ノボルはアンジェラが眠ったのを確かめた後、黒シルクのパジャマのズボンを履き、書斎に入った。
その書斎には複数のコンピュータ・ディスプレイが並んでいた。ノボルはヘッドセットを装着し、画面のひとつに向かって言った。「ダイスケ、何か新しいことは?」
画面の向こう、一人の男が腰を降ろした。「まだ何もありません、ナガモリ様。依然として、彼の動きを追っているところです」
「このまま情報を伝え続けてくれ。あと、アンジェラのメールだが、私のアドレスにも転送されるようにしてくれるか?」
「はい。そのように手配します」
ノボルはヘッドセットを外し、書斎から出て、ベッドに戻った。そこにはスコッティがいて、ノボルが去った後の温かい場所で丸くなっていた。その子猫は片眼を開け、いるのがノボルだけだと知ると、また目を閉じ眠りに戻った。
「バカ[Baga]、そこは私の場所だよ」とノボルは優しくたしなめた。
スノッティはノボルの言葉を理解したのか、嫌そうに背伸びをし、立ちあがった。
「アリガトウ、スノッティ君」
ノボルはそう言い、スプーン重ね(
参考)をするようにアンジェラに身体を寄せ、眠りに入った。
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「ナガモリ様、再びお目にかかれて嬉しゅうございます」
女の甘美な声にノボルは神経を逆なでされるのを感じた。とは言え、分身がゆっくりと頭をもたげてくるのも感じる。女は、それまでの毎夜と同様、この夜もノボルが収監されている牢屋に来たのだった。嗅覚が強化されていたノボルには、この女が1里以内に近づいても察知できる。
「すまないが、私はお前と同じ気持ちではない」 彼の返事はそっけなかった。
「うふふ…」 キツネツカイ[kitsune-sukai]は笑いながら、その完璧なまでに美麗な脚をしなやかに動かした。まるで条件づけられているかのように、ノボルの分身に血が満ち、膨らむ。
「あなたは毎晩、同じ言葉を言う。だが私は毎晩あなたの精を股の間から滴らせながら帰っていくのだが?」
女は牢屋の隅に腹をすかして横たわる怪物じみた狼に目をやった。「どうやら、少なくとも、この部分だけは私と同じ気持らしいぞ」 と女は自信ありげにノボルの固い分身を撫でながら、おつにすまして指摘した。
ノボルは自分の身体が自分を裏切るのを恥じ、顔を背け、女を見まいとした。女は両手を左右の肩に添え、着物を払った。絹の着物が女の細い足首の周り、水たまりに滑り降りた。
ノボルを仰向けにさせ、女は上にまたがった。互いに股間に顔を向ける姿勢だった。ノボルの分身は女の顔に向かって猛々しく直立していた。ノボルは女の割れ目を見つめるうちに、その分身は意思を持ってるかのようにそそり立ち、頭部が包皮から完全に姿を現し、最大の大きさになっていた。
女は無言のままノボルの分身を飲みこみ、同時に股間を彼の顔に押しつけた。
ノボルは抵抗できなかった。舌を伸ばし、この女が分泌する中毒性のある液体を味わった。それを受け、女はノボルの分身を咥えたまま喜びの声をあげた。
女はノボルの分身が脈動するのを感じると、まだいかすまいと口から離し、両手でしごきつつも、大きなよがり声を上げ、ノボルの顔面に乗り、腰を前後させた。彼の鼻先を使って陰核を擦り、恍惚とした声を上げて絶頂に達するまで、それを続けた。
「飢えきった獣さま、今度はあなたの番…」
女は甘い声でそう言い、ノボルの分身の上に腰を沈めた。全長が中に入るまで、ゆっくりと腰を使った後、体内でノボルのそれが痙攣するのを感じながら、次第に激しく身体を上下させ始めた。
やがて溶岩のように熱い樹液が膣内に飛び散るのを感じ、女は勝ち誇った声を上げた。それでもゆっくりと腰を動かし続けた。ノボルが完全に消耗するまで。
ノボルの精を完全に吸い取ったことを確認し、女はハアーっと満足しきった溜息をもらし、身体を離した。脱ぎ捨てた着物を拾い、「また明日、ケダモノ様」と囁き、牢屋から出ていった。
そのすぐ後に、ノボルは、また別の者の足音を聞いた。
「オニイサン、オゲンキデスカ[Oni-san, o genki deska]」
その声にノボルは怒りを感じた。
「地獄へ落ちろ、サブロー」 彼は横たわったまま悪態をついた。