう、手招きした。

部屋を見回し、その時になって初めて、あの運転手が僕たちと一緒に部屋にいるのに気づいた。彼はバーカウンターの後ろに立ち、グラスを磨いているところだった。

「みんな、何が飲みたい?」

ジェシーは、いつものラムのコーラ割りを頼み、僕はライ&ジンジャーエール(参考)を頼んだ。それから2分も経たずして、スティーブは4人みんなの分の飲み物を持ってきた。彼はジョンとトニーの好きな飲み物はすでに知っていたようだ。


[2013/03/08] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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