そのイサベラの手をレオンは掴み、小さな笑い声を上げ、彼女の耳に息を吹きかけた。
「まだ、ダメだよ。ちゃんとお前の居場所はここだと、俺のベッドの中だと言うんだ」
レオンはイサベラを仰向けにさせた。そして太腿の間に脚を割り入れ、同時に、両手首を握り、頭の上に引っぱり上げた。焦らすように唇をイサベラの唇に近づける。イサベラは切なそうな声を上げた。
「言うんだ」
熱のこもった視線でイサベラの瞳を見つめる。そのレオンの顔にはユーモアの表情は消え、真顔になっていた。
イサベラはレオンが手首を離すのを感じ、一瞬ほっとした。だが、その代わりに手首をスカーフで縛られたのを知り、すぐに悲痛な叫びに変わった。
レオンは両ひじで身体を支え、イサベラに覆いかぶさりながら、じっと彼女の瞳を睨み据えた。
「言うんだ。もう二度と別の部屋にこっそり抜け出したりしないと」
「ああ、それで……」
イサベラは、なぜレオンが怒っているのかを知り、深くため息をつき、唇を舐めた。ちょっとした悪戯心が湧き、イサベラは悩ましい腰の動きをしてレオンを焦らした。お腹に当たっている固く、脈動している彼の分身。それを柔らかい下腹部を使ってわざと焦らした。そのご褒美として、レオンはうめき声をあげイサベラは喜んだが、同時に、太腿をピシャリと叩かれた。
「多分……」
とイサベラは伏せ目がちになって答え始めた。だが、彼の指が熱く湿った部分に忍び込んでくるのを感じ、ハッと目を開けた。指が中に滑り込んできて、愛撫してくる。身体がすぐに反応して、悩ましい声を出してしまう…。
「言いかけたと思うが…?」 少し間を置き、レオンが優しい声で答えを催促した。
イサベラは固唾をのみ、レオンの瞳を見上げた。
「多分……、たぶん、私は必要としていたの…。納得できることを…」
レオンは眉を吊り上げ、それから、目を細めた。
「何て危険なゲームをするんだ」
レオンはそう呟き、熱を込めてイサベラの唇に唇を重ねた。