レオンは燃えるような眼差しでイサベラの姿を見た。跳ね上がった前髪。そして新しいガウンの胸元の襟から盛り上がるクリーム色の胸の肌。
レオンは、今この瞬間にでも彼女を裸にし、ベッドに押し倒し、その身体を貪りたい衝動に駆られた。イサベラの身体を貪ると同時に、彼女の頭から忌まわしい父親の記憶をすべて洗い流してあげたいと。
イサベラは、レオンがまるで獲物を狙うハンターのように近づいてくるのを見て、本能的に後ずさりした。背中がドアにつく。だがレオンに身体を掴まれ、イサベラはハッと息を飲み、くるりと後ろ向きになり、ドアノブを握った。
しかしレオンの大きな手のひらが、イサベラの背後から伸びてきて彼女の腰を押さえた。そして彼はイサベラの身体を再び半転させ、固い胸板に抱き寄せた。イサベラは自ら両腕で彼の首を包み込み、レオンは彼女の身体を抱え上げ、何事か決心したような足取りでベッドに運んだ。
「レオン……」
イサベラは、仰向けにベッドに降ろされ息を飲んだ。レオンはベッドの横、両手を腰に当てて、仁王立ちしたまま自分を見下ろしている。この様子のレオン…。次に何をされるか彼女には予測がつかなかった。そのことが恐怖であると同時に興奮を誘うものでもあった。
「少しお仕置きしなければいけないな」
そうレオンはかすれた声で呟き、イサベラのガウンに手をかけ、強く引っぱった。薄地の生地は屈服の叫び声をあげ、すぐに引き裂かれてしまった。それを剥ぎ取ると、その下に着ているシュミーズの中、硬直したバラ色の乳首が臆面もなく突き立っているのが透けて見えた。透けて見えるがゆえにいっそうそそられ、レオンはその姿をまじまじと見続けた。イサベラは動こうとしたが、お腹を手で押さえられ、溜息を漏らした。手で押さえられ、ベッドに釘付けにされて動けない。
「動くんじゃない」 とレオンは呟き、イサベラの太ももの間にうっすらと見える三角形の影に目を落とした。
レオンは両手を彼女の太ももの内側に当てた。そして愛撫するようにその手が徐々に這い上がってくる。それを受けて、イサベラは呟いた。
「レ、レオン……」
いまだレオンの意図が分からず、用心深そうな声だった。しかし、次の瞬間、きゃぁっと、小さい悲鳴が彼女の口から漏れた。レオンが彼女の太ももを握り、ぐっと引き寄せられたからである。脚を持ち上げられる形だった。
ベッド端にきている彼の太ももにお尻がつくまで、身体を引きずられた。イサベラはレオンから逃れようと、身体をくねらせたが、自分の秘密の部分に彼の固くなったものが触れるのを感じた。その感覚に、イサベラはとたんに心と身体が溶けだすのを感じた。
レオンの指が、持ち上げられた太ももを滑り降り、彼女の腹部へと下ってきた。その歩みに合わせて、シュミーズの裾も一緒に引き上げられていく。イサベラは、なされるがままに、ただ身体を小刻みに震わせた。過熱している肉肌、湿り気を帯びた肉唇がひんやりとした空気に触れるのを感じた。