ちょうど出口につこうとした時、出口が開いて、外から僕の秘書のゲイルが入ってきた。驚いた顔で立ち止まり、僕の姿を見つめていた。彼女の目が、僕の顔をざっと確かめた後、下に降りて、胸へ下り、それからジーンズへ降りたのを見た。ドナも彼女の表情を見たようだった。微笑みながら彼女に声をかけた。
「ゲイル。ここで会えるなんてすごい偶然。ちょっと前に、あなたのことを話し合っていたところなのよ。私、あなたともう一度、ランチを一緒にしなきゃいけないって言ったの。ねえ、明日、私と一緒にお昼を食べない? 私たち女だけで? ビックは構わないでしょう? でしょう、ハニー?」
そう言って、ニヤニヤしながら片手で僕の腕をつかみ、もう一方の手でゲイルの手を握った。
「話したいこといっぱいあったのに、あなたにずっと会っていなかったんだもの」
ドナは、愛らしい笑顔をゲイルに向けた。
ゲイルは僕を見ながら微笑んでいた。
「ええ、女の子同士のお昼のお話、素敵ね。男性が決して興味を示さない可愛い女の子っぽいことをおしゃべりできる機会が得られるんですものね?」
そう言って、視線をドナに向け、もう一方の手をドナの手に重ね、軽く揉み、微笑んだ。手には長く、赤い爪が目立っていた。ゲイルは、ドナの瞳をじっと覗き込み、猫なで声で言った。
「それに、私、このご夫婦のうちの、素敵な方のお方のことをもっとよく知りたいと、ずっと前から思っていたのよ」
ゲイルはにやりと笑みを浮かべ、僕の方を向いた。
「ボス? ただのお遊びですから。それに、ボスはとても素敵な感じに調子を合わせていらっしゃると思いますよ」
「そうでしょう? 前と違って」 ドナはふざけ混じりで言い、僕の方を向いた。「私たち、夫の身だしなみや服装について、いろいろしているところなのよね? そうでしょ? あなた?」
「オフィスでのご主人のスケジュールなどについては、私がちゃんと調節するよう努めます。それに、新しいビジネスを作る際には、見栄えや第一印象は重要だと思っていますので、何か私が手伝えることがありましたら、教えてくださいね」
「それはとても助かるわ。親切なのね、ゲイル。あまりあなたのお仕事の邪魔はしたくないけれど、あなたの申し出に頼らなければならなくなるかもしれないわ」 ドナは、ゲイルの手を握り返した。
「アルアさんは、思いやりがあるし、思慮深く、これまでも私にとって素晴らしいボスでした。私、こんな快適な職場につけて、とても感謝しているんですよ。それに、あなた方お2人ともとてもビューティフルな人たちなので、私はできる限りの協力を喜んでしたいと思っているんです。私が提供できることで、ビューティフルな人たちをもっとビューティフルにすることになると、そう感じているんですよ」
ドナは、ゲイルのお世辞を嬉しそうに受けながら、彼女の目を覗き込んだ。
「ほんと、今から思うと、もっと前からあなたと知り合いになっていたらと思うわ。もっと私たち親密になりたい気持ちよ。それって、あなたがいつも職場に持ち込めるようなことではないんだけど」
「もっと前から知り合いになっていたらと、私も同感です。今夜、こんな風に偶然、あなた方とばったり出会って、本当に嬉しく感じているんですよ。明日、ドナさんと一緒にランチを食べるのが本当に待ち遠しい。すごく楽しそう。ビクター・アルアさんをもっとアルア(alllure:魅力的)にする方法を話し合ってもいいかもしれませんね。駄洒落、ごめんなさい。でも、ドナ? 私が言いたいこと分かっていただけるでしょう?」
ゲイルは、そう言うと上半身をドナに近づけ、彼女の頬にキスをした。だが、頬とは言えかなり唇に近い場所だった。
「それでは」
ゲイルは僕の方を向いて、目立たないように両手で僕のブラのところを軽く触れ、ドナにしたのと同じように、僕にも軽くキスをした。
「私、あなた方お2人が大好きです。じゃあ、ボス、また明日」
彼女はそう言ってレストランの中に入っていった。
ゲイルが見せた親しみあふれた振る舞いに僕は頬が赤らんだ。彼女の香水の香りも漂っている。それを感じながら、僕は、ドナが、男性が女性に対して行うように、僕に先んじてドアを開け、腕を取って外に導くのを許した。僕の腕を取った妻の手が、僕のブラを軽くこすっているのを感じた。車に乗るときも、妻は再び僕のために助手席のドアを開け、乗り込むときも、腕を優しく支えてくれた。妻は、助手席のドアを閉めた後、車の周りを回って、運転席に乗り込んだ。
ドナは、微笑みながらまっすぐ僕の顔を見て言った。
「すっごく楽しくない? ビクトリア?」
そう言うなり、彼女は運転席から僕の方に体を傾け、僕の口に、甘美でねっとりとしたキスをした。彼女の舌が僕の口の中に滑り込んでくる。同時に、彼女の手が僕のパンティに包まれたペニスを優しくさすった。僕は、そこが再び活気付くのを感じた。
「これからものすごく楽しくなるわ。私のガールフレンドちゃん」
そう言って車のエンジンをかける。
「さあ、私たちの愛の巣に帰りましょう。もうすぐベッドに入る時間!」