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裏切り 第7章 (6) 


私の体内時計は、ストレスとアルコールの影響で少し狂っていたに違いない。脳内でできるだけ正確に計測できたとして、ロブがこの発言をした時間と、私が最初に喉奥に吐き気を感じた時間の間に一秒半しか時間がなかった。イチゴ味の吐き気はキュートな味とは言えない。

「ごめんなさい」 と言い、トイレに走った。

走り去る背中で、ロブが「何か変なこと言ったかな?」と言うのが聞こえた気がした。

モーゼの十戒の第1戒律では「汝、私以外の神を崇拝してはならない」とある。

よかった。

神が陶器製の玉座に座っているのであるなら、私は煉獄で焼かれることはない。

***

便器の前にひざまずく私のすぐ後ろで彼女の声がした。

「大丈夫?」

「これ以上ないほど」と苦しみながら答えた。「最近、人狩りスキャンダルが流行っているから。適切にリークしたら、来週のピープル誌の表紙を飾れるわ」

咳きこむ私のお腹を彼女の右腕が優しく包んだ。左手は私の額に当てている。母にしてもらった他、この単純で慈愛に満ちた行為を私にしてくれた人はいなかった。この時、私はアンジーのことをありがたく感じた。もっとも、それと同時に、彼女の存在の隅から隅まで軽蔑していたのではあるけれど。

「わ、私が何をしたのよ…あなたがこんなに私を怨むようなこと、何をしたというのよ?」

「ええ?」

私の胃は、ようやく、もう充分だと諦めてくれたようだった。呼吸も普段の状態に戻ってきた。私は立ち上がり、便器の座席板を降ろし、そこにがっくりと腰を降ろした。

「私を罠に嵌めたでしょ! 私のことをバラした! 会社の人に! ここシカゴでは私はもうお終い。バッファローで野球のトレードカードの仕事にありつけたら幸運と思わなきゃいけないわね。どうしてなの? どうして、アンジー?!」

アンジーはただ私を睨んでいた。まるで私の額の真中に第3の眼が現れたみたいに。

「ちょっといい?」 とアンジーは怒って言った。「私があなたを罠にはめた? もちろん、その通りよ! こんな状況で、他にどうやったらあなたをここに連れてこられたか、こっちが知りたいわ。その他のことに関してだけど、私たちついちょっと前まで同じテーブルに座っていたのよ? ロブ・ネルソンがあなたに副社長職を提示したのをちゃんと聞いたはずよ。それがどうして、『シカゴでは、私はもうお終い』ということになるのよ?」

「明日の今頃には、会社の誰もが私のことを一種の変態だったと納得するでしょう」

黒髪のラテン娘はまだ私を睨みつけていた。口元がちょっと歪み、その後、上向きに変わった。邪悪そうな笑顔になる。

「ほう、それだけ?」 といかにも当然と言ったふうに言う。

アンジーは私のスカートに手を伸ばし、腰まで捲り上げた。そして私のパンティも引き下ろした。私のおバカなクリトリスは、私の仲間がしたことにどれだけ私が怒っているかも知らず、跳ねるように勃起し、痛いくらいに直立した。

アンジーは自分のタイトスカートのチャックを下げ、腰をくねらせながら、脱いだ。彼女はパンティを履いていなかった。そうして私の太ももにまたがり、ゆっくりと私の股間へと腰を降ろした。自分自身を私の勃起で貫く。一瞬、アンジーの瞳が輝いた。私のクリトリスが彼女の濡れた女陰にすっかり収まると、アンジーは身体を震わせ、満足そうな溜息を吐いた。


[2013/03/12] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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