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デス・バイ・ファッキング 第16章 (1) 

「デス・バイ・ファッキング」 第16章 創始者の心配 Chapter 16: Concerns of the Progenitor by thebullet



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これまでのあらすじ

アンドリューはディアドラとドニーの双子姉妹と衝撃的な出会いをした。彼女たちには秘密があった。自分らが新人類かもしれないということ。アンドリューも同類という。二人から人類向上機構IAMと呼ばれる知力の高い人間の選択を目的とした組織について話しを聞いたアンドリューはディ・ディたちと結婚しIAM事業を引き継ぐ。彼らに生れた子供たちはみな天才であった。アンドリューは子供たちの心が読め、子供たちも人の心が読める。彼はIAMに属する子に恵まれない双子たちとセックスを始める。繁殖が進みつつある頃、家に男が不法侵入した。アンドリューたちはその事件をきっかけに政府関係へ反撃を開始する。天才児たちの能力を使い、情報・財力・知識の面で世界に影響力を拡大し始めた。

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5年目

アンドリューの話し

アメリカ政府とのちょっとした直接対決は、つかの間のことだったし、ごく軽いものではあったが、僕の目をようやく見開かせてくれた。エミーは危うくアメリカ政府全体を転覆させそうになったのだ。しかも、ほとんど労力を払わずして。僕はエミーに司法長官を懲らしめてやれと言っただけ。エミーは軽々とそれをやり遂げた。

その一方で、エミーは、今だテニスボールをネットすれすれに打つ練習をしているし。子犬を番犬にする訓練をしているし、6ヶ国語で大学院レベルの勉強をしているし、お昼寝をしているし、関わってくる人みんなにいたずらをしているし、アニメを見て喜んでいる。

フラッシュ(参考)、グリーン・ランタン(参考)、インクレディブル・ハルク(参考)、それにシルバー・サーファー(参考)が束になってもエマのようなパワーは出ない。もしレックス・ルーサー(参考)が自分が思っている通りの天才だとしたら、スーパーマンなど1週間も持たないだろう。それと同じだ。マッチョ系のスーパーヒーローたちが束になっても、エマのような天才には勝てないのである。

エマの賢さは、僕の理解できる限度を超えている。まるで6500万年を想像しようとするような感じだ。恐竜たちは6500万年前に絶滅したが、僕の脳にとって、その数字はなにも意味しない。水が沸騰するのを待つのは、人間は理屈を知ってるので簡単だろうが、知らない生き物にとっては永遠に待っているように感じるだろう。

知性と知性の度合いについては理解している。アインシュタインやジェファーソンのような人物を見れば、彼らが他の人に比べてどれだけ聡明であるか想像することはできる。ジョン・F・ケネディは、ノーベル賞受賞者を招いてホワイトハウスで晩餐会を開いたことがある。その開会の式辞で、ケネディは「ここでジェファーソンが独りで食事を取った時以来、これほどの知性がこの食卓に集まったことはなかった」とか、そのようなことを述べた。ジェファーソンは聡明だった。非常に聡明だった。だけど、少なくともジェファーソンを他の人たちと比較することはできる。

でも、今日までのところ、非常に聡明なホモ・サピエンスと新人類との知性の違いを比べることは僕にはできていないのである。ホモ・サピエンスと新人類の間には、想像力を絶するような巨大な溝があるのだ。

僕の娘たちはまだ5歳児の幼児なのだ。エレは、親指をしゃぶりながら、ワークステーションの前に座り、何百万ドルも関わる取引の決定をしている。エディは、コンピュータの歴史上、最高のコードを書くか、ブランコで遊ぶか、どちらにしようかと迷っている。

彼らの能力の限界がどこか、まったく分からない。しかも、それはひとりひとりで見た場合の話しだ。子供たちはテレパシー的に意思疎通ができる。その子供たちが一緒になり、共同したら何ができるだろうか? 彼らの脳は加算できるものである可能性があるのではないか? つまり、彼らの脳のパワーを合体することがありえたとしたら? それは心のネットワークのようなものになるのか? それとも一つのスーパー・マインドのようなものになるのか? それすら、さらに疑問を生む。ひとりひとりで見ても、すでにスーパー・マインドだ。それを合体して加算していったとしたら、彼らはどんなことを手に入れるだろう?

僕は、エミーが指をパチンと鳴らしただけで政府が大騒ぎになるのを見て以来、こんな狂ったことを考え続けてきている。しばらくの間は、この騒動を「僕たち 対 あいつら」の感覚で見てきていた。つまり、「僕たち家族 対 世界」という図式で。

でも、ひょっとすると、この「僕たち 対 あいつら」のシナリオは、「一つの生物種 対 別の生物種」という対立も含み始めるかもしれないとおぼろげに考え始めている。いまのところは「60億人 対 200人」だ。この60億人は勝つことができるのだろうか? もっと重要なこととして、この60億人は勝つべきなのだろうか?


[2013/08/22] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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